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ガイアストーリー 第一部 勇者たちの冒険 230ページ
封樹の笛・・・ダークエルフに
代々受け継がれてきた至宝の
一つで、魔王樹の根を削って
作り出された、その笛の音色は、
魔王樹の力を封じると言われ
ている。
先ほど受けた傷が治らないところを
みると、その効力は疑いようがない。
爪が伸びなくなったのも、その
ためだろう。
「こしゃくなっ!迷宮弾[ラビ
リンスバレット] !」
マカラトが放った魔力の塊が、
ガイアストーリー 第一部 勇者たちの冒険 229ページ
「はぁぁ!三日月斬り[クレセ
ントムーン]!」
一瞬の隙をついて、レーラが
斬りかかる。
「くっ!なにっ!?ぐっ!」
マカラトは、爪で受けようと
したが、爪が伸びなかったため、
とっさに、腰にさしていた短剣で
受けようとするも、斬撃が、
それを避けるかのように弧を描き、
マカラトの体に、三日月型の
ガイアストーリー 第一部 勇者たちの冒険 228ページ
「うそぉ!?もぉ?」
マリが驚いた声をあげると、
ユリが、マリに怒り出す。
「ちょっとぉ、あんたが魔力吸
収解く前に強引に魔法使うから、
弱々のアオイがヘバっちゃった
じゃない!」
しかし、マリも負けじと言い
返す。
「ちがうもん!お姉ちゃんが解
くの遅かっただけだもん!」
「なんですってぇ!私が合図す
るまで待ちなさいよぉ!」
ユリが、妹のマリを上から見下
ろそうと、
ガイアストーリー 第一部 勇者たちの冒険 227ページ
「もう!なんなのよぉ!りんご
ちゃんくれないと噛むぞぉ!?」
妹のマリが、怒りを露に近づ
いてくる。
「あ、あとであげるわよ!今は、
これで勘弁してちょうだい!」
葵は、急いで懐から、非常用
に持ってきていた、飴玉を一つ、
マリに手渡した。
「むぅぅ、あめちゃんかぁ・・
・嘘だったら、噛みついてやる
んだから!」
マリは、頬を膨らませながら、
飴玉を口に入れる。
「あれ
ガイアストーリー 第一部 勇者たちの冒険 226ページ
二人とも色白で、どことなく
顔立ちが似ている。
そして、共通するのは、赤い
瞳に、鋭く尖った2本の歯・・
・彼女たちが吸血鬼なのは、一目
瞭然であった。
「ちょっとアオイ!喚び出すな
ら完全な姿でって、あれほど言
ったじゃない!」
黒髪ツインテールの方の少
女が、腰に手を当て、葵に指を
つきつける。
「お姉ちゃ~ん!マリ、また、ぺ
ったんこだよぉ!」
金髪でショートカッ