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読書感想 夢野久作 支那米の袋

日本三大奇書のひとつ「ドグラ・マグラ」を書いた作家、夢野久作の短編小説です。
夢野久作の作品は、全体的にエグ高です。
以前ドグラ・マグラに続いて何作か拝読したのですが……。
たしかに面白いのですが、読めば読むほど胸苦しくなるので、わたしのなかの読書向上委員会が満場一致でそれ以上はやめておこう、という判決を下しました。(いなか、の、じけん、死後の恋でギブ)
しかし、幻想的な狂気をリアルに書く作家さんだと思うので、ゾクゾクとした非日常的な恐怖を味わいたい方はぜひ読んでみてください。非常にオススメです。

こちらの作品ですが、浦塩(ウラジオストクなんですかね?)の酒場(舞踊場?)でロシア人女性がお酒を飲みながら日本人軍人へ過去の壮絶体験を語る物語です。

彼女は「あんたを殺したくなる」と告白します。その日本人がかつて恋した米国軍人とそっくりだと言うのです。
そして彼女は、米国軍人との狂気に満ち満ちた体験を語り始めます……。 

愛しているから嬲り殺したくなるとか、怖すぎて理解できないのですよ。
(百歩譲って、永遠に自分のものにしたいから殺すとかならわかるのですが、なにも嬲り殺さなくてもよくない??)
 しかし、
「ありえへんわ、私には関係ない世界だわ」と無視できない感覚に陥ります。それだけ読者を引き込むリアリティのある文章なのでしょう。
改めて文豪ってすごいね。

日本だけに昔から流行っている最高に素敵で贅沢な遊びは「シンジュウ」だそうです…。
こわ。

 青空文庫でチラチラ見ながら、面白そう……気になる……読んでみたいけど……
と迷ってる未読の作品が沢山ありまして、今度勇気を出して読んでみようかなと思っております。




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