ロシアのウクライナ侵攻は開始前から失敗―始まる前から終わってた
仮に、ロシアによるウクライナへの侵略が成功したとしても、ロシアがこのままプーチン大統領の体制が続くとは考えられない。
ウクライナに言い掛かりをつけて侵略し、国連憲章でも禁止されている武力による一方的な現状変更を行ったロシアが、ウクライナとの戦争の後に何の問題もなくやり過ごし、今までのように国際社会の一員として社会経済活動を続けることは、まずありえないだろう。
ロシア側(プーチン)は、「ウクライナにおいてウクライナ人によるロシア人へのジェノサイドが行われている」「今のウクライナはネオナチ政権である」としてウクライナに攻め込んできたが、どれも根拠のないもので、確たる証拠を示していない。
したがって、言うまでもなくロシア(プーチン)には、何の大義名分もない。
大義名分もないため、押しなべてロシア兵の士気もかなり低いようだ。
ウクライナ人とロシア人では、お互い言語が通じるためか、投降した若いロシア兵にウクライナ人がパンや紅茶を差し出し、なだめて、ロシアにいる母親と電話させるという場面が実際にあった。死の恐怖から解放され、ホッとしたためか、若いロシア兵は泣きながらお茶をすすっていた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/9d860ddf67b817b2660e962933472437feecbcaa
ともかく、ロシアは何を達成すれば、ウクライナへの侵攻が”成功”したと言うことができるのだろうか。
ロシアは、ロシアとウクライナとの1回目の停戦協議で、以下を要求した。
https://www.fnn.jp/articles/-/323033
・ウクライナの「非武装化」
・ウクライナがNATOに加盟しない「中立化」
一方、ウクライナ側は「ロシア軍の全土からの撤退」を求めた。
ロシア(プーチン)としては、ウクライナに親ロシアの政権を打ち立て、NATOやアメリカの影響力を排除することができれば「成功した」といえるのだろう。
他方、ウクライナのゼレンスキー大統領は、EU加盟の申請書に署名したが、実際に加盟するには時間を要するようだ。
もし、ゼレンスキー大統領に代わり、ロシアによる傀儡政権が誕生すれば、EU加盟の申請も取り下げられるだろう。
現在、西側諸国はウクライナへの武器供与等で軍事支援を行っているが、戦争や停戦協議には関与していない。
この先、NATOやEU、アメリカが、ロシアとウクライナの停戦協議に介入してくるかはわからないが、ロシア側が1回目の停戦協議で要求した内容を取り下げることは現時点であまり考えられない。
ロシアがSWIFT排除など経済制裁を受けていながら、ここで何も成果を得ずに撤退すればロシア国民のプーチン政権への不満は高まる一方である。
しかし、もしロシアがウクライナの侵略に成功したとしても、ロシアには地獄が待ち受けているように思う。
ロシアの友好国とされる中国やベラルーシは経済的な支援をすると考えられるが、西側陣営より、さらなる厳しい経済制裁が課されるのは想像に難くない。
国連総会では中国の他、インドがロシア非難決議を棄権した。インドは武器供与などでロシアとつながりがあり、配慮を示したようだ。
中国やインドは、ロシアと貿易等を続ける可能性は高いが、このような数少ない友好国だけを頼りにすることができたとしても、ロシア国民はこれまでのような欧米の文化を取り入れた生活を送ることはできなくなる。となれば国民の不安や不満は溜まり続け、政権批判へと矛先は向く。
仮に、プーチンが核の発射を命じ、ウクライナを攻撃したとしても、それによってウクライナが降伏するとも限らない。
一つ確かなのは、ロシアが核兵器を行使すれば、その時点でロシアは世界から計り知れない猛烈な非難を浴び、制裁が一気に加速することである。
今のところアメリカやNATOは、ロシアがウクライナに仕掛けた侵略戦争に介入していないが、それは、中国の動きを見ているからとも考えられる。
NATOがウクライナに加勢をすると同時に、いつ中国人民解放軍が台湾や日本の尖閣諸島の侵攻に乗り出すかわからない。
その場合、中国だけでなく、北朝鮮やロシアが一緒になって台湾や日本を攻めてくる恐れもある。
その時に備えて、兵を動かせないという事情はあるかもしれない。
アメリカは、ウクライナのゼレンスキー大統領にウクライナを脱出し亡命することを勧めたが、彼はこれを断ったとされている。
ゼレンスキー大統領が国を去れば、ウクライナがロシアの軍門に下り、事実上ロシアの支配下に置かれる。
今、ウクライナが引けば、ウクライナという国家を、二度と取り戻せなくなるかもしれない。
それがわかっているから、ウクライナは圧倒的な軍事力の差があるロシアと、文字通り必死に戦っているのである。
日本は、憲法の制約があるため、ウクライナ政府が募集した外国人義勇兵に参加はできないようだが(少なくとも日本政府は認めていない)、寄付金などでウクライナを支援している日本人は多い。
たしかに、ウクライナが降伏すればウクライナの被害は、一時的には減るかもしれない。
だが、親ロシアの政権ができれば、中国が新疆ウイグル自治区の人々に対して犯してきたウイグルジェノサイドのような人権侵害、人権弾圧が、ウクライナの人たちに起こらないとも限らない。
過去、ウクライナではホロドモール(ヨシフ・スターリンが計画し実行したとされる、ロシアによるウクライナ人への飢餓テロ、飢餓ジェノサイド)で約400万人のウクライナ人が死亡したといわれている。
また、ウクライナ人は、ロシア語を使用することを強制された歴史もあり、今でもロシア語とウクライナ語どちらの言語も使えるウクライナ人が多いようだ。
「歴史は繰り返す」というが、一人の残虐な独裁者の野望によって罪のない多くの人々が虐殺され、人権を蹂躙されることは、あってはならない。
プーチンの意思を継ぐ、第2、第3のプーチンがロシア国内にいるかはわからないが、プーチンの首を取り、ウクライナ危機、”ロシア危機”から人々を救う英雄は現れないものか。
ロシア軍が一時的にクーデターを起こし、プーチンを捉えるのがベストだと思うが。
ロシアの民主化が進めば、経済制裁も緩和に向くだろう。
ロシアの資産家がプーチン大統領に1億円の懸賞金、「生死は不問」
ロシア出身の資産家であるAlex Konanykhin氏が、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領を「憲法違反で大統領になった戦争犯罪者」と非難し、身柄を確保した人に100万ドル(約1億1500万円)の賞金を支払うとSNSに投稿していたことが分かりました。同氏はまた、2022年2月24日からロシアの侵攻を受けているウクライナへの支持も表明しています。
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