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#ホラー小説が好き

ホラー小説への愛や、好きな作品・作家を語ってください!

急上昇の記事一覧

すべからく『愛』を謳え 序章

あらすじ 幼い頃、事故で両親を亡くした聡太郎。 彼自身も生死の境を彷徨った挙句、息を吹き返す。 目を覚ました彼は、自分に違和感を覚える。 不意に訪れる激しい頭痛。その最中に脳裏に浮かぶ、絶望に打ちひしがれた誰かの叫び。 その後、派生する紅い右眼と、燃えるように熱い左手。目の前には闊歩する異形の者たちの世界。 そして彼の中で渇きを訴える誰かの声。 『誰かがいる……』 その誰かの声に従い、足を踏み入れるは、無情と異形の織り成す地獄絵図。 自ら

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職場に復帰する直前に読んでいた本

こんにちは、ぱんだごろごろです。 お蔭様で、職場復帰しました。 仕事を再開しました 先週の月曜日に、職務復帰可能の診断書を整形外科医院で書いてもらい、水曜日に産業医面談を受けました。 その後、係長に挨拶をしに行き、4月の残りのシフトを決めました。 7週間(約2ヶ月)まるまる休んでいたので、業務内容をすっかり忘れていたらどうしよう。 おそるおそる職場に入りましたが、幸いなことに、仕事の手順は身体が覚えていました。 勝手に身体が動くので、それにつられて自分が一つひとつ仕

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生きたまま背骨を握られる

 怖い話を書くからか、先週から体調を崩しています。  スルーしようとしていたのに、創作大賞の応募が始まったと聞いたら、話を考えるようになりました。今までなら、書き始める事からしていたと思うのです。それから筋を考えて、筋を思いつかないから、また書いて、どうしようもなくなって途中でやめてしまう。  そのやり方をやめて、今回はクライマックスとエンディングから考えたのです。そしたら体調を崩しました。熱が出るわけでなく、寒気と倦怠感が身にまとわりついて、ふらふらしているのです。  怖

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降霊の箱庭 ~第一章~

<前章> まるで、白い城塞だ。 校舎を見てまず初めに浮かんだのは、そんな感想だった。 職員室は、四階建ての校舎の二階部分、ちょうど生徒玄関を見下ろす位置にあった。この中学校の校舎全体が城塞ならば、この職員室はさしずめ物見櫓といったところか。 学年主任とクラス担任に挨拶を済ませ、母親が帰っていった後。 「じゃあ、行こうか」 三十代くらいの女性担任に促され、職員室から教室に向かうことになった。 かすかに生徒たちのざわめきが聞こえてくる渡り廊下を、担任教師と並んで歩く。聞けば

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盗み銭ーぬすみぜにー

 さて、今から語る纏屋に纏わる六章目の物語に行き着いた。否、連れ去られた男の話を物語の基礎として基盤である所の起承転結の"起"。そう起こりとして綴って差し上げようと思う次第です。  この地の文を語っている私の事は言うまでもなく。否、言うべくもなく。知る必要すらも無い。読み手である所に何者でもない君たちが座しているように、紡ぎ手である所に当てられた私も何者でもないしもしや、よもや人間ですら……無いのかも知れないのだから。  ◯  始めまして。窃盗犯です。    なんてそん

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短編小説4

混沌というのは例えばだが、以下のような文のことである。 「男は死んだ。女は走った。」 これだとまるで意味がわからない。なぜ男が死んで、女が走ったのか。これが混沌である。しかし、こうすれば、混沌でなくなる。 「男は死んだ。病院に連れ込むため女は走った。」 もうすでに死んでいるのに病院に連れ込むのは意味わからないが、とにかく、混沌が物語に変わった。 人間にとって混沌はわけわからなく、恐怖なのだ。 科学が発達していない昔は混沌ばかりだった。混沌をなくすために宗教や迷信を作ったのだろ

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note創作大賞2024に出すぞ

note創作大賞というものがありまして。 ここに応募しようかなと思います。 応募期間: 4月25日 (火) 〜 7月17日 (月) 23:59 部門というのがあります。 エッセイ部門 ミステリー小説部門 ホラー小説部門 恋愛小説部門 お仕事小説部門 ファンタジー小説部門 漫画原作部門 創作漫画部門 コミックエッセイ部門 レシピ部門 ビジネス部門 オールカテゴリ部門 この中で何をやるのか? ホラー小説部門にいきたいと思います。 怪奇現象とかそういう話ではないのですが、怖

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降霊の箱庭 ~序~

こっくりさん、こっくりさん。 どうぞおいでください。 とある中学校でその日、秘密の儀式が行われていた。 儀式というのは大抵、人目を忍んで開かれるものだ。この小規模な儀式も例に漏れず、校舎の最上階・最奥にある空き教室にて開かれていた。 おまけに時は放課後。大多数の生徒は部活動に向かい、そうでない生徒も帰路についた後だ。 カキーン、と。 野球部のバッティングの音が、グラウンドの方角から聞こえてくる。 プァーン、と。 吹奏楽部の合奏の音が、反対側の校舎の中で響いている。 妙

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短編小説3

(多少グロデスクな表現があります。苦手な方はお控えください) 昔々、あるところに、黒雪というお姫様がいました。 黒雪はとても美しく、それはそれは毎日10人の王子様が求婚に来るぐらいでした。 人柄も評判で、お国の人たちには常に愛されていました。 しかし、昼間までぐっすり眠るお寝坊さんでもあります。黒雪が寝ているというだけで、帰らされる王子様もそれはそれは沢山いました。 ある時、国王が言いました。 「黒雪よ、お前はもう今日で38じゃろ。そろそろ結婚を考えたらどうだ」 黒雪は言いま

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短編小説1

依頼の成仏を終え、私たちは岐路に足を向けた。 あれは確かに依頼主の夫の亡骸であった。 しかし、所長は真実を告げなかった。 「なぜあの時を告げなかったのですか。彼女、きっといつになっても、夫を探し続けますよ」 所長は深いため息をつきながら言った。 「お前、知らないのか。この災害で沢山の人が亡くなった。真っ黒に焦げた死体や泥まみれの水死体、それと同じくらい自殺で亡くなったような死体も多くある。時と場合によっては、真実を知ることが彼らの傷を広げることになるだろう。今、俺たちができ

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小説版『アヤカシバナシ』 22枚目

楽しかった修学旅行も終わり、中学生の私は写真を現像してもらおうと、 近所のカメラ屋さんに向かった。 いつもの顔なじみのおばちゃん店主は『じゃぁ2日後ね』と言って 受け付けてくれたのですが・・・・ 控えを持って放課後にカメラ屋さんに向かい、 『おばちゃん!出来てるよね!』と声をかけると、 『え、ええ、でも1枚写真に出来なかったのよ・・・』と言った。 『え?写ってなかったとか?』 『いや・・・写ってるんだけど・・・』 『じゃぁなんで?』 『あの・・・写真に出来

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【掌編ホラー】異邦人(300字)

 灼熱の太陽が照り付ける、酷暑の日。  一人の青年が、白昼の往来で拳銃を乱射し、多数の死傷者を出した。  青年はその場で警官に逮捕された。  警察の取り調べで、彼は犯行の動機を、 「太陽のせいだ」  と語った。  マスコミや世間は、彼のその供述を、 「カミュの異邦人のマネごとだ」  と笑った。  だが、ポリグラフ検査や、精神鑑定の結果、彼はカミュの異邦人を全く知らない事が判明した。  つまり彼は、異邦人のマネなどではなく、心底から「太陽のせい」という動機で、銃乱射の凶行に及ん

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【恐い話】呪物

知り合いから聞いた話なんですがね 昔々、というほどでもない昔に巷で変な新興宗教が流行ってると教えてもらったんです いわゆる淫祠邪教 まあ、そんなもの大概変じゃないか、と思われる方も多いと思いますが そりゃあもう、輪をかけて変だったそうで あ、私の滑舌が悪く聞き取りづらかったらすみません なんせ歯が何本かないもので、へへ なんでもそちらの信者の方たちは、「穢れ」を集めていたらしいんです 穢れ、とは一体何ぞやという話になってくると思いますが 何かの本で読んだのか、

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【怖い話】八角堂

地元に八角堂って呼ばれてる建物があったんですけど。 上から見るときちんと八角形の形をしていて、それで八角堂って呼ばれてたんだと思うんですけど、本当の名前は誰も知りませんでした。 Googleマップにも名称は載ってないし、なんなら用途も一切不明の、まるでトマソンのような建築物でした。 八角堂自体は簡素な作りで、何もない敷地にポツンと佇んでいるんです。 入口は正面に一つと、反対側に一つ。飾りや意匠が凝らされている訳でもなく、寺や仏堂だと言われればそう見えるけど、言われなか

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【恐い話】夢に出るため

故人が夢に出てきてくれた、という体験は皆さんにも経験があると思います。 そのように人の夢に出るためには、故人側は相応のお金ですとか、生前の徳に基づく非常に厳しい審査があるというスピリチュアルなお話を耳にしたことがあるでしょうか。 それは、故人が夢に出てくれるというのはとても大変なことなので、きちんと感謝をしましょう、或いはそんな故人に哀悼の意を手向ける良い機会ですよ、という説法のようなものなのかなと思っていました。 高校生のとき。 僕にはHくんという幼馴染がいました。

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短編小説5

朝、起きたら蛙になっていた。 鏡を見たら蛙になっていた。最悪だ。 顔も手も全身蛙だ。背丈だけは変わってなさそう。 多分これは夢である。普通の人間が蛙になるわけがない。となれば、この状況を目覚める前に楽しむべきなのかもしれない。しかし我慢ならない、早く目覚めて欲しい。 僕は蛙が大嫌いだ。小さな頃、友達と蛙を潰して遊んでいたからだ。今でもあの時の手の感触や、内臓が飛び出してるあのグロい絵。思い出しただけで吐きそうになる。なぜ子供の頃はあんなことを何も感じずできたのだろう。今でも不

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小説版『アヤカシバナシ』 双眼鏡

中学生の頃だったと思うのですが、友人A君が誕生日に双眼鏡を買ってもらったそうです。 星を見る望遠鏡と言うなら分かるけどなぜ双眼鏡? A君は『景色を観るのが好きなんだ』と答えた。 私は『あぁそうか、そりゃそうだ』と思った。 ところがA君の狙いは景色ではなく、斜め前の家に住む、女子高生の部屋を覗く事だったようだ。 昼休みに友達に話しているのが聞こえたのだから間違いない。 少々ガッカリと言うか、覗きの為に双眼鏡って呆れた。 ここからはA君から聞いた話なのですが・・・

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全て、貴方のせいです。 第12話

概要  虚栗はブログに遺書を残し、自殺した。その後、妻がブログを更新。そこには、殺人の告白が記されていた。 Gift 私は、リサ・ビルギット・ホルストと申します。このブログ・SWAN SONGの著者である虚栗の妻で、ドイツ人です。  夫は先日、亡くなりました。このブログに遺書を遺して。  その際の記事、『SWAN SONG.』というタイトルの意味はなんでしょうか?  辞書を引用します。  この記事以前から、精神を病んで自殺をほのめかしていました。  そして1週間後に、

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再録:重ね夢

■まえがき今回は1月に公開した「重ね夢」の再録になります。 こちらの作品は私も気に入っている作品で、書き慣れない時代物の割にはよく書けたかなあと思っています。 フォロワーさんの中でもこちらを好きな作品に挙げてくださる方がいたりして、最初の頃の作品だけに嬉しかったりします。 初期の頃だけに、きっとまだ読んだことがない方もいらっしゃるだろうなと思いまして、今回再録でアップさせていただきました。 繰り返される悪夢の中に堕とされた経験はおありですか? もしおありの方がいらっしゃれ

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(ミステリーホラー)混沌の化神 -14

今朝車で通った道を今度は青山家へ向かって歩く二人。 「あのさ、一昨日の例の須藤さんが倒れたっていう場所ってさ、たしかこれから向かう家の右にある森の道の途中だったよね?」 「うん、そうだよ。どうしたの?」 「それで、それってそのすぐ先に獣道があったりする?」 「そうそう!獣道ね、たしかに。昔よく森で遊ぶときに通った、あれはほぼ獣道だね。あーひょっとして今まで探索してたの??」 「うん…」 歩みを進めながらも、馬場はしばし考え込んだ。 やはり先ほど自分が見た現象が、一昨日の亜矢

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