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【天城山】山中にウクライナ国旗?


 2023年9月2日朝、レンタカーを借りて東京を出発。この日は静岡県にある伊豆半島最高峰の天城山をめざす。

 天城山は最高点の万三郎岳の標高が1406メートルと決して高くはないが、日本百名山に選ばれている。深田久弥は「日本百名山」に「一つを指して天城山と呼ぶ峰はなく、伊豆半島の中央を東西に横切ったこの山脈を眺めて、そのうちのどれであろうと構わず、人はただ天城山と呼んでいる」と記している。

 「日本百名山 山の名前はこうしてついた」(楠原祐介)によると、天城山の由来は「木甘木(甘茶)の産地だからという説が盛ん。あるいは、アバ(暴・発)の転で大きく崩壊した火山地形そのものを呼んだか」。天城より万二郎と万三郎の由来の方に興味をそそられるのは私だけか。

 午前11時ごろに登山を開始する予定だったが、伊豆に向かう途中の高速道路で降車場所を間違えて登山口の到着が大幅に遅れる。天城縦走登山口にある天城高原ハイカー専用駐車場に車を停め、午後2時登山開始。この時間帯の登山はあまり褒められたものではない。

少しだけ「ラピュタ感」が漂う

 登山口までの道中は天気が良かったのに登り始めると空はどんより。湿度は高く、生い茂る植物と合わせて南国の密林という雰囲気が漂う。午後3時ごろに万二郎岳に到着。小雨を浴びながらおにぎりを食べる。馬の背、石楠立を過ぎて午後4時ごろに万三郎岳の山頂に立つ。相変わらず天候は悪く景色は期待外れ。

万三郎岳の山頂

 天城山の登山道は予想以上に悪路だった。登山者を助けるはずの木製の階段は劣化で朽ちて逆に進行を阻む。苔むした岩肌は気を抜くと滑りそうだ。道に迷うことがなかったのはせめても救い。登山道を示す目印はピンク色のテープが多いが、なぜか天城山は上半分が黄色、下半分が水色の長方形の看板がたくさん。ウクライナ国旗かと思ったが、配色が逆なので謎が深まった。

悪路が続く

 午後6時に登山口に無事帰還した。車で伊東市の日帰り温泉施設へ。日は落ちてすっかり外は暗くなっていた。露天風呂からの景色は諦めかけていたが、波打つ漆黒の太平洋から目線を上げるとそこには輝く満天の星空があった。

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