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週刊小売業界ニュース|UGCのインパクト/生成画像モデルによる過度な美化/韓国の若者の高い投票率|2024/4/15週

2024年4月15日の週(4月13日~4月19日)にピックアップした
日・米・韓の小売業界ニュースをお届けします。

今週のおさらいに、ぜひどうぞ!


オリオンビール「地元優先マーケティング」 沖縄県外でUGC生む工夫 - 日本経済新聞

<担当者による要約>
日経クロストレンドは、ファン総合研究所と共に「顧客幸福度」の調査を実施し、11業界82ブランドを対象にしました。特にビール業界でトップに輝いたオリオンビールは、沖縄県豊見城市に拠点を置くものの、ECを活用して沖縄外での展開を進め、顧客との継続的な関係構築を図ります。SNSでは沖縄の魅力を伝え、ファンを増やしています。その結果、高い顧客幸福度を示し、地元沖縄と県外の双方から強い支持を得ています。

私たちがSNSなどで日々ポストしている投稿は、
マーケティングにおいて「UGC」と呼ばれたりします。

UGCとは
User Generated Contents
(消費者によって作成されたコンテンツ)
の略で、

SNS投稿のほかにも、
食べログやAmazonに書き込まれたコメントや、
YouTubeの商品レビュー動画もUGCに含まれます。

UGCはマーケティングにおいてかなり重要視されていますが、
それはUGCがもつ以下の特長から来ています。

  • ユーザーが信ぴょう性を感じやすく、読みたいと思う

  • 他のユーザーにシェアする意欲が起こりやすい

  • 購入などユーザーが行動に移す可能性が高い

実際、マーケティング市場分析を行うNielsen社の調査によると、
34歳以下の若年層では身近な人の意見や企業による発信に次いで、
他の消費者が書き込んだネット上の意見を参考にするとされています。

広告に対する世界の信頼


では実際に、UGCが売上にどのように貢献するのでしょうか。
理想シナリオではありますが、例えば以下のステップが考えられます。

  1. 他の消費者の口コミ(UGC)を読み、レビューされた商品に興味を持つ

  2. その商品を複数のSNSで検索し、他のユーザーの意見(UGC)を収集

  3. 購入を検討するため、商品名(や企業名)で検索する

  4. LPから誘導されたECサイトで購入する

  5. 届いた商品のレビューを書き込む

  6. 1に戻る

このUGCを起点とした購買プロセスで注目すべきは、
企業側からのマーケティングが介在していないことです。

UGCによるサイクルが回り出すと、
その他の打ち手に比べて
企業側がマーケティングに投下する
労力が小さくなる
というメリットがあります。

UGCサイクルをひき起こすために必要なのは、
最初のUGCを発生させるための

  • 商品力およびきっかけ(イベント等)を作ること

  • 初期顧客の質(=商品価値をどれだけ深く理解してくれているか

に鍵があると言えます。

<担当者からの一言>
県外の生活者にも沖縄を発信してつながり続ける活動も行いつつ、あくまで沖縄ファーストを貫く。地元が地元の良さを再認識できるアイコン的ブランドであり続けることが価値となり、県外からも支持される理由となっている。
>ローカルこそ、グローバル。ロイヤルユーザーと深くつながることを目的として、あえてUGC件数という難易度の高い指標を持つ。ブランド価値の1つに「沖縄のブランド」とい地の利感をあげている点にも注目したい。


英Unilever、Doveの広告で生成AIモデルを使用しないことを宣言 | Retail Dive

<担当者による要約>
ボディケアブランドのDoveは、広告でAI生成されたモデルの画像を使用しないことを宣言した。生成AIを積極活用する他社と差別化を図る狙い。Doveを手がける英Unilever社の調査では、10人中9人が美容に関する行き過ぎたコンテンツを見たことがあると回答しており、アルゴリズムが生み出す「完璧な」美は、消費者の自信を損なわせる悪影響をもたらすと結論づけている。

実際の高校生が記者として投稿する『高校生新聞』にて
2022年に次のような記事が掲載されました。

<思い出は全て「加工の顔」に>
加工すればかわいい顔や美しい顔、若く見える顔、面白い顔にできます。私や友人は、顔の写る写真にスタンプを貼り、SNSに上げる際に自分が特定されないように工夫します。アプリのフィルター機能を使って顔を変顔にして、面白い写真を作ったりもしています。
ただ、私は自分たちの顔を加工した写真ばかり残した結果、中学時代の同級生との思い出写真では、お互いの元の顔が見れなくなってしまいました。元の写真を残しておけばよかったと後悔しています。

友達との思い出写真は「加工後の顔」ばかり
元の写真も残せば…高校生の後悔

Instagramをはじめ各種スマホアプリでは、
景色や人物の見た目をより美化する
フィルター機能が豊富に提供されています。

人物へのフィルターとしては
肌の色を明るくしたりシミを消したりと
実在の人物より美化した見た目が可能です。

若年層を中心に、SNSに頻繁に触れる層は
このような理想に近づけた画像を見ることが多く、

自身の画像もアップロードするなら加工したものを、
現実の自分の顔をフィルターがけした画像に近づけよう
といった考えを持ち始めても不思議ではありません。

若い女性を支援する英Girlguidingの調査によると、

少女や若い女性の3割が、外見を変えるフィルターを使っていない自分の写真を、オンラインに投稿するなどあり得ないと考えていることが明らかになった。
11歳~21歳の回答者1473人のうち39%は、現実の自分がオンラインの自分のような外見になれないのは、不愉快だと答えている。

素顔写真は見せられない?……SNSで「加工フィルターやめよう」運動に反響

また化粧品メーカー、株式会社マンダムの調査では、
若年層になるほど、加工し美化された顔に近づきたい
という想いを持つ割合が高いことがわかっています。

自分の顔画像、加工するのは全世代共通!?
一方で、顔の各パーツを自分好みに加工する10代。
さらに10代は加工した自分とリアルの自分を近づけたいと7割以上が切望!

実際、静岡新聞の2023年の調査によると、
近年になり美容整形に対する許容度が
高まっているという傾向が見られます。

若者には当たり前?! 美容整形の意識調査

しかし実際に整形するとなれば、
スマホアプリのフィルター機能ほど
もちろん手軽ではありません。

日々のスマホ画面で見る綺麗な他社の顔と
パッとしない自分のリアルの顔とを比べ、
心理的ダメージを感じる若者も多くいます。

2020年に登場した新しいSNSアプリ『BeReal』は
フィルターを通した映えアピール合戦に疲れた人が
素朴な現実を見せ合う昔のSNSに回顧しようという
ノスタルジーから人気を博しています。

娯楽目的としての画像加工機能は楽しいものですが、
価値や美容の優位性を競い合う目的には限りがありません。

Doveがあえてリアルのモデルを起用し続けることで
他の美容ブランドとの差別化を図ろうとするように、
消費者たちが加工された現実の氾濫に
辟易している時期なのかもしれません。

<担当者からの一言>
生成AIによる人物画像のリスクというと、肖像権侵害やフェイク画像が注目されがちです。しかし本記事が指摘するように、美容領域における理想化された外見・体形に触発され、偏った食生活や過度な整形を促してしまいかねないリスクも存在すると思います。
実際、Instagramのフィルター機能をはじめ、SNSで公開する自撮りは全て加工した写真ということもめずらしくありません。現実はリアルコミュニティ&SNSはオンラインコミュニティとして、分人主義を貫いているのであればよいのですが、オンラインの存在が大きくなり価値観が引っ張られてしまわないよう、消費者それぞれが意識的になる必要があるでしょう。


韓国│宝海醸造売、映画『タクシー運転手』とのコラボボトルを限定販売

<担当者による要約>
5・18民主化運動(光州事件)を題材とし、光州市民の実話をモチーフとした映画『タクシー運転手』のイメージを反映した焼酎のボトルデザイン。「五月の記憶」を盛り込んだメッセージ、「平凡な市民の非凡な勇気」を刻印。また光州市民と共に五月の意味を振り返ろうとする趣旨でイベントを開催予定。

韓国は若年層の投票率がとても高いことをご存じでしょうか。

やや古いデータですが、
2017年の韓国大統領選挙では、

  • 10代の有権者のうち77.7%

  • 20代の有権者のうち76.1%

  • 30代の有権者のうち74.2%

総じて7割を超えており
4割前後を行き来する日本に比べ
はるかに高いことが分かります。

日本と韓国を取り巻く政治情勢は違うため
単純比較をすることは難しいですが、

韓国は以下のような取り組みを実施しており、
若年層の政治への呼び込みに結実しています。

<韓国の投票日は水曜の祝日>
韓国の大きな選挙では投票日を水曜日としており、
なおかつその日は祝日になるようです。
平日の中日とすることで連休にしづらくし、
遊びではなくちゃんと選挙に時間を使ってもらう

という工夫が垣間見られます。

<選挙割り引き>
投票を終えた証明として、
投票所の前で自撮りした写真を見せると
入園料の割引きやワンドリンクサービスが
受けられる店がたくさんあります。

この取り組みは「選挙割り」と呼ばれ、
日本でも同様の動きが数年前から広まっています。

私たちの身近な例でいうと、
アウトドアブランドPatagoniaや、

家電量販店大手のNojimaも

選挙割りを展開し、
社会的提供価値をマーケティングに組み込んだ活動を展開しています。

<担当者からの一言>
4/10に総選挙が行われた韓国は投票率は70%弱であり、政治に関心がある国民が日本と比較して多く思われます。そんな韓国では、過去の政治的出来事も頻繁に振り返り、忘れないようにしようという意志が強い傾向にあります。今回は光州事件を忘れないように、この事件がテーマの映画と、国民の生活で頻繁に登場する焼酎とのコラボ商品が登場しました。国民にとってお酒を飲みながら歴史を振り返る、特別な機会になりそうです。


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