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kaz68
読書感想 江戸川乱歩 人でなしの恋
江戸川乱歩の短編小説です。
ここでいう「人でなし」は、
「このひとでなしめ!!」と相手の薄情さを責めるときに使うものではなくて、
「人ならざるもの」というニュアンスが近いのかなあ??
そうです。この作品は、まさしく
「人ならざるもの」との恋の物語です。
旧家に嫁いだ女性が、その家で体験したことを告白する形で物語が進行します。
新婚の夫が、夜な夜な寝室を抜け出し蔵に向かいます。妻はその蔵で夫が逢瀬を重ねている事を知ります。そして、その相手とは……。
素敵なホラー小説なので、ネタバレなしでいきたいところです。
「人ならざるもの」との恋とか結婚の物語は古今東西あちこちで見られるようですね。
日本だと、幽霊とか魔物のほかは、馬、蛇、狐などが多いようです。
わたし、蛇や狐は嫌だけども、馬ならいいかもしれない……。
馬の目って、なんとも言えない優しさが漂っているじゃないですか。
猫や犬や牛とはちがう、優しくて力強い目だなあ、と思うのです。
だからといって、上半身が人間で下半身だけ馬の男とか、その逆とか、そういう者との接触は嫌ですけどね……(コント?)
こちらの作品、短いのですぐに読めます。短いながらも江戸川乱歩ワールドを十分に堪能出来るとても素晴らしい作品だと思います。
青空文庫でいつでも読めますので、秋の夜長にちょっとしたホラー小説はいかがでしょうか。
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