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#ホラー小説が好き

ホラー小説への愛や、好きな作品・作家を語ってください!

急上昇の記事一覧

【短編ホラー】ショッピングモール

ハァッハァッハッ 息が切れる。もう何分走っているのだろう。後ろを振り向くと、血走った目の男が追いかけてくる。 怖い、逃げたい。なんで私がこんな目に? 泣きそうになって唇を噛み締める。こんなことありえない。絶対に現実じゃない、悪い夢に決まってる。 「覚めろ…覚めろ…覚めろ…」 祈るように呟く。そうだ、この恐ろしい出来事が起こる前に、何かきっかけがあったはずなんだ。 私は回らない頭で必死に今日の出来事を思い出した。 数時間前、私は隣町にあるショッピングモールに訪れた。 ここは

10月になりました

ここ数日、ようやく涼しさも感じるようになりました。 しかし「十年に一度の異常気象」といわれている暑さは、まだまだ続きそうです。 note創作大賞2024、皆さまお疲れ様でした。 中間結果が出ましたが、だめでしたね。残念。 ホラー部門が初めて設定され、応募者数も過去最高だったようです。 私の周りの知り合いも何人か応募していました。 でも、公募系って基本的にコツコツと書いていくので、こういう投稿サイト主催の賞は、参加者同士で盛り上げられるのでお祭りみたいでいいですね。 初めて

【試し読み】貴志祐介『さかさ星』冒頭特別公開!

貴志祐介さんが手掛ける待望の長編ホラー『さかさ星』(KADOKAWA単行本)が、2024年10月2日(水)ついに発売! 本記事では刊行を記念して、63ページまで大ボリューム特別公開します! 物語の冒頭をどうぞお楽しみください。 あらすじ 『さかさ星』試し読み ACT1 SCENE1  秋雨は、早朝からずっと降り続いていた。  中村亮太は、ワゴン車の窓越しに、濡ぬれそぼつ町並みを眺めた。小糠雨かと思っていると、いきなり勢いを増して驟雨へと変わる。風も吹いたり止やんだ

【作品情報まとめ】貴志祐介KADOKAWAホラー全作品

2024年10月は、貴志祐介ホラー月間! 10月2日には特級長編ホラー『さかさ星』(KADOKAWA単行本)、10月25日には至高のホラー連作集『秋雨物語』(角川ホラー文庫)が発売となります。 そこで本記事では、貴志祐介さんのKADOKAWAホラー全作品をご紹介。 秋の夜長に、極上の恐怖をお届けします。 ■ 新刊情報01 | さかさ星(KADOKAWA単行本) 呪われよ——子々孫々の果てるまで 呪物に満ちた旧家で起きた一家惨殺事件の真相は。 『黒い家』『悪の教典』に続く

【短編小説】曖昧な記憶

久しぶりの帰省。玄関を開けた瞬間、懐かしい家の匂いが鼻をくすぐり、夏美は一瞬、胸が締め付けられるような感覚を覚えた。外では、木々のざわめきが風に揺れる音が微かに聞こえる。いつもと同じ、実家の静かな夜だ。 「おかえり、久しぶりだね。」 母親がにこやかに出迎えてくれる。 「ただいま。随分、久しぶりだね。」 夏美は笑顔を返しながら、仕事に追われる日常から切り離された心地よい空気に、懐かしさと安堵感を覚える。 母親が用意してくれた夕食のテーブルは、昔と変わらない家庭の味で満

私が小説を書きだした理由

おはようございます。 謎の物体キヲと申します。 今回は「私が小説を書きだした理由」について、お話しさせて貰います。 私はごく普通の一般人です。 好きな音楽はMrs. GREEN APPLE、宇多田ヒカル、Ado、レミオロメン、アニソンなどです。 影響を受けた小説は西尾維新さんの「戯言シリーズ」、中村恵里加さんの「ダブルブリッド」、漫画は「東京アンダーグラウンド」、「BLEACH」、「HUNTER×HUNTER」、「フルーツバスケット」です。 普通のオタクという感じですが、中学

5分小説 『月の色』 #シロクマ文芸部

 月の色が位置によって白や黄色だけじゃなく、くすんで見えるように人によって見え方は異なるものなのだとつくづく思う。 「鬼無さんどうかした?わからないところでもあった?」 ミーティングが終わり、みんなが席を立つ中、未だ配布された資料を読んでいた私を気にかけてくれる人がいた。永井さんだ。 誰にでも優しくて、裏表のない明るい性格で何でも器用にこなすうちの職場の人気者。 それなのに、なぜか、私は 「……や、何もないです」 永井さんが苦手だ。 「ならいいけど……気になるこ

最近流行ってるらしい

ホラー小説が最近流行ってるらしいと聞き 昔から好きだった身としては 「ふう、やっと時代が私に追いついてきたか」 と勘違いしてる次第です。 いい時代になったものですね(^^) 図書館で借りる本がそのテのものばかりなので 司書さんから貸出履歴見られて 「なんかとんでもねえヤツがこの地域に住んでる」 と勘違いされてるんじゃないかと図書館に行くたび毎回ドキドキです。 (司書さんはそんなことしない) よく読む作家さんは澤村伊智さん、恒川光太郎さん、あと、宮部みゆきさんの三島屋シリー

ダークな読後感が癖になる!土着信仰×土地の因縁『極楽に至る忌門』

『極楽に至る忌門』 芦花公園 2024年3月25日 四国の山間部に伝わるとされる猿神信仰をベースにした、4扁の作品が収録されたオムニバス。昔からその辺りの山には天子(てんじ)と呼ばれる猿に似た化け物が住んでいて、時々人と話をしに山から下りてくるという。天子は死後に極楽に行ける門の鍵を持っていて、ある契約を結べばその鍵を貸してくれるが、その契約とは、体の一部を3か所捧げ、最後に自分にとって一番大事なものを差し出すことだという。 そして怪しい地蔵のような石像や、わらべ歌。お互い

【NEWS】10月10日発売決定、ゴシック・アンソロジー『黒の聖餐』のお知らせ

◆◇お知らせ◇◆ 2022年に発足した文芸叢書CAL(Classic Anthology Library)では、デザインエッグ社から毎年2回、幅広いジャンルでアンソロジー小説を企画・出版しております。 この度、第4回企画「ヴァンパイア(吸血鬼)」をテーマにしたゴシック・アンソロジー『黒の聖餐』を10月10日に出版いたします。 本書には総勢18名の実力派人気作家が御参加して下さり、文学を愛する5名の編集部メンバーの御協力のもと完成いたしました。 書影(販売画面)は9月末頃から

“噂”の怖さや“不思議”体験まで、辻村深月の原点を垣間見せる13篇『きのうの影踏み』

はじまりは映画だった 辻村深月(つじむら みづき)さんは、メフィスト賞を受賞したデビュー作『冷たい校舎の時は止まる』や、直木三十五賞に輝いた『鍵のない夢を見る』などが代表作とされます。 …みたいなことを「ウィキペディア」で調べました。 初めてその名に注目したのは同名小説を実写化した映画『ハケンアニメ!』です。 予告映像を偶然見たら、吉岡里帆と中村倫也が出ているではないですか。 「刺され、誰かの胸に」はヒロイン役の吉岡里帆が劇中で話すセリフの一つ。 私はその後しばらく

ショート怪談「人形」

ある日、臼井(うすい)さんは、通販アプリで和服を着た等身大の球体関節人形を見つけた。等身大という大きさや球体関節人形ということもあって、その人形はまるで生きているかのような感じがした。その魅力に惹かれた臼井さんは、例の人形を買うことを決心した。 数日後、その人形は宅配を通して自宅に届き、リビングに飾られた。その日から、臼井さんの身に不可解な現象が起こり始めた。深夜、臼井さんは人の気配を感じて目を覚ました。リビングの辺りから足音、そして微かに聞こえる女の笑い声がする。そう、例

霧のボート

辺りには濃い霧が広がっていて、それをかき分けるように一艘のボートが進んでいく。 水面の上を滑るように、音もなく、あてもなく、ボートが進んでいく。 ボートに乗っているのは制服姿の二人。 ゆっくりとオールを漕ぐ少年を見つめながら、少女は目を細め、口を開く。 「木田君と二人きりでデートできるなんて、夢みたい」 少女の声に抑揚はなく、無機質で、その無機質が言う。 「ねえ木田君、そっちへ行ってもいい? でもあんまり近寄ると、重心が偏ってボートがひっくり返っちゃうかな」 少女は

命がけの片思いが切ない! ありそうでなかった鉄道×恋愛×ホラー『眼下は昏い京王線です』

『眼下は昏い京王線です』 芦花公園 2024/8/28 大学二年生の琴葉は、サークルの飲み会の帰りにお持ち帰りされそうになっていたところを助けてくれた「シマくん」という男性にひとめぼれし、猛アプローチの末に連絡先を交換します。それが命がけの片思いの始まりとも知らずに……。 琴葉によれば、シマくんはいわゆるイケメンとは違うけれど、蕩(とろ)けるような低い声で、メスを引き寄せる謎の電磁波みたいなものを発しているそうですが、はっきり言って変なヤツです。 「幽霊に会う」ことを切望す

小学生におすすめのホラー小説5選

今回は小学生向けにおすすめのホラー小説を5冊紹介していきます。 小学生がホラー小説を読むメリット小学生がホラー小説を読むことには、さまざまなメリットがあります。ホラーのジャンルは単に怖いだけでなく、感情の幅を広げ、思考力や創造力を育てる要素が含まれています。以下に、具体的なメリットを挙げます。 ホラー小説は感情の成長や思考力、想像力、問題解決能力など、さまざまな面で子どもにメリットをもたらします。適切な年齢と内容のホラーを選ぶことで、楽しみながら学びを得られる有意義な読書

高校生におすすめのホラー小説7選

今回は高校生向けにおすすめのホラー小説を7冊紹介していきます。 高校生がホラー小説を読むメリット高校生がホラー小説を読むことには、さまざまなメリットがあります。ホラー小説は単なる怖い物語ではなく、感情や想像力、思考力を刺激する重要な要素を持っています。以下に、ホラー小説を読むメリットを挙げます。 ホラー小説は単に恐怖を与えるだけでなく、感情や想像力、思考力を深く刺激し、心理的な理解や集中力、批判的思考力を養う貴重な読書体験を提供します。高校生にとって、ホラー小説を読むこと

中学生におすすめのホラー小説7選

今回は中学生向けにおすすめのホラー小説を7冊紹介していきます。 中学生がホラー小説を読むメリット中学生がホラー小説を読むことには、以下のようなさまざまなメリットがあります。 中学生がホラー小説を読むことは、想像力や読解力の向上、感情のコントロールや問題解決能力の強化など、多くのメリットをもたらします。また、非日常的な刺激を楽しみながら、道徳的な教訓を学ぶ機会にもなります。怖いものに触れながらも、それを楽しむことで、成長に役立つ経験が得られるでしょう。 中学生におすすめの

小説版『アヤカシバナシ』行進

小学生の低学年の頃の話です。 それはそれは歴史ある古い小学校でした。 グラウンドも口の字型の校舎の真ん中にあり、 中庭と呼ばれるほどに古かった。 転校してからグラウンドって何?これ?広っ!て思ったくらいだ。 その小学校には施設が設けられており、 家に帰っても親が居ないから遅くまで預かりますと言う場所。 記憶では迎えに来ない親が居て、泊まったと言う話もあった気がする。 今はそんな事ないと思うが、昔は善意で用務員さんが 一緒に泊まってくれたりしたらしい。 現在

#灼いてるの

 覚醒した。  しかし身動きは出来ない。  冷たい台に寝そべって、天井を見上げている。  正面のドアが開いて、鎮痛な表情をした妻が入ってきた。傍らには学生服を着た息子がいる。普段なら詰襟を開けているのだが、やけにぴっちりと整った様子だ。  おお、と右手をあげようとした。  珍しく親戚の顔も連なっている。  余り風紀の良くない地域だった。  急傾斜地に張り付く住宅街で、漁港に近く、風には生臭さが浮いている。殊に最近では外国人の姿が目立っている。  その浪の上地区へ行くには細道

報告:読了後もこの本のタイトルを想起できない(認識災害)

冒頭「同一SCPについての複数の報告( 作者自身が旧Twitterで「SCPじみた怪奇創作」として投稿しておられます)」みたいな感じで始まり、徐々に裏の統一されたストーリーが見えてくるという展開です。SCP財団をご存知の向きには「SCP-001/Kalininの提言」と言えば伝わるかと思いますが、3時間ほどが心地良く消えます。 おすすめ。 これはKindle版について改善を期待したいのですが、こういう「過去の章のエピソードに言及し、伏線を張りながら進む小説」についてはきちん

【考察】全て、貴方のせいです。とは何だったのか?【解説】 #創作大賞感想

レア

この際、本名なんてどうでもいい。 奴は「レア」と呼ばれていた。 九州の片田舎、まだ自分の家の半径数キロが世界の全てだった中学一年の頃。 俺と同じ教室に「レア」は確かに存在していた。 あだ名の由来は、奴が滅多に登校してこなかったから。 週に一度来れば良い方で、ひどいときには月イチの登校もザラだった。 当然成績も最下位で、いつも一桁の点数が書かれた用紙を持ってヘラヘラしていた。 けれど担任の女は、そんなレアを咎めたりしなかった。 当時はそれを不思議に思ってたが、今考えれば家庭

小説版『アヤカシバナシ』狐

信じてもらえなそうな話なので、 人に話したことはほとんどないのですが・・・。 仲の良いA子がある日、相談に来ました。 それはB子にお金を貸したが返してくれないとの事で、 問題はそこではなく、お金を返さずクラブに行ったりして、 遊んでると言う噂を聞いたと言うものでした。 実は当時職場がB子と同じ館内だったので、 様子を伺おうと思えばできない事も無かった。 つまり相談と言うのは、情報収集。 もちろんスパイじみた事はできないものの、 注意してみるね・・・と依頼を

タイトルの付け方が独特な2つのホラー作品について

読んだ本について、特に深い考察もなく、感じたままに書くだけの緩い記事です。今回は去年『近畿地方のある場所について』で鮮烈なデビューを飾った背筋さんの新作2作を読んでみました。緩い感想なので、特に何の知見が得られるものでもありませんが……。 『穢れた聖地巡礼について』 背筋 2024年9月3日 心霊系YouTuberの池田(チャンイケ)、フリー編集者の小林、オカルトライターで神社の娘で「見える人」の宝条は、YouTuberのファンブックを作るという企画を実現するため、今まで

ありえない写真【短編小説】

1.「単身赴任とマッチングアプリ」  「ただいま…っと」  軽くつぶやいて、真っ暗な部屋に足を踏み入れる。当然、返事をするものはない。妻と子供を残して単身赴任している俺にとって、これが一日のうちで最も辛い瞬間だといえるかもしれない。  俺は手探りで壁のスイッチを押して部屋の電気をつけると、すぐに机の上のノートパソコンを立ち上げる。それが毎日の日課だ。  このパソコンは一年前、東京から400キロ離れたこの地方都市に異動が決まったとき、NetflixやPrime Videoと

20240830 出るぞ新刊!呼べよ、嵐! 蛯原テトラの初長編小説「月鱗のナツキ」は、文学フリマ大阪12で初お披露目だああああ!!一冊352ページ!厚ういッ!!説明不要ッ!!いや、説明は必要なので、ここでやります。

どうも、台風10号が通り過ぎた後の宮崎県からお送りします。蛯原です。 タイトルにあるように、自費出版で本を出します! わー、ぱちぱち!! 普段は短編の公募に挑戦していることが多い蛯原ですが、今回の「月鱗のナツキ」は16万字、352ページの長編となっております! 自分で言うのもなんですが、気合いの入った一冊となっております…! 世知辛い話、売れないと大赤字となってしまいますので、少しでも手に取っていただけるように、ここで今作のセールスポイントを紹介しておきます! セールス

白麗

 雪女、という妖怪をご存じだろうか。  小泉八雲で有名かもしれないが、雪山に現れて男を助けるとも殺すとも言われる、妖艶な美貌をもった女の妖怪。  僕の育った村では、雪女のことを白麗と呼んだ。  白麗は百年か二百年に一度(口伝でしか伝わっていないので、語る年寄りの記憶によってこの辺はまちまちだ)現れるとされているが、別に山に巣くっているわけではなかった。  白麗が現れるのは、村の中だった。  百年(分かりやすく百年にしておこう)に一度村に生まれてくる女の赤子の誰かが、白麗になる

【収録作品紹介】角川ホラー文庫30周年記念の超豪華書き下ろしアンソロジー『堕ちる』『潰える』あらすじまとめ【絶賛発売中!】

「あらゆる恐さのニュージャンル」を掲げて、今から30年前に創刊された角川ホラー文庫。その30周年を記念し、豪華執筆陣が集結した書き下ろしアンソロジー『堕ちる』『潰える』が刊行されました。 それぞれに収録された、各作品の読みどころをちょっとだけご紹介。どんなこわい話なのか気になる方は、ぜひここからお気に入りの恐怖を見つけてください! ■『堕ちる 最恐の書き下ろしアンソロジー』収録作品宮部みゆき「あなたを連れてゆく」 新名智「竜狩人に祝福を」 芦花公園「月は空洞地球は平面

幽霊との会話

嵐が吹き荒れる夜、木々が風に揺れる中、私は部屋で一人静かに座り、人生とその目標について深く考えていた。その時、不思議な存在感を感じた。目を上げると、ルシファーが影の中に立ち、謎めいた視線で私を見つめていた。 **「君が力と野心について考えていることに気づいていたよ、」**と彼は静かだが力強い声で言った。 彼の存在に驚くことなく、私はすぐに尋ねた。「ルシファー、野心についてどう思う?本当にそれが私たちを常により良いものへと駆り立てるのか?」 彼は私に近づき、前かがみになっ

『甘夏の肉離れ』 #毎週ショートショートnote【いつまでも甘いよ編】

「甘夏とグレープフルーツ、梨、スイカ切ったわよ~!」 声をかけると家族がぞろぞろ現れる。お盆のお供え、頂き物、お中元など今年は果物が盛り沢山だ。 「薄皮も剥いてよ~」 と甘えた声を出す子に 「そのくらい自分でやりなさい!あ、手についた梨の汁、服で拭ったでしょ!」 黙々と食べながら、Tシャツで手を拭く夫にタオルを投げ渡す。 「うむ、今年のスイカはいい出来だ」 「お義父さんは種の誤飲に気をつけて下さいよ」 「へいへい」 「僕も食べる!」 「このボウルに種と皮入れてね。

私は幽霊です

第1章: 寒い冬の夜、サガ市は激しい嵐と大雨に見舞われていた。強風が木々を揺らし、雨が降り続け、道路は水浸しになっていた。ニュースでは、住民に自宅に留まるよう、または避難所へ行くよう警告していた。 サガ市の小さなアパートの中で、ハルナは窓の外の風景を見つめていた。彼女は不安と息苦しさを感じており、家を出て川を見に行く決心をする。川までの距離は約1キロだが、警告にもかかわらず、彼女は外に出ることに決めた。 第2章: ハルナは家を出て、風と雨に立ち向かいながら、川へ向かう

小説版『アヤカシバナシ』監視カメラ

私が大きなデパートでアルバイトをしていた時の話です。 以前から飛び降り自殺があった、トイレで自殺していた等、その手の噂はバイトする前からあったのですが、それ気にしていたら働けませんからね、住むわけじゃないので。 閉店するまでのシフトもあるので、電気を全て落として帰る役目が私の場合もあったりした。 真っ暗とは言え非常灯はついているのだが、それが逆に気持ち悪い。 分電盤室にてブレイカーを下ろし、懐中電灯を持って売り場をぐるっと回って居残り者がいないか、火の気が無いかの確認

最近ホラーが好きです

元々、幼少期から「金田一少年の事件簿」やら「学校の怪談」やら大好きでしたからね。 雨穴さんに影響されて再燃したようです。 来月はかまいたちの夜3も届きます! 1回PS2でプレイ済なのに!買ってしまいました! 無職の貯金が火を吹くぜ! 本もちょこちょこ買ってますね〜 雨穴さんの変な家、変な絵はもちろん買いました。 背筋さんの近畿地方なある場所についても良かったです。 今はこの人、行方不明(フェイクドキュメンタリーQ)と鵼の碑(京極夏彦)を読んでいます。 夫は怖いも

ショートショート|雨の日は息子が帰って来る

 天気が悪いと、妻は家事をしなくなる。  洗濯物も食事もすべて放りだして、風呂場に座り込んでいる。  待っているのだ。息子が帰って来るのを。  その日は夕方にかけて、日が陰る頻度が増えていった。  空気にも湿っぽさが含まれている。嫌な予感がして、私は職場からの帰り道、食材を買い込んで帰った。 「おかえりなさい」  玄関に入ると、妻の言葉だけが出迎えてくれた。  声の出どころは、やはり風呂場だった。 「ただいま。まだ雨は降っていないよ」  私は革靴を脱ぎながら、妻の行

ぱらぱらめくる #夢怪談

 目が覚めたとき、部屋は真っ暗だった。  夕方頃、異様な眠気に襲われて、そのままごろんと横になったら、いつの間にやら眠ってしまった。  出窓から、街灯の明かりだけが差し込んでいる。  カーテンを閉め、電気をつけようと思うのだが、それも面倒くさい。顔にずっとエアコンの風が当たっていたせいか、喉がからからだった。    とりあえず、ビールが飲みたい。  ゆっくり起き上がり、出窓から漏れる明かりを頼りにキッチンに向かう。暗い中、手探りで冷蔵庫を開ける。庫内の明かりにほっとしなが

エルムウッド邸の呪い -Ep4 不穏な発見-

冒険者たちは、荘園の不吉な支配が彼らを締め付ける中、容赦ない恐怖の夜へと突き落とされた。その重苦しい闇は、彼らの骨の髄まで染み渡るようであり、エルムウッドの貴婦人の冷ややかな囁きが彼らの心に響いた。最初の恐怖とは裏腹に、この夜を生き延びるためには、警戒と集中を怠らないようにしなければならないことはわかっていた。 時間が経つにつれ、一行は邸宅を徹底的に探索し始めた。懐中電灯の明かりが暗がりを切り裂き、朽ち果て具合が明らかになった。かつては複雑な彫刻で飾られていた壁は、今ではひ

エルムウッド邸の呪い -Ep5 闇の儀式-

翌朝、薄暗い玄関ホールに集まった冒険者たちは、疲労と恐怖で顔が引きつっていた。その夜は、説明のつかない現象や、彼らの決意を試すようなゾッとするような遭遇に満ちた、容赦のない試練だった。自分たちをエルムウッド邸に縛り付けている呪いを解きたいのであれば、迅速に行動しなければならないことはわかっていた。 「呪いを解く儀式が必要です」サラは声を震わせたが、決心したように言った。「昨夜見つけた日記と遺品が、必要な情報を与えてくれる。でも、慎重にやる必要がある。これは普通の儀式ではあり

短編: 闇の中から浮かび上がる⑥

前話はこちら(↓)  武内のヤツは、この前、私に意見してから、何も言っては来なかった。当然だろう。いくら運営とはいえ、規約になんら違反していないにも関わらず、私を諭そうとしたのだから。賢者である私の言うことに耳を傾けず、バカなヤツらの声を拾おうとするからこうなるのだ。  おそらく、人気インフルエンサーである私に対して異論を吹っ掛けたことで、自壊したか袋叩きにでも遭ったのだろう。  ザマぁ見やがれ!www  You deserve it !! www  To hell w

エルムウッド邸の呪い -Ep3 エルムウッド邸での最初の夜-

冒険者たちがエルムウッド邸の敷居をまたぐと、重苦しい雰囲気に包まれた。かつての壮麗なエントランスホールは、今や薄暗く、朽ち果てた抜け殻のようだった。床には埃と瓦礫が散乱し、空気は放置と腐敗のかび臭い匂いで充満していた。一行は不安げな視線を交わし、この荘園の歴史の重みが、目に見える力のように彼らに圧し掛かってきた。 「手分けして部屋を調べましょう」とサラが提案した。「見つけたものはすべて記録しておく必要がある」。 ジャックは同意してうなずいた。「いい考えだ。エミリーとトムは

エルムウッド邸の呪い -EP8 最終章 その後...-

冒険者たちはエルムウッド邸を後にした。邸宅の重苦しいエネルギーは消え去り、安堵と勝利の感覚が残った。彼らは暗闇に立ち向かい、勝利し、勇気と決意の証として生き残ったのだ。新鮮な空気の中に立つと、試練の重圧が心に重くのしかかったが、彼らは人生最大の試練を乗り越えたことを実感した。

¥100〜
割引あり

夢現の地層

最初の発見は、偶然だった。 考古学者のリサ・ハーディングは、通常の発掘調査中に奇妙な地層に遭遇した。それは、どの地質学的分類にも当てはまらないものだった。 鮮やかな色彩。不規則な模様。そして、触れると僅かに脈動しているかのような感触。 「これは...一体何なんだ?」 リサの問いかけに、誰も答えられなかった。 分析の結果は、さらに奇妙だった。 この地層は、既知のいかなる物質でもなかった。それどころか、その構造は刻一刻と変化していた。 そして、最も衝撃的な発見が訪れ

【作品情報まとめ】最恐の書き下ろしアンソロジー『堕ちる』『潰える』『慄く』【角川ホラー文庫30周年記念】

角川ホラー文庫30周年を記念し、超豪華作家が大集結! 最恐の書き下ろしアンソロジー『堕ちる』『潰える』『慄く』の関連情報をまとめてご紹介します。 ■ はじめに史上最も豪華な作家陣に、「最高の恐怖」をテーマに執筆を依頼。 「あらゆる恐さのニュージャンル」として生まれた角川ホラー文庫、渾身の書き下ろしアンソロジー3冊が発売決定! 今考えうる【最恐】が集いました。 『堕ちる』と『潰える』は8月23日に同時刊行、『慄く』は12月発売予定です。 また、本アンソロジーの特装版BO

エルムウッド邸の呪い -Ep6 狂気への転落-

闇の儀式が終わり、冒険者たちは安堵感に包まれた。呪いは一時的に解けたのだから、あとは闇が戻ってくる前に、呪われた荘園から脱出する方法を見つけなければならない。しかし、朽ち果てた廊下を進むにつれ、彼らの正気と決意を試すような奇妙で恐ろしい現象が次々と起こり始めた。 トラブルの最初の兆候は、彼らが大階段に到達したときに訪れた。下り始めると、階段が足元でずれたり変化したりするように見え、一歩一歩が不安定で予測不可能になった。サラはつまずき、崩れ落ちそうな表面から足を滑らせた。彼女

AIで作るショートショート#493「海の家の幽霊」

夏の終わり、海岸沿いにある古びた海の家が再び開店した。地元の人々は、この海の家には超常現象が起こるという噂を知っていたが、観光客はその話を知らなかった。 ある夜、若いカップルが海の家で夕食を楽しんでいた。突然、電気が消え、辺りは真っ暗になった。彼らは驚き、手探りでスマホのライトを点けた。その光の中で、彼らは海の家の奥にある古い鏡に映る奇妙な影を見つけた。 影はゆっくりと動き出し、まるで何かを探しているかのようだった。カップルは恐怖に駆られ、急いで外に飛び出した。外に出ると

Orgasm of the Living Dead ④ 「リビドー」

 短い人生で最高の、そして最後になるであろう押し寄せる快感に身をガクガクと震わせながら、龍彦は止めどなく精液を放出し続けた。  龍彦は、亜由美を思いっきり抱きしめると、目を閉じて聡一朗が襲ってくるのを待った。  しかし、聡一朗が襲ってくることはなかった。  快感の余韻が全身を包む中、恐る恐る目を開けると、ロッカーから3mほど離れたところで、上半身が裸の聡一朗が床にひれ伏しているのが目に入った。  聡一朗は、ビクンビクンと痙攣していたが、最後にくぐもった唸り声を上げると、突然

読書日記2024年8月 真夏のホラーあれこれ

夏といえば怖い話ですね、ホラーですね。 出版社のご事情でしょうか、7月8月はホラーや怪談の本がたくさん発売されます。いいですね~。 まあ、怖い話が好きな人間は季節に関係なく読んでいますが。 できたら夏に限らず、秋には物寂しい心をより切なくさせる秋ホラー、冬には冷え込む心をあたためる冬ホラー、春には浮つく心をひんやりさせる春ホラー、みたいに四季を問わず出版してもらいたいものです。 さてそんな感じで真夏のホラー、いろいろ読んでいますが、印象に残った本について感想を。 以下の本に

エルムウッド邸の呪い

#1 エピローグ 人里離れた田園地帯の片隅にあるエルムウッド・マナーは、過ぎ去った時代の遺物だった。そびえ立つ尖塔と広大な敷地は不気味な魅力を放ち、長い間地元の伝説を虜にしてきた。1800年代初頭に建てられたこの荘園は、豪華絢爛の証であり、石壁には複雑な彫刻が施され、広大な庭園は細心の注意が払われていることを物語っていた。しかし、エルムウッド邸の美しさは、廊下でささやき、誰もいない広間に響く不穏な歴史によって損なわれていた。 この荘園は代々、裕福で影響力のあるエルムズワー

【怖い話】昨晩はどうも

大学の同じ研究室のやつが、ここ2週間くらい不審者に家をピンポンされてるから、今晩家飲みに来てほしいって言うんですね。 おう、いいよって言って、どうせなら追い返してやろうぜって意気込んで計4人でそいつの家に行きました。 0時を回ったあたりで、ピーンポーン、ってチャイムが鳴ったんですよ。 まずは敵情視察だな、ってのぞき穴から外を見たら、警察が一人立ってて。 おい!お前なんかしたのかよ!って慌ててたんですけど、その警察なんも喋らないんですよね。普通、開けてください、警察です

AIで作るショートショート#488「宿での恐怖体験」

町の静かな山間にある古びた宿。旅行者たちはその歴史ある佇まいに魅了され、毎年多くの人々が訪れる。しかし、その宿には誰も知らない秘密があった。 ある晩、旅行者の一人である田中さんは、大浴場でリラックスしようとした。夜遅く、他の客は皆寝静まり、大浴場は田中さん一人だけだった。湯気が立ち込める中、彼は湯船に浸かり、心地よい温かさに包まれていた。 突然、背後から冷たい風が吹き抜けた。振り返ると、誰もいないはずの大浴場の入り口に、ぼんやりとした人影が立っていた。田中さんは恐怖に凍り

【恐い話】借りたはずの本

韜晦してください。 先日、ふと知人に借りっぱなしの書物があることを思い出しました。 今まで失念していた事に慚愧の念を覚え、直ぐ様連絡をし、彼との食事の約束を取り付けました。 当日、暫くぶりの挨拶も程々にして、長らくお借りしてしまって申し訳ない、と本を差し出しました。 すると、知人は「こんな本を貸した覚えなどない」と仰るのです。 いやいや、確かに貴方からお借りした筈です、と改めて見直したところ、 手にしていたのは、全く身に覚えのない、大層汚れた絵本でした。 なぜ、