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「性別」にまつわる諸問題<2>:第3、第4、第5の性とは? (男女二元論を超えて)
前回『「性別」にまつわる諸問題:呼称とかセルフ IDとかパス度とか』を書いた後で、いくつか気になることがあって、さらにこの問題について考えてみようと思いました。
その一つは「トランスジェンダー」についてのところで、以下のように書いたこと。そして「これについては想像の範囲で書いています。間違っているかもしれません」と結んでいます。
間違ったことを書いたかもしれない、とすれば正しいことは何か、その
セリーナ、ガウフ以前にもすごい選手がいた! アフリカ系テニス選手の歴史
9月10日、全米オープンテニス決勝(女子)でアフリカ系アメリカ人、ココ・ガウフ選手がベラルーシのサバレンカ選手(現世界1位)に勝って優勝を果たしました。19歳の四大大会初優勝に、地元アメリカのスタジアムは湧きたちました。黒人選手 vs. 白人選手、アメリカ人 vs. ベラルーシ人(ウクライナ紛争においてロシア側と西側諸国から見られている)、と背景には二つの対立事項がありましたが、この日、スタジアム
もっとみるノルウェーの森から届いた詩と歌声(ECM・9月15日リリース) 『風と太陽』
『風と太陽』というノルウェー発のアルバムをリリース前に聴く機会に恵まれました。
『風と太陽(Wind and Sun)』は、音楽のジャンルでは、どこに分類されるとピッタリくるのか。このアルバムを制作したヴォーカルのシニッカ・ランゲランは、Wikipedia(英語版)ではtraditional folksingerとなっています。が、発売元のECMのサイトでは、「彼女はピアノとギターとcontem
音楽ファンは、テニスファンより偏狭? 戦時の音楽、戦時のスポーツ。
戦時のコンクール
戦争の最中にあるロシアで開催された第17回チャイコフスキー国際コンクール。今回は西側諸国からほとんど注目されないまま終了しました。日本でも「3大国際コンクール」の一つとして重要視されていた大会ですが、前回(2019年)の藤田真央さん2位入賞のときとは全く違った様相となりました。メディアでの内容的な報道はほぼありません。
Title photo: チャイコフスキー記念碑(クリ
「表現の乏しさ」が、言葉の世界を豊かにする?
先日、noteで踏み跡さんの記事を読んで以来、もやもやとした疑問にとりつかれています。そこで引用されていたのは『悪童日記』についての野崎歓さんの文章でした。
表現の貧しさによってこそもたらされる「翻訳の可能性」の拡張、増大とは? 小説の原文、その表現が貧しいとは、この場合、アゴタ・クリストフという作家が母語ではないフランス語で書くこと、不自由な言語でどうしても書きたいことをなんとか書く(簡潔に書
舞台作品を映像で見る、その新しさとは?
先月、ひょんなことで、medici.tvをサブスクライブすることになりました。月額12円、という表示に誘われてついボタンを押してしまったのです。
↑ Title image:『コジ・ファン・トゥッテ』Behind the scenes より
mediti.tvというのは、2008年創設のクラシック音楽、バレエ、ジャズなどのビデオ・ストリーミングのプラットフォームです。ベルリンフィルからパリ・オ