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ミンコフスキー
2023年2月25日 09:25
15、過去との訣別※この小説は、すでにAmazonの電子版で出版しておりますが、より多くの人に読んでいただきたく、少しづつここに公開する事にしました。 埼玉大学に入って半年くらい経った頃だろうか、少し心の余裕ができたようで、自分のことを振り返っている自分に気がついた。俺は、友達からよく、愚痴ぽいといわれていた。はじめは大して気にしていなかったが、自分のことを振り返っている時に、「あの時、こ
2023年2月24日 09:32
14、埼玉大学※この小説は、すでにAmazonの電子版で出版しておりますが、より多くの人に読んでいただきたく、少しづつここに公開する事にしました。 埼玉大学も私の波長には合っていたようだ。初めのうちは学生運動が盛んで、ろくに授業をやっていなかったが、だんだん収まるにつれて、大学の授業にも身が入ってきた。化学科では、一年生の時から、教養部の授業だけでなく、専門分野の授業も始まり面白かった。大
2023年2月23日 10:36
13、世間知らず※この小説は、すでにAmazonの電子版で出版しておりますが、より多くの人に読んでいただきたく、少しづつここに公開する事にしました。 埼玉大学に入学してからしばらくして、俺は例の巣立ちの計画を実行に移した。ある晩に俺は突然、両親に、「大学の近くに下宿をして、学校に通う」と、告げた。両親は呆れかえって、何も言わなかった。次の日に、俺は自分の全財産三万円ほど持って家を出た。お袋
2023年2月22日 10:19
12、漢文※この小説は、すでにAmazonの電子版で出版しておりますが、より多くの人に読んでいただきたく、少しづつここに公開する事にしました。 俺は高校に行って初めて、古文や漢文に出会った。古文は、音読するとリズムがあって大好きだ。昔は、平家物語のように、口から口へ伝承していった部分が多いのではないだろうか? 昔の文章は、現代の文章に比べてずっとリズムがあり、美しい。俺は、このリズムが好き
2023年2月21日 08:52
11、奨学金※この小説は、すでにAmazonの電子版で出版しておりますが、より多くの人に読んでいただきたく、少しづつここに公開する事にしました。 ある日、伊山が「お前、小遣い欲しくないか?」というので、「そりゃ欲しいさ」と答えたら、「奨学金という手があるぞ」と言うので、伊山と奨学金の申請に行った。これは、親の収入が審査され、少ない場合は日本育英会から受けることができるものである。伊山の親は
2023年2月20日 20:43
10、巣立ち※この小説は、すでにAmazonの電子版で出版しておりますが、より多くの人に読んでいただきたく、少しづつここに公開する事にしました。 この頃、隣町の立川に、お袋さんの十三人兄妹の何番めかの兄さんが紳士服店を開いていた。既製品の店なのだが、ズボンの裾上げなどをサービスでやっていたので、ズボンが売れて繁盛していた。お袋さんはその裾上げを手伝っていた。何のきっかけかわからないが、ここ
2023年2月19日 10:52
9、文学青年の誕生※この小説は、すでにAmazonの電子版で出版しておりますが、より多くの人に読んでいただきたく、少しづつここに公開する事にしました。 練馬高校は、俺の住まいである国立からは遠かった。国立駅まで歩いて二十分、中央線で荻窪駅まで四十分、荻窪駅からバスで西武池袋線の中村橋駅まで一時間くらい、中村橋駅から練馬高校まで歩いて四十分くらいだったろうか。大体、片道三時間くらいはかかって
2023年2月18日 10:58
8、武甲山※この小説は、すでにAmazonの電子版で出版しておりますが、より多くの人に読んでいただきたく、少しづつここに公開する事にしました。 伊山と仲良くなって、一年から二学年に進む時の春休みに武甲山に行った。もちろん計画はすべて俺が立てて、正丸峠駅から登り始めた。伊山は、ハイキングは初めてらしく、少しハイになっていた。山歩きは、歩きながら途中で話をするのが俺は好きだった。思わぬ友の一面
2023年2月17日 11:59
7、親友との出会い※この小説は、すでにAmazonの電子版で出版しておりますが、より多くの人に読んでいただきたく、少しづつここに公開する事にしました。 新しい校舎ができて、本格的に授業が始まった。始まって直ぐに、伊山が声をかけてきた。彼も西高校を落ちて、練馬高校が近いのでここに来たらしい。話してみると、彼は優秀だった。いかにもエリートというタイプだった。両親ともに高校の先生で、今は親父さん
2023年2月16日 19:37
6、入学式で※この小説は、すでにAmazonの電子版で出版しておりますが、より多くの人に読んでいただきたく、少しづつここに公開する事にしました。 練馬高校は、新設三年目に入ったところで、やっと自前の校舎が完成するところだった。しかし、それが少し遅れていて、入学式は都立五商の校舎を借りていた。惨めな入学式だった。入学式が終わると、各クラスに分かれて担任からいろいろ心得を教わった。担任は川田さ
2023年2月15日 13:43
5、初めての挫折※この小説は、すでにAmazonの電子版で出版しておりますが、より多くの人に読んでいただきたく、少しづつここに公開する事にしました。 しかし、最大の苦難はその後にあった。高校の入試である。俺は当然、都立西高校を受験することにした。この第三学区では最も良い高校で、当時は第一学区の日比谷高校と双璧だった。 ところがその第一歩である受験高校の申請書で記載ミスをした。当時は、希
2023年2月14日 07:48
4、重圧からの解放※この小説は、すでにAmazonの電子版で出版しておりますが、より多くの人に読んでいただきたく、少しづつここに公開する事にしました。 三年のクラスでは、すぐに友人ができた。俺は、岸山という奴とすぐに仲良くなった。また、清山とも親しくなった。清山は、牧田と一番仲が良かったので、我々四人はよく話すようになった。さらに、そこに清山と仲の良い入野と植竹が加わった。この二人は女
2023年2月13日 09:29
3 、教師のイジメ※この小説は、すでにAmazonの電子版で出版しておりますが、より多くの人に読んでいただきたく、少しづつここに公開する事にしました。 転校してすぐに、俺は結構クラスの人気者になったらしい。なぜだか理由はよくわからない。入学して二、三週間立った頃だろうか、クラス役員の選挙があった。中学二年の時の担任は、武山という教師だった。武山は、選挙の前に信じられないことを言った、「
2023年2月12日 11:38
2、クラシックコンサートとハイキング※この小説は、すでにAmazonの電子版で出版しておりますが、より多くの人に読んでいただきたく、少しづつここに公開する事にしました。 友達はすぐに出来て、いろいろなものに誘われた。特に、クラシックコンサートには参った。初めのうちは面白半分で行っていたが、だんだん飽きてきた。大体、俺は演歌を中心に、いわゆる歌謡曲にしか興味が持てない人間だから、だんだん苦痛