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元鬱病、プレゼンでハッとする

久しぶりに研究発表に参加した。私の数少ないスキルとして、プレゼンで緊張せずに堂々と話せるというものがある。今回はただの聴講者だが、久しぶりに得意なプレゼンに「よし、聴いたるで」と前のめりに参加していた。

概ね楽しかった発表。しかし、最後の発表者の番になり、話している内容が全くわからない。早口で謎のアルファベット4文字の国際機関を連発していた。日本語を話しているのはわかるが、内容が一つも拾えない。TED TALKを見ているときの気持ちである。なんか話してるのはわかるけど理解ができない。暇になり「プレゼンが下手な人って毛量がきもいんだよなぁ」等と発表者の粗探しを始める私。

どうせ盛り上がらないんだろうと、白けた質疑応答の時間に戦々恐々としていたら、私の尊敬する先生が「スライド19ページの右図!ワクワクしました!コンセプトの段階かもしれないけど、これを実現していきたいですよね!」と目をキラキラさせて話す。呆気にとられる私。

その後の立食パーティーにて。知り合いに「今日の発表、どれが一番面白かった?」と聴くと私が毛量にけちをつけた発表を挙げて「あれは枠組みが面白いよね!」と話す。はたまた驚愕する私。私の知識不足が原因で楽しめないという事実が浮き彫りになった瞬間である。自分を恥じた。人のせいにするのは、先週末から長引く風邪で体調を崩しているからだとすがりたかった。

立食パーティーで案の定誰にも話しかけられない私。ピクルスを二つ摘まみ、酸っぱさが異様に身に染みたところで限界だった。そっと会場を抜け出し、自分の小ささを夜に隠しながら早足で帰宅した。

明日は自分に優しくできますように。

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