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【曽我丘陵】花より登山

 神奈川県小田原市にある「曽我梅林」。別所梅林、原梅林、中河原梅林の総称で、約3万5000本の梅が開花するという。見頃の2月には毎年「小田原梅まつり」と称して梅を愛でる催しが開かれると聞き、寒気が和らいだ散策日和の2月10日、近くの曽我丘陵のハイキングを兼ねて現地に向かった。

 午前9時半にJR下曽我駅に到着。駅近くの「梅の里センター」に立ち寄る。品評会に出品された梅干しが展示されていた。別所梅林に向かうと、屋台が多数立ち並び、活況を呈していた。見渡すばかり咲き乱れる白梅の鑑賞もほどほどに「花より団子」と、「ふじみcafe」という軽食スタンドで豚汁と「そが丸」を注文。「そが丸」とはかまぼこに梅干しペーストを挟んで油で揚げたスナックで、小腹を満たすにはちょうどよいおやつだった。

白梅だけでなくピンク色の梅花も見ごろ

 お祭りの雰囲気を十分に味わった後は、曽我丘陵(曽我山)をめざす。途中、二宮金次郎の像を発見。その隣には「二宮尊徳先生御遺髪塚」と彫られた石碑が立っている。説明書きによると、母よしの実家が曽我別所という縁があり、孫が昭和13年に建てたという。

 そこから急な車道を登ると六本松跡に着く。かつては交通の要所で、源頼朝が上洛や富士の巻狩の際にこの道を利用したという。江戸時代には著名な俳人たちともゆかりがあった場所のようで、松尾芭蕉は「ほととぎす 鳴き鳴き飛ぶぞ いそがわし」、与謝蕪村は「雨ほろほろ 曽我中村の 田植えかな」と詠んだ。

六本松跡

 梅林やミカン畑を抜け、しばらく登山道を進む。午後0時ごろ不動山(328メートル)に到着。腰の高さほどの木製の看板が整備されている。午後0時半ごろ電波塔が建つ浅間山(317メートル)を通り過ぎる。大山など丹沢の山々がきれいに望める。

 途中通行止めを迂回して車道に出る。「四季の里直売所」で小休憩。販売していた梅ジュース「梅の風」を買って飲む。酸味が強くなく甘くておいしい。午後2時すぎにJR上大井駅で登山終了。ちょうど到着した電車に乗り、国府津駅で下車する。

素朴な味わい

 温泉施設までタクシーを待つつもりが、すぐに来る気配がなさそうなので、歩いて向かうことに。途中見つけた食堂で「とろろしらすアボカドパスタ」を食べる。「天然温泉コロナの湯小田原店」はアミューズメント施設内に入ったスーパー銭湯のような温浴施設。最近歩行技術は必要だが歩行距離は短い雪山ばかり行っていたためか、予想以上に疲れたようで、浴場の椅子に腰掛けしばらくうとうとしてしまった。(2024年2月10日)

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