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2022年10月の記事一覧

読書感想 スピリチュアルカウンセラーKIKO 風の時代は好きなことで稼ぐ

読書感想 スピリチュアルカウンセラーKIKO 風の時代は好きなことで稼ぐ

 スピリチュアルカウンセラーでYouTuberのKIKOさんの書籍を読みました。

彼女のYou Tubeチャンネルをたまに拝見するんですが、KIKOさんは現実主義スピリチュアルカウンセラーと名乗っておられる通り、ガッツリしたスピリチュアルをとてもロジカルに説明してくださる方です。
なので、内容が非常に腑に落ちるというか、わかりやすいです。普段からロジカルシンキングをされる方なのだろうなと思います

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読書感想 芥川龍之介 尾生の信

読書感想 芥川龍之介 尾生の信

芥川龍之介の小品です。短いです。すぐ読めます。が、この小品の意味を理解して読みこなすのは相当難儀だと思います。

ていうか私は全く読みこなせないです。難しいです。でも私はこの作品が好きなんです。

わからないのに好きなんて、そんなことあるかいな??と皆さん思うと思いますが、これこそ、相手の懐に入らずとも、謎のフェロモンにより虜にする、芥川龍之介の能力なのです!!(意味わからん)

男性が橋の下でず

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読書感想 村山槐多 悪魔の舌

読書感想 村山槐多 悪魔の舌

村山槐多の短編小説を再読しました。
以前青空文庫で読んで「うわーお、いい感じに狂ってるね!」と印象に残った作品です。
村山槐多は画家のようですね。僅か22歳でこの世を去ったようです。

はじめに申し上げておきますが、この作品は人肉食嗜好を取り扱っております。したがって、気分を害するようなグロテスクな描写が含まれておりますので、そういったものが苦手な方は注意してくださいね。

ある日、語り手の家に友

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読書感想 岡本綺堂 白髪鬼

読書感想 岡本綺堂 白髪鬼

青空文庫で偶然見かけて、江戸川乱歩にも同じタイトルの作品があったなあと思い読みました。

岡本綺堂は、青空文庫には沢山小説が載っているのですが、書籍はほとんど出回ってないんですかね??小説家というよりも劇作家が本業だったのですかね?

 何作か拝読したのですが、とても読みやすい文章を書く作家さんです。そして、どれもこれもドラマにできそうなまとまりの良い作品ばかりだと思いました。劇作家だからなのかな

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読書感想 よしもとばなな 王国 その3 ひみつの花園

読書感想 よしもとばなな 王国 その3 ひみつの花園

昨日本棚を整理していたら、懐かしい本が出てきました。
よしもとばななさんの「王国その3」です。
王国は、その1からその4までの四部作で構成されています。なかでも私はその3が大好きです。昔、「キッチン」とともに本当に何度何度も繰り返し読みましたねえ……。

王国はその3は、失恋のお話です。
したがって失恋したときに読むとマジもんの痛みをヒリヒリと感じ取ることが出来ます。一人称で綴られる心理描写が秀逸

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宮沢賢治 オツベルと象を読んで思う事

宮沢賢治 オツベルと象を読んで思う事

教科書にのっている有名な作品です。昔教科書で読んだ時には特別何も思わなかったのですが、大人になってからふと読んだら、ナニやら深い闇を感じずにはいられなかったです……。

ます、最後の「おや(一字不明)川に入っちゃいけないったら」という一行が謎じゃないですか。この物語は牛飼いが誰かに向かって語りかけている、という設定だと思うので、当然目の前の誰かに川に入っちゃいけないよ、と言っているだけだと思うんで

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読書感想 夢野久作 支那米の袋

読書感想 夢野久作 支那米の袋

日本三大奇書のひとつ「ドグラ・マグラ」を書いた作家、夢野久作の短編小説です。
夢野久作の作品は、全体的にエグ高です。
以前ドグラ・マグラに続いて何作か拝読したのですが……。
たしかに面白いのですが、読めば読むほど胸苦しくなるので、わたしのなかの読書向上委員会が満場一致でそれ以上はやめておこう、という判決を下しました。(いなか、の、じけん、死後の恋でギブ)
しかし、幻想的な狂気をリアルに書く作家さん

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読書感想 小泉八雲 術数

読書感想 小泉八雲 術数

小泉八雲は、「耳なし芳一の話」、「雪女」を書いた作家ですが、日本生まれではありません。
Wikipediaによると、
小泉八雲は現在のギリシャで生まれ、世界各国を旅して紀行文を書いた新聞記者だそうです。日本人女性と結婚し、帰化したのですね。もとの名前は、パトリック、カディオ、ハーンだそうです。

よって、この作品も、耳なし芳一も雪女も、もともとは英語で書かれています。それをほかの人間が日本語に翻訳

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読書感想 太宰治 佳日

読書感想 太宰治 佳日

青空文庫で佐藤春夫の作品をぼーっと読んでいたところ、「稀有の文才」というエッセイ(なのかな?)に、太宰治の「佳日」が紹介されていました。佐藤春夫はこの短編小説を読んで、太宰治の文才に驚歎したそうです。

わたし、太宰治は「人間失格」「斜陽」
「ヴィヨンの妻」「グッド・バイ」あたりを読んだくらいで、あんまり好きな作家ではないのです。
正直、人間失格、ヴィヨンの妻に至っては
もう二度と読みたくありませ

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読書感想 佐藤春夫 あじさい

読書感想 佐藤春夫 あじさい

とても短い小説です。
以前何かで読んで、妙に印象に残った作品です。
青空文庫で見かけたので再読してみました。

 七年前に夫を亡くした未亡人と、その未亡人に思いを寄せる男が、未亡人の家で会話をするだけのお話です。

全体的になんとも言えない儚い雰囲気が漂っています。同時にうすら寒いものを感じる作品でもあります。

短い文章のなか、想像力を掻き立てる描写が散りばめられています。
これはどういうことだ

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読書感想 江戸川乱歩 人でなしの恋

読書感想 江戸川乱歩 人でなしの恋

 江戸川乱歩の短編小説です。
ここでいう「人でなし」は、
「このひとでなしめ!!」と相手の薄情さを責めるときに使うものではなくて、
「人ならざるもの」というニュアンスが近いのかなあ??

そうです。この作品は、まさしく
「人ならざるもの」との恋の物語です。

 旧家に嫁いだ女性が、その家で体験したことを告白する形で物語が進行します。

 新婚の夫が、夜な夜な寝室を抜け出し蔵に向かいます。妻はその蔵

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