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最近思ったこと、考えたこと

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ブログサイトで書いてきたジャーナルを、2020年6月からnoteで発表することにしました。テーマはその時々関心をもったこと、もう何年も続けています。葉っぱの坑夫の出版活動と直接的… もっと読む
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記事一覧

悪人vs.善人。世界の2分に茶々をいれる、逆転の発想とフィクション

悪人vs.善人。世界の2分に茶々をいれる、逆転の発想とフィクション

人間には悪人という種と善人という種があって、それは明確に分類されているのでしょうか。悪人は100%悪であり、善人は100%善であるといった。

ヒーローものの映画やドラマでは、昔から正義の味方というのはおそらく100%善人だったんじゃないかと。このジャンルあまり詳しくはないのですが、スパイダーマンとかスーパーマンとか水戸黄門は正義の味方であり、善人でしょう? 社会的には善人なんだけど、家庭ではとき

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crazyをどう訳す? これは差別語?

crazyをどう訳す? これは差別語?

英日の翻訳をしていて、日本語にするのに困ることは結構あります。一つはその英語の言葉にあたる日本語(考え方、ものの見方)が存在しない場合。たとえばトランスジェンダー(英語圏では1965年ごろに造語された)とか。まあこれはもう、カタカナ表記で広まっているから、訳す必要はないとして。
title image : Insane graffiti, East London by duncan c(CC BY

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とっかかりがない、海外文学への狭い道

とっかかりがない、海外文学への狭い道

小説、といったときそれが何を指すかと言えば、95%くらいは日本語で書かれた日本人の書き手による物語のこと、のようです、今の日本では。大手出版社がウェブで連載している小説の数々、その項目の中に「海外」の文字はほぼなく。唯一見つけたのが林真理子さんによる『わたしはスカーレット』で、これは翻訳小説ではなく、マーガレット・ミッチェルの『風と共に去りぬ』を林さんが自由に脚色して書いた小説のようでした。元は海

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Kindleノベルフェア+期間限定セール! 50%offも、この機会に海外小説を

Kindleノベルフェア+期間限定セール! 50%offも、この機会に海外小説を

昨日からアマゾンでKindleのノベルフェアをやっています。6月30日まで。葉っぱの坑夫も6冊の本で参加しています。すべて50%offです!
なかなか手の出ない海外の小説、あまり知られていない作家や風変わりな作品などに触れてみる良い機会では?
以下に葉っぱの坑夫から参加している本を紹介します。

ニイ・アイクエイ・パークス著
2010年度のコモンウェルス賞最終候補作品となった、ガーナの作家ニイ・パ

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蝶男とルドン...... (本の表紙制作を考える)

蝶男とルドン...... (本の表紙制作を考える)

6月2日に『蝶男:エストニア短編小説集』という本を出版しました。これは2021年3月から2021年12月まで、葉っぱの坑夫のウェブサイトで連載していた作品をパッケージの本にしたものです。

実は当初タイトルを『夢のつづき:エストニア短編小説集』とするつもりでした。著者との間の契約書でも、working titleとしてこのタイトルで申請していました。英語タイトルは"Continuation of

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本は流動体?:<コンテンツ>が「本」になるとき

本は流動体?:<コンテンツ>が「本」になるとき

本ってなんだっけ?

本というと、形としてどんなものを思い浮かべます? 
やっぱり紙を綴じてパッケージ化した「書籍」のことをまず考えるでしょうか。書籍というと、固い表紙のついた、ある程度厚みのある本が想定されます。それが本の原型と思われています(特に日本では)。

葉っぱの坑夫がスタートしたばかりの2000年ごろ、最初に作った本は100ページに満たない、薄くて小さな本でした。しかも表紙もモノクロ。

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ロシアと日本をつなぐもの、文学とか

ロシアと日本をつなぐもの、文学とか

日本とロシア、地理的にヨーロッパやアメリカよりずっと近いわけですけど(日本にとって)、文学においてもそれが反映されていたのでしょうか、両国がとても近い関係にあったことを最近発見しました。
*上の画像は「大江健三郎の本から、10の引用を」と題したロシアの出版社Ekcmoの記事(2017.1.31)から

きっかけは以前にnoteに書いた重訳についての論考にありました。

これを読んだとき、英語はわか

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キエフ = キーウは、バイリンガル都市?!

キエフ = キーウは、バイリンガル都市?!

ウクライナの首都キエフが少しまえから、日本語表記で「キーウ」とすることになりました。キーウはアルファベット表記で「Kyiv」、キリル文字だと「Київ」となるようです。英語版Wikipediaによると、音としては [ˈkɪjiu̯] (参照音源を聞くと「キーユ」に聞こえる) 、ロシア語読みだとKiev (/ˈkiːɛv/ KEE-ev)になるそうです。
*タイトル画像はウクライナの作家アンドレイ・

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演奏と翻訳は似てる?......再創造とは

演奏と翻訳は似てる?......再創造とは

「再創造」って英語だとなんて言うのかな、と。recreation?でもこれだとリクレーション=気晴らし、娯楽、保養と同じになってしまう。でも二つ目の意味として、再構築、再現、作り直しの意味もあるようです。(英辞郎)

Oxfordの辞書で確認してみたら、こちらでも二つの意味があって、ほぼ同じ。
1. [名詞] Activity done for enjoyment when one is not

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作文(創作)における良心とは、自意識とは

作文(創作)における良心とは、自意識とは

文章を書く、あるいは絵でも音楽でも作品をつくる、というとき、その書き手(作家)の良心(自意識)はどのように作用するのか、さらにそれは創作における技術の進歩に貢献するのか(しないのか)、ということを考えてみようと思います。
title image: Self-Portrait with Straw Hat(1887, Vincent van Gogh)

このことを思いついたのは、フランスの作曲家モ

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NHKニュースの中の奇妙な会話:これが国語の試験だったら?

NHKニュースの中の奇妙な会話:これが国語の試験だったら?

不整合(論理的に矛盾があること)というのは日常生活の中でときどき起きているものですが、案外気づかずにスルーしていることも多い。というか事象に対してそこまで関心がなければ、矛盾が含まれていても疑問をもつことなく「そうなんだー」と納得してしまいます。わたしも多くのことに関してそうだと思います。たいていスルー。

が、たまたまある朝、ポッドキャストでNHKニュース(NHKジャーナル)を聞いていて、えっ、

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重訳論ふたたび。周縁国、小国の文芸翻訳。

重訳論ふたたび。周縁国、小国の文芸翻訳。

いまアウグス・ガイリというエストニアの作家の『トーマス・ニペルナーティ』という長編小説を読んでいます。Googleで作家の名前(カタカナで)を検索しても何も出てこないので、ほとんど(というか全く)日本では知られていない人だと思います。(August Gailit: 1891年〜1960年)
写真: ガイリ(女性の右隣)とエストニアの文学グループSiuruのメンバー

この本の原著はエストニア語で書

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ニュースの見方 : paywallの壁を越えて(paywall:有料の壁)

ニュースの見方 : paywallの壁を越えて(paywall:有料の壁)

じつはニュース、いわゆる新聞とかテレビのニュース、はあまり知らないし見てない。何年か前、それなりに見ていた時期はあったと思うけれど、いまはちらっと見るだけ。見る習慣がなくなってしまった。。。

世の中の出来事とか、政治の世界とか、経済の動きとか、知らないと困るでしょ? たしかにそうです。でもなあ、そもそも何がニュースかっていうことが、最近よくわからなくなってしまって。新聞に載っていること、載るよう

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今日スタート、アマゾンのノベルフェア:kindle本を半額以下で [ ガーナ他の長編小説編 ]

今日スタート、アマゾンのノベルフェア:kindle本を半額以下で [ ガーナ他の長編小説編 ]

今日(2月4日)から2週間(2月17日まで)、アマゾンでkindle本のノベルフェアをやっています。葉っぱの坑夫も参加、6冊の小説を出品しています。

以下に紹介するのはガーナ、ベトナム、ジャマイカ出身の作家による長編小説。すべて275円で販売しています。

青い鳥の尻尾
ニイ・アイクエイ・パークス  2013.12.23
¥275
2010年度のコモンウェルス賞最終候補作品となった、ガーナの作家

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