エルムウッド邸の呪い -Ep3 エルムウッド邸での最初の夜-

冒険者たちがエルムウッド邸の敷居をまたぐと、重苦しい雰囲気に包まれた。かつての壮麗なエントランスホールは、今や薄暗く、朽ち果てた抜け殻のようだった。床には埃と瓦礫が散乱し、空気は放置と腐敗のかび臭い匂いで充満していた。一行は不安げな視線を交わし、この荘園の歴史の重みが、目に見える力のように彼らに圧し掛かってきた。

「手分けして部屋を調べましょう」とサラが提案した。「見つけたものはすべて記録しておく必要がある」。

ジャックは同意してうなずいた。「いい考えだ。エミリーとトムはメインフロアに集中して。私たちは上の部屋を調べる。1時間後にここで会おう」。

エミリーとトムは顔を見合わせ、興奮と不安が入り混じったような目をした。「エミリーはカメラを持って、トムについて行くように合図した。

邸宅の奥に進むにつれ、不気味な雰囲気が増していった。壁が迫ってくるようで、歩くたびに空気が冷たくなっていく。床板のきしむ音や、割れた窓から遠く聞こえる風の反響音が、さらに不気味さを増した。エミリーのカメラが散発的に点滅し、朽ち果てた部屋を撮影した。

一方、サラ、ジャック、トムは2階へ向かった。狭い階段は二人の体重でギシギシと音を立て、明滅する電球の薄明かりが壁に長く不気味な影を落としていた。上の部屋は1階よりもさらに荒涼としており、壊れた家具や粉々になった窓が廃墟感を高めていた。

階段を上りきったところで、サラは立ち止まり、わずかに開いているドアを見つけて目を見開いた。「あの部屋よ。「見てみましょう」。

一行は慎重にドアに近づいた。ドアを開けると、一陣の冷たい空気が吹き出し、背筋が凍った。部屋は暗く、シャッターの隙間からかすかな光が漏れている。サラは懐中電灯に手を伸ばし、スイッチを入れて部屋を照らした。暗闇に包まれた部屋の隅に立っている人影が見えた。

一瞬、時が止まったように見えた。冒険者たちは凍りつき、胸がドキドキした。その人影は微動だにしない。そして、邸宅の壁から聞こえてくるような声で、その人物は語りかけた。

「ようこそ」その声は、呪われたような、そして不気味なほど聞き覚えのある口調だった。「あなたは真実に直面するようになった。

サラは一歩前に進み、懐中電灯を持つ手を震わせた。「あなたは誰ですか」サラは、その声は安定していたが、恐怖が混じっていた。

その人物はゆっくりと振り返り、顔を見せた。それは女性で、暗く幽玄な布でできたような、流れるような長いガウンを着ていた。彼女の目はうつろで、生気を感じさせず、顔には永遠の悲しみの表情が刻まれていた。

「私はエルムウッドのレディ。「私は何世代にもわたってこの場所を見守り、危害を加える者たちから守ってきた。しかし今、あなたがたはやってきて、この場所を無傷ではいられないでしょう」。

ジャックは一歩前に進み、状況を理解しようと目を細めた。「この荘園の過去の真実を暴くために来たのだ。「邸宅に危害を加えるために来たのではありません」。

エルムウッドの夫人の目が不吉な光を放った。「ここは呪われているのです。「エルムズワース一家は自ら闇を招き、そして今、その闇に飲み込まれた。あなたたちも、その力の犠牲になるでしょう」。

一行が返事をする前に、部屋が揺れ始めた。壁が彼らを取り囲み、冷たく息苦しい闇が彼らを包んだ。エルムウッドの貴婦人の声が再び響き渡り、今度は冷ややかな約束で満たされた。

闇が深まる中、冒険者たちは必死に知恵を絞った。呪いを解き、荘園の支配から逃れる方法を見つけなければならないことは分かっていたが、今のところ、彼らはその不吉な抱擁に囚われている。