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【男体山】登りずくめ
「すべての湖はその傍にそびえ立つ山の姿で生きてくるが、中禅寺湖と男体山という取り合わせほど過不足なく、彼我助け合って秀麗雄大な景色を形作っている例も稀である」(深田久弥著『日本百名山』)
午前4時半ごろ東京の自宅を出発。2時間ほど車で高速道路を走ると日光に至る。「いろは坂」という曲がりくねった一方通行の山道を登り、トンネルを抜けると中禅寺湖があらわれる。
二荒山神社中宮祠の駐車場に車を停
【那須岳】リベンジのご褒美
「中枢部の茶臼、朝日、三本槍を、所謂那須岳と見なしていいだろう」。深田久弥は『日本百名山』でそう記した。那須岳の主峰・茶臼岳は「名の通り臼型のコニーデ」とも書いている。コニーデとは円錐型の火山である。火山だけあって湯本温泉など温泉も点在している。そんな那須岳に来るのは2度目。昨年2月にも挑戦したが正面から受ける風の強さに耐えられず撤退した。その時のリベンジである。
午前9時に大丸園地(大丸温
【曽我丘陵】花より登山
神奈川県小田原市にある「曽我梅林」。別所梅林、原梅林、中河原梅林の総称で、約3万5000本の梅が開花するという。見頃の2月には毎年「小田原梅まつり」と称して梅を愛でる催しが開かれると聞き、寒気が和らいだ散策日和の2月10日、近くの曽我丘陵のハイキングを兼ねて現地に向かった。
午前9時半にJR下曽我駅に到着。駅近くの「梅の里センター」に立ち寄る。品評会に出品された梅干しが展示されていた。別所梅
【谷川岳】雪ニモマケズ、風ニモマケズ
群馬と新潟の県境にそびえる谷川岳はネコの耳のような山頂を持つ。いわゆる双耳峰で、北峰の「オキの耳」が標高1977メートル、南峰の「トマの耳」が標高1963メートルである。
「耳二つとはいみじくも付けられた名前で、上越線の上牧(かみもく)あたりから望むと、遠くに猫の耳を立てたようにキチンと二つの耳が並んでいる。その形が実にスッキリして清く鋭く、この山が昔から奥上州の名山とされたわけも納得される
【黒斑山】ガトーショコラは綿菓子の中に
ガトーショコラと聞くと濃厚なチョコレートケーキを想像する人が多いだろう。だが最近の登山愛好家は百名山の1つである浅間山(2568メートル、群馬、長野県境)を想起するらしい。雪化粧した茶色の山肌が粉砂糖を振りかけたガトーショコラに似ているから、ということのようだ。
「わが国で火山の代表と言えば、浅間と阿蘇である」。『日本百名山』の著者深田久弥をしてそう言わしめた浅間山は近年も噴火しており、警戒
【雲辺寺山】五百羅漢のお出迎え
雲辺寺山(927メートル)は香川と徳島の県境に伸びる阿讃山脈の西端にそびえる。行政区分で言えば、香川県観音寺市と徳島県三好市にまたがる山だ。山頂一帯に敷地を広げる雲辺寺は四国霊場のなかで最高峰にあり、「四国高野」、そして「遍路ころがし」とも呼ばれている。88カ所の中では66番目の札所にあたる。
2024年1月5日朝。雲辺寺ロープウェイの山麓駅駐車場に車を停める。午前8時半に登山開始。ロープウ