通り過ぎジョニー

うつになったりもしたけれど、私はげんきです。

通り過ぎジョニー

うつになったりもしたけれど、私はげんきです。

マガジン

  • 転職日記

    休職して4ヶ月目で転職活動を始めました。なんとなく始めたらいつの間にか本気になってました。そんな徒然です。

記事一覧

元鬱病、好意を寄せる相手を傷つける

ここ半年くらい、自分に好意を持っている相手がいる。漱石先生にならい、仮にKと置いてみる。 Kのことを嫌いなわけではない。付き合えないわけでもないだろう。ただ、Kは…

元鬱病、ありがとうを受け取れなくなる

鬱が再発したわけではないのだが、仕事で最近気が滅入っている。感謝を受け取れないのだ。やや重傷である。 昨今ハラスメントに敏感な世の中となり、上司が部下を直接的に…

21

元鬱病、デ・キリコ展へ行く

道端を歩くだけでとりあえずゲボを吐いて気持ちをスッキリさせたくなってしまう夏バテの今日この頃。デ・キリコ展へ行った。 私にはあまり共感されない趣味がいろいろある…

元鬱病、民族衣裳で幸福の餅を拾う

なんじゃこのタイトルはといった感じである。 ジューンブライドという、およそ私の人生に関係のない言葉がある。6月に挙式すると幸せになれるみたいな海外の噂が、6月には…

元鬱病、初対面のマダム飯をいただく

先日、社会人サークルで使用するための服を購入した。なぜかオーダーメイドなので、仮縫いげなる過程を踏まねばならないらしい。同時に複数人で頼んだため、本来ならば練習…

元鬱病、筋トレの効果を考える

鬱になってから、ジムに行きだした。そろそろ一年が経つので、その効果を考えたい。 まず、一番期待していた体重減少はない。その理由は私が食事制限を全くしないからだ。…

19

元鬱病、プレゼンでハッとする

久しぶりに研究発表に参加した。私の数少ないスキルとして、プレゼンで緊張せずに堂々と話せるというものがある。今回はただの聴講者だが、久しぶりに得意なプレゼンに「よ…

元鬱病、テレワークの気軽さに白ける

現在の私の職場は皆さんご存じの通り、フルリモートである。最近、リモートワークで気が滅入っている原因を解きほぐしたい。 仕事の押し付け合いが容易にできてしまうのが…

元鬱病、母校に寄稿を頼まれる

noteにのらりくらりと文章を綴ることでストレスを下げている私。質の如何は無視して、書くのは好きだ。 そんなとある日。母校の教師から突然「学内誌にOBOGからの寄稿を紹…

元鬱病、学歴はボディービルだと思う

「私は"一応"東大出てます」 TVでも現実の会話でもなんでもいいが、どこかで聞いたことがあるフレーズだと思う。 私も"一応"東大を出ている。この"一応"を付ける現象に関…

34

元鬱病、感情の共感に戸惑う

今年から社会人コミュニティに入っている。そこで、コーチが指導の際、全体に対してよく冗談を飛ばす。それ自体は良い。健全な団体である。 その時、隣にいる人間が「そん…

元鬱病、無駄を懐古する

複数人と食事に行った際、割り勘になる。代表者がまとめて払って、他の人間は専らPayPayで送金する。とある日の私も店先の路上でPayPayを開いていた。 この光景をふと客観…

元鬱病、外の事を思う

とある土曜日。午前7時30分。 山口県は徳山駅みゆき口にいた。 駅から徒歩10分の場所にある徳山港を7時35分発の船に乗りたかったので、やむを得ず大人の力を駆使してタク…

元鬱病、心の狭さを憂う

近年、急速に自分の心が貧相になっていっている。 バスで騒ぎ立てる子供を見れば、"嫌な中年顔"で眉をひそめては、母親を慌てさせている。この前は私の嫌な顔に気づいた母…

元鬱病、有言実行しなくてもいいと思う

古くからの友人が最近博士を取った。帰国すると言うので急いで会う予定を立てた。 ここぞとばかりに「ずっと前から思っていたことを聴かせてほしい。答えにくいと思うし、…

元鬱病、春の可憐さに慌てる

皆が待ちわびる桜は全国で予報されるというのに、むしろ私は桜終わりの頃の桃や藤、躑躅を愛でるのに忙しい。 ふと道端や線路脇に咲いているのだ。庭園でご丁寧に四角形の…

元鬱病、好意を寄せる相手を傷つける

元鬱病、好意を寄せる相手を傷つける

ここ半年くらい、自分に好意を持っている相手がいる。漱石先生にならい、仮にKと置いてみる。

Kのことを嫌いなわけではない。付き合えないわけでもないだろう。ただ、Kは自分の意見を正しいと思う節が強く、私にもその傾向があるのでしんどくなる時がある。しかし、元来の気質としては、育ちの良さが滲み出た素直な人間だと思う。

数ヵ月前のKの誕生日にて何気なく「今年の抱負は?」などと聞くと照れながら「関係性を友

もっとみる
元鬱病、ありがとうを受け取れなくなる

元鬱病、ありがとうを受け取れなくなる

鬱が再発したわけではないのだが、仕事で最近気が滅入っている。感謝を受け取れないのだ。やや重傷である。

昨今ハラスメントに敏感な世の中となり、上司が部下を直接的に怒るケースは少ないのではなかろうか。私自身、年々ハラスメント講習の増加を実感しているし、直属の管理職たちを見渡せば皆うっかりハラスメント加害者にならないか怯えているなぁと感じる。

しかし先日、上司が怒るチャンスが巡ってきた。私が対応する

もっとみる
元鬱病、デ・キリコ展へ行く

元鬱病、デ・キリコ展へ行く

道端を歩くだけでとりあえずゲボを吐いて気持ちをスッキリさせたくなってしまう夏バテの今日この頃。デ・キリコ展へ行った。

私にはあまり共感されない趣味がいろいろあるのだが、そのうちの1つに「あまりにも意味がわからない催し物には逆に行ってしまう」というものがある。デ・キリコ展もその一つだ。これが「奈良大仏展」とか「ルネッサンス期のイタリア展」とか「ジブリ展」とかなら既に過去30年間で概ね見飽きているの

もっとみる
元鬱病、民族衣裳で幸福の餅を拾う

元鬱病、民族衣裳で幸福の餅を拾う

なんじゃこのタイトルはといった感じである。

ジューンブライドという、およそ私の人生に関係のない言葉がある。6月に挙式すると幸せになれるみたいな海外の噂が、6月には絶賛梅雨の日本にもなぜか輸入されたらしい。

そんなとある6月の休日。私は料亭にて民族衣裳を着て幸福の餅を拾っていた。もとい、友人の結婚式に参列していた。散々「結婚式に行きたくはないのだ」等とふて腐れていたのに、まったく手のかかる私であ

もっとみる
元鬱病、初対面のマダム飯をいただく

元鬱病、初対面のマダム飯をいただく

先日、社会人サークルで使用するための服を購入した。なぜかオーダーメイドなので、仮縫いげなる過程を踏まねばならないらしい。同時に複数人で頼んだため、本来ならば練習場に裁縫のプロフェッショナルが来るはずだった。しかし、先方の確認ミスにより、別日にこちらがプロの自宅に伺うことになる。

上記の文章の意味がわからないと思う。自分でもオーダーメイドなど初めてで訳がわからない状況だったし。要するに、大勢で仮縫

もっとみる
元鬱病、筋トレの効果を考える

元鬱病、筋トレの効果を考える

鬱になってから、ジムに行きだした。そろそろ一年が経つので、その効果を考えたい。

まず、一番期待していた体重減少はない。その理由は私が食事制限を全くしないからだ。平気でケンタッキー6ピースとか辛ラーメン2袋とか食べるのだ。痩せるわけがない。

意外な効果としては、ジムから帰宅後に現れる。驚くほどに家事が進むのだ。ジムに通う前は「よし、今日こそ風呂にゆっくり浸かって、溜まった洗い物をして、細かい風呂

もっとみる
元鬱病、プレゼンでハッとする

元鬱病、プレゼンでハッとする

久しぶりに研究発表に参加した。私の数少ないスキルとして、プレゼンで緊張せずに堂々と話せるというものがある。今回はただの聴講者だが、久しぶりに得意なプレゼンに「よし、聴いたるで」と前のめりに参加していた。

概ね楽しかった発表。しかし、最後の発表者の番になり、話している内容が全くわからない。早口で謎のアルファベット4文字の国際機関を連発していた。日本語を話しているのはわかるが、内容が一つも拾えない。

もっとみる
元鬱病、テレワークの気軽さに白ける

元鬱病、テレワークの気軽さに白ける

現在の私の職場は皆さんご存じの通り、フルリモートである。最近、リモートワークで気が滅入っている原因を解きほぐしたい。

仕事の押し付け合いが容易にできてしまうのが嫌なのだ。フルリモートの会社なので「社内だけど見知らぬ人だから仕事を頼むのは気が引ける」という前提がない。9割方悪い意味で。

先日のこと、期限まで2日しかない全く未経験の解析をおばさんふたりに押し付けられた。一人は老練な40代で申し訳な

もっとみる
元鬱病、母校に寄稿を頼まれる

元鬱病、母校に寄稿を頼まれる

noteにのらりくらりと文章を綴ることでストレスを下げている私。質の如何は無視して、書くのは好きだ。

そんなとある日。母校の教師から突然「学内誌にOBOGからの寄稿を紹介するコーナーがあり、毎年2、3人書いてもらっている。現在の業務概要と今後の抱負を書いてくれないか。」との打診を承る。有難い一方で悩む私。

鬱病になり休職期間で藁をも掴む思いで今の職場に転職したため、現在の業務が最高かと言われる

もっとみる
元鬱病、学歴はボディービルだと思う

元鬱病、学歴はボディービルだと思う

「私は"一応"東大出てます」
TVでも現実の会話でもなんでもいいが、どこかで聞いたことがあるフレーズだと思う。

私も"一応"東大を出ている。この"一応"を付ける現象に関して、高校生までは「なんか一流の人間が敢えてへりくだることで庶民からの好感度を上げようとしてて小賢しいな」と小賢しく思っていた。しかし、いざ当の本人になるとワンクッション起きたい気持ちがとてもよくわかる。

なぜなら、東京大学は私

もっとみる
元鬱病、感情の共感に戸惑う

元鬱病、感情の共感に戸惑う

今年から社会人コミュニティに入っている。そこで、コーチが指導の際、全体に対してよく冗談を飛ばす。それ自体は良い。健全な団体である。

その時、隣にいる人間が「そんなことないよねぇ!」「え、知らない!」「うそだ~!」などと私に共感の矢を強制射撃してくる。一名ではない。そんな人が少なく見積もって五名くらいいる。

この時、どうしたらいいのかわからない。私は生粋のハガキ職人なので、面白いことを聞いても独

もっとみる
元鬱病、無駄を懐古する

元鬱病、無駄を懐古する

複数人と食事に行った際、割り勘になる。代表者がまとめて払って、他の人間は専らPayPayで送金する。とある日の私も店先の路上でPayPayを開いていた。

この光景をふと客観的に想像したとき、異様だなと思った。

代表者は無表情でスマホを機材にかざし、やることのない店員は無表情で決済が終わるまで棒立ちで呆けており、残りの客はスマホを覗き込んでPayPayを立ち上げ、代表者に送金する。

現金のやり

もっとみる
元鬱病、外の事を思う

元鬱病、外の事を思う

とある土曜日。午前7時30分。
山口県は徳山駅みゆき口にいた。

駅から徒歩10分の場所にある徳山港を7時35分発の船に乗りたかったので、やむを得ず大人の力を駆使してタクシーに飛び乗る。

「どちらまで?え?港まで?5分後の船?!」
「回天記念館まで?え?若い方お一人で?!」
「この時間に新幹線ってありますの?え?夜行バスで?!」

往復夜行バスによる変な場所ひとり旅が趣味である私。往復夜行バス旅

もっとみる
元鬱病、心の狭さを憂う

元鬱病、心の狭さを憂う

近年、急速に自分の心が貧相になっていっている。

バスで騒ぎ立てる子供を見れば、"嫌な中年顔"で眉をひそめては、母親を慌てさせている。この前は私の嫌な顔に気づいた母親に注意された女の子が号泣しだして「だって楽しくしたかったんだもん」等と大声で弁明していて、更に不快だった。しかし確かに罪悪感もあった。

電車が来れば、最後の客の足がホームに着いた瞬間にはもう車内に体を滑り込ませ、早歩きで座ろうとする

もっとみる
元鬱病、有言実行しなくてもいいと思う

元鬱病、有言実行しなくてもいいと思う

古くからの友人が最近博士を取った。帰国すると言うので急いで会う予定を立てた。

ここぞとばかりに「ずっと前から思っていたことを聴かせてほしい。答えにくいと思うし、答えるのに時間をかけてもらってもちろん構わないのだけど、なぜそんなにmotivatedでいられるの?」と尋ねてみた。

友人は優しく笑いながら「私はmotivatedなんかではないよ。祖国が戦争を始めたとき、2週間泣き続けた。博士進学を決

もっとみる
元鬱病、春の可憐さに慌てる

元鬱病、春の可憐さに慌てる

皆が待ちわびる桜は全国で予報されるというのに、むしろ私は桜終わりの頃の桃や藤、躑躅を愛でるのに忙しい。

ふと道端や線路脇に咲いているのだ。庭園でご丁寧に四角形の枠から垂れる藤よりも、ワイルドに山々に群生している藤の方が心惹かれる。この春だけで何度二度見したことか。こちらもひそかなファンは多いはずなので、是非とも予報していただければと思うが。

山々に目をやれば、これを新緑と言わずして何が新緑かと

もっとみる