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注意や指摘は前向きな言葉で

以前にも触れましたが、当社においては「サービスの質を重視し、信頼を高める」ための具体的な方策のひとつとして「クレーム対応の徹底」という方針があります。

クレームとは、「あんたたちのところは、こういうところをもっとこうした方がいい」と私たちの現状の姿を第三者に教えられるものであり、目を背けたり耳を塞いだりせずに、正面から素直に受け止め受け入れることが一番成長に繋がる近道となります。

ですから、日々多くの問題が発生したとしても、企業にとって「問題はなくてはならないもの」なのです。

そして、だからこそ大切なのは問題を起こさないことよりも、起こった問題にどう向き合うかということ。

問題を起こした拠点には口頭と書面をもって報告を求めることとなりますが、報告書には

  • お客様からどのようなことを指摘されたのか

  • クレーム発生時の直接指摘を受けたスタッフの対応

  • その後のお客様やご家族への説明と謝罪、それに対してのお客様の反応

  • 発生原因は何だったのか

  • 今後同じ過ちを繰り返さないための改善策

上記のような内容を記述していただいています。

会社として把握したいのは、当方が原因でどのような不快感をお客様に与えてしまったのか、またその不快になられた感情は癒えたのかどうか、ようは問題がきちんと特定されて正しい対応が出来ているのかどうかということです。

ほとんどのケースでは正しく対応できていますが、なかには問題の特定が誤っていたり、そのせいで対応も間違えていてお客様の同意が得られていなかったりなんてケースも生じます。

そうした場合に、コメント欄に対応指示を記載して報告書を返す形になるのですが、こうした時にどのような記述や物言いが適切なのか、というのが今回のテーマになります。

報告内容的にはダメな対応をしているので、どうしても「○○してはダメ」とか「○○しないでください」みたいな内容での指摘事項を書きがちですが、実はこういった指示はあまり有効的ではないようです。

これは、子供を注意する際にも念頭に置いておくといい要素だと思いますが、どうやら人間の脳というのは「否定形を理解しない」ということらしいです。

以前にも触れました「脳は主語を理解しない」というのとも似ていますよね。

これは、主語を理解していない人間の脳は、良い言葉も悪い言葉も聞いている人たちは全て自分のこととして受け止めるという事象であり、だからこそ悪い言葉は極力使用しないで良い言葉を選んだ方がいい、という話でした。

「否定形を理解しない」というのも同じような話で、人間の脳は言われたことを一旦イメージしますから、肯定形の場合だとイメージするだけの一段階の工程で済みますが、否定形の場合だとイメージした後に、「それではダメ」という意味づけをするという二段階の工程になるということ。

ですから、「廊下は走っちゃダメ」と言われた時には、まずは走るイメージを先にして、次にその行動はダメという意味づけが生じるという工程です。

もっと分かりやすく言うと、「酸っぱい梅干しのことは考えちゃダメ」と言われても、真っ先に考えてしまうのは酸っぱい梅干しのことであり、そのイメージが沸き起こった後に、「あ、これを考えてはいけないんだな」という思考の流れになるということですよね。

人間の脳というのは面白いもので、子供の時にやった赤旗白旗ゲームで、「赤上げないで、白上げる」なんて言われてパニックを起こすのは、どうしても肯定形のイメージの方が先行するからなのでしょうね。

ですから、指示や注意をする際には、与えたフレーズどおりのイメージで一発で思い浮かべられるような肯定形の言い回しの方が適していますよ、というお話でした。

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