【人間関係】相手の“口撃”をなかったものにする――嫌われない言い返し方①
こんにちは。
フォレスト出版編集部の森上です。
◎理不尽なことを言ってくる【パワハラ上司】
◎コソコソと悪口を言う【同僚】
◎いつも上から目線の【クライアント】
◎モラハラで別れたくても別れられない【パートナー】
◎何かと口うるさい【親戚】や【毒親】
などなど、縁を切りたくても簡単には切れない、いわゆる「めんどくさい」相手から理不尽なことを言われたときに、嫌われない「言い返す」方法があることは、先日のnoteでもご紹介しました。
日本随一のコミュニケーショントレーナーとして1万人以上レクチャーしている司拓也さんは、新刊『嫌われずに「言い返す」技術』の中で、言い返すためのテンプレートを7つ紹介しています。
今回は、そのテンプレートの1つ「相手の口撃がなかったものになる」言い返し方を一部編集して公開します。
*
相手が逆に戸惑う「ファクトベース承認」
私たちの日常生活では、モラハラやパワハラ的な言動で攻撃してくる人に出会うことがあります。これに対処する方法の1つとして、さりげなく言い返し、自分にストレスを溜め込まないやりとりがあります。
その方法の基本となるのが「基本承認」です。
基本承認として、「まずは受け入れてあげよう」というマインドで相手に対峙します。
攻撃に対し、「そのとおりです」「そうなんです」「はい。おっしゃるとおりです」と、笑顔で返事をするのです。
実は基本承認は、相手にとって一番嫌な対応となります。
なぜなら、ハラスメントの基本は、
①攻撃する側からの言葉での暴力
↓
②言葉を受け止められなくて苦しむことで「被害者」が誕生
という図式があって初めて成り立つからです。
そのため、相手の攻撃言葉に対して、こちら側が基本承認「はい、そうです、そのとおりです。それが何か?」とあっけらかんと丸ごと受け止め、承認してしまうと、そこには「被害者」は誕生しません。先の①→②の図式は崩壊するわけです。
攻撃者が求めるのは、こちら側の「落ち込んだ素振り」や「黙り込んでしまう」というご褒美です。
それを根こそぎ断ってしまうのが、基本承認基本形「はい、そうです」「はい、そのとおりです」という態度なのです。
または、
このように、笑顔で返事をします。
攻撃言葉をそのまま受け止め、リピートすることで、相手は相当戸惑います。
これには、最初は非常に勇気がいりますが、ポイントは何も考えずに、そのまま受け止めることです。
私は、この承認の方法を「ファクトベース承認」と呼んでいます。
◎相手は私にまだ仕事が終わらないと言っている。
◎相手は私に仕事が遅いねと言っている。
以上!
これが「ファクトベース承認」です。
否定的な感情を介入させることなく、淡々と事実を承認します。
「ネガティブエコー承認」は、ツラくなるだけ
一方、相手の言動に対し、
「相手は私をバカでのろまで、無能と言って、攻撃してきている」
と解釈して、
「なんでこんなこと言われないといけないの!」
「そんな嫌なこと言うなー」
といったマイナス感情が湧き上がり落ち込んでしまう。
「全然ダメだね!」という言葉に対して、
「全然なんて言わなくてもいいじゃないか」
「努力を少しは認めてくれよ」
という怒りの気持ちが湧き上がってくる。
私はこの承認方法を「ネガティブエコー承認」と呼んでいます。ネガティブ感情がいつまでの頭の中でエコーのように鳴り響いている様子から名付けました。
ハラスメントの言動を取られて落ち込んでしまう人の多くは、この「ネガディブエコー承認」を繰り返す人です。
「ファクトベース承認」で、相手は攻撃の意味を失う
しかし、それらの感情が湧き上がる間もないくらい反射的に反応し、もしくは、マイナス感情はそのまま保留したままでもいいので、「はい、そのとおりです!」と笑顔で返事をするのが、ここでのポイントになります。
相手は、攻撃してものれんに腕押しで、効き目がないと感じてくるでしょう。
打たれ強い、何を言ってもびくともしないメンタルを持っていると思わせる人は、「ファクトベース承認」で人とコミュニケーションを取っている人です。
相手は戦いを仕掛けたのにもかかわらず、何の躊ちゅう躇ちょもなく、その言葉を受け入れるあなたに、驚きと戸惑いを感じるでしょう。
繰り返しますが、相手があなたに望んでいるのは、攻撃してビビったり不安な顔を見せることです。相手があなたのビビる姿を見ることで、自分のほうが強いと感じ、承認欲求が満たして喜んでいるのです。
しかし、あなたが平然として、ビビった表情も見せずに、「ファクトベース承認」であっさりと承認してしまうと、相手はその期待を裏切られる形となり、あなたに対する攻撃の意味を失ってしまいます。
「ファクトベース承認」の副次的メリット
ファクトベース承認のやりとりによって、あなたは相手から一目置かれるだけでなく、周囲に自分の弱みや欠点を素直に認められる自信や余裕を演出することができます。
そして、その結果、あなたはよりポジティブな評価を受けることができるでしょう。
このように、承認することは、一見、負けを認めているように見えるかもしれませんが、実はこれが最大の攻撃となります。
承認は、ここで述べた方法の基本にあたりますが、これだけでなく、他のさまざまなフレームと組み合わせて使うことで、さらに効果的な対処法となります。
これらの組み合わせによって、モラハラやパワハラ的な言動に対しても、自分を守りながら、健全なコミュニケーションを図ることができるようになります。
さて、このあとに出てくる6つのフレームと組み合わせて使っていく方法についても詳しく見ていきます。
これらをうまく活用することで、日々のコミュニケーションがよりスムーズになり、ストレスフリーな生活を送る一助となるでしょう。
*
いかがでしたか?
今回ご紹介した新刊『嫌われずに「言い返す」技術』の著者・司拓也さんは、日本で随一のコミュニケーショントレーナー。心理学をベースに、話し方、声の出し方を、1万人以上にレクチャーしています。
嫌われずに言い返す、著者オリジナルのメソッド「ポーカーボイス&トーク」の重要エッセンスを、多くの会話事例を交えながら徹底解説した新刊『嫌われずに「言い返す」技術』(司 拓也・著)は、おかげさまで発売1週間で重版出来、全国書店、ネット書店で発売中です。興味のある方はチェックしてみてください。
▼『嫌われずに「言い返す」技術』の「はじめに」「目次」はこちらで読めます。
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