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散文の仲間

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ジブラルタル峻が綴る、理性や科学の外側のテクスト。
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#ジブラルタル峻

今週第17位! シマエナガ学派【現代詩】

今週第17位! シマエナガ学派【現代詩】

オポッサムの位置エネルギーは、シマエナガの羽ばたきでした

この星のねりけしは、なまけたフィヨルドであり、砂センタリング、の噛み合わないイカフライが足で手を貸しました
国体は揺れて、オポッサム、は半島を出ました

なかなかなミスを犯し、振り出しに戻るPython使いのアメリカンショートヘアは、極めてキレのよい動きを見せるカピバラとカルパッチョしています。アイキョウがあるのでした

弱い力は奥歯で何

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チカさん(創作手記:1000字)

チカさん(創作手記:1000字)

noteに夢中になるあまり降りる駅を乗り過ごした平日の朝。これもまた幸せの残響であり、そのまま本当の透明を見に行くことにしました。本当の透明は目に見えない? それでもそこに透明な何かがあるんですよね。そうですよね。

ケニュペマー駅で下車してみます。ケニュペマー。なぜだろう? エキゾチックかつエキセントリックな響きです。溶けそうな矛盾の伴侶であり、最も小さい単位を積み重ねることで成立することもあり

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小説:普通日記 #4

小説:普通日記 #4

 彼の哲学は、性描写の一切ない官能小説でした。

 ガトリングガンの調子が良くないため、狩火県の西菜飯峠へ行ってきました。
 そうです。八丁味噌の完全体に太刀打ちできるのは、ニョッキの欠伸だけです。
 カルパッチョの声を35dl集めて、ホタテの跳躍力にくくりつけます。

 新番組「こんばんはサトウヒロシです」をリアルタイムで観るための50の方法は、アコンカグアによく似た解法と手を組みます。その時、

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アオイの行く末とノートルダム大聖堂

アオイの行く末とノートルダム大聖堂

誰もルールを知らない球技に勤しむ男女七人夏物語は、突然幕切れします。
駅の改札口で散開したあと、アオイ(もはや性別はありません)は自然にかえります。自然に。
それは何事もないかのように帰ったというよりもむしろ、大地に還ることにバトンを渡します。

テフロン加工を施された、ミシンのボディは飛べないロボットの歩行移動を連想させます。天秤にかけられたウマとロバが釣り合う場合のムードを化学工場で蒸留し、商

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木漏れ日をキャラメルマキアートに溶かしてから

木漏れ日をキャラメルマキアートに溶かしてから

木漏れ日をキャラメルマキアートに溶かしてから、ダッキングでかわします。それはユーラシア大陸の幻聴によく似た少年合唱団のララバイでした。更に言えば、ホットドッグの犠打であり、麦わら帽子の犠牲フライでした。

針に糸を通すように、新宿歌舞伎町を練り歩きます。まるでカナブンの求愛行為だな、それは黒い伝書鳩からのメッセージでしたが、冷めたピザはそっちのけで、地下鉄を目指しました。

どこへ続くのか不明のエ

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小説:普通日記 #2

小説:普通日記 #2

どんぐりアーティスト、ミツマメ・レイさんのお店『まとまりのないレモネード』に行ってきました。生暖駅西口ビルの地下2階にお店を構えていらっしゃいます。そうです、そうです。麺や『もののみごとに』の隣ですね。あそこの「マサララーメン(五)」は格別です。しかし、(五)って何なのでしょうか。あ、この話はまた別の機会に。

レイさんは、元々両生類として暮らしていたわけですが(決定的な意味ではない)、この度爬虫

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現代詩『テーマ』

現代詩『テーマ』

夏のイントロをシクラメンして、真夜中の季語を定めます。
それは時曜日の日課です。

彼女はテレビを消しました。
その通りです。テレビを物理的に消したのです。

すると、平方根が無数に飛び交う砂浜で、子供たちが熱の束を掴みながらはしゃぐサウンドスケープが立ち現れるではないですか。
そこにアキアカネが駆け付けます。ポケットにオニヤンマへの不等号的な手紙を隠していますが、それはラブレターを徹底的に微分し

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ゴルゴンゾーラは装備できません

ゴルゴンゾーラは装備できません

虹猫学園高校ラクロス部のマネージャー、ミヤノクルミは図書館である本を手に取り、気になるところに目を走らせていた。

持つ、という言葉に意識が及んだ。フィンランド人留学生へルミの言葉を思い出す。

所有の概念そのものが日本人と違うのかなあ。

それにしても【黄色いユニコーン】って何だろう? そういう料理のメニュー名?
主人公のお兄さん、亡くなったみたいだけど、何があったんだろう?

それにこの『ゴル

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創作:存在しない本の感想文

創作:存在しない本の感想文

 エトケン・ガリダール(1901-1979)と言えば『全体化と極限性』のほうが有名かも知れません。彼の文学的な言葉づかいは本書でも際立っていました。ガリダール哲学は積極的に異化あるいは矛盾律を採用します。それが嫌な人はきっとこの人の著作を読まないのでしょう。「カンガルーの群れがいつも跳ねているわけではないのと同じです」(本文954ページ参照)。

 開き直るわけではないですが、理解できない箇所のほ

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旅から戻らないドラゴンの赤ちゃん、または「待つ」こと

旅から戻らないドラゴンの赤ちゃん、または「待つ」こと

 旅から戻らないドラゴンの赤ちゃん。間違って世界のエントランスを出入りする消されることのない消しゴムは、唐揚げではないと知りながら待ちます。

 今大切なのは「待つ」ことです。この動詞についてやや細やかに考えます。「待つ」とは一般に何かを待つことになります。それは受動的な動作でしょうか? あるいは具体的行為を持たない精神的営為でしょうか?

 いいえ。それは違います。待つとは、予め手を打つことであ

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創作:ある甘味研究者の手記

創作:ある甘味研究者の手記

シュークリームは世界を辞めていたので、ティラミスの前頭葉は常にホワイトユーモアに支配されていました。

ピーチメルバは氷の気化熱を利用してゼリー状の恋愛感情を押し込めます。夢の天然水は資本主義の人工水であり、それはハムカツがハムでありカツであることの位相差に似ています。

モンブランは目的の無い螺旋階段カテゴリーに属するとの報告には承服しかねます。モンブランが常にそして既に無極性なのは立証済みです

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きりかえし

きりかえし

 ルールの外側を透明な猫が歩いていて、尾行していると明るい洞窟に迷い込みました。

【切り替え】

 大量のビジネスレターを書き続け、やがて石の下で安眠します。

【切り替え】

 ガーターベルトは情感を未来の出土品に隠します。失礼な空気よりも軽いカンマはやがて、ピリオドと相関します。

 この関東平野にジャムを塗って食べようとする奴がいたとしても。
 曇りの日よりも青空がいい。YES or NO

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創作|アトリエを巡って

創作|アトリエを巡って

・時間にマヨネーズをつけて食べる。
・背徳的なサンシャインバターによく似た影絵で添い遂げる。
・至近距離でシュートを外す。
 それら一連の旧世紀を手裏剣にします。

・クラムベリーを解きほぐすかのように。
・刀の錆を研ぐように。
・フラスコの中の次世代のように。
・あきらめる、の中に釣り糸を垂らすかのように。
 これらは次第に放物線そのものになり、ゲートインとゲートアウトを繰り返します。別言するな

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創作:カゲロウの成虫に口はありません

創作:カゲロウの成虫に口はありません

 カゲロウの成虫に口はありません。そうですね。捕食しないのですね。だから口は要らない。そうやってコヒーレントな波形を老舗デパートの包装紙に包みつつ歌います。
 メロディーは例外なく100パーセント可食部である。そう言っていたあの人はどこか遠くの国へ行ってしまいました。そのことと、人類の起こりをハンガーラックにかけてレオロジーを測定してばかりの日々です。

 常に既に、散らすこととしての記述を通して

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