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読書バトン

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2018年1月の記事一覧

デザイナー向けサービスデザインの入門書

デザイナー向けサービスデザインの入門書

(書影付きバージョンはこちら)

facebookやブログなどで紹介してきたサービスデザインの参考書をアップデートしてまとめました(主に日本語で読めるもの)。2008年に多摩美・情報デザインコースで「サービスデザイン」の演習を始めた当初は、手がかりになる情報は少なくそのほとんどが海外のものでした。10年経って日本での認知も上がり、翻訳書を始めとして多くの文献や資料が日本語でも読めるようになっていま

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サピエンス全史図解(詳説版)

サピエンス全史図解(詳説版)

どうも、きょんです。今回は初の本についての図解です。

人類の歴史。宇宙の成り立ちから、シンギュラリティに至る大いなる流れについて記述し、大いにビジネス界をはじめとして幅広く話題になった、「サピエンス全史」。約600ページにも及ぶ大著です。この本を昨年購入し読了して以降、何度も読み返しているのですが、読む度に新しい発見を得られるような深みと重みがあります。

↓サピエンス全史↓

ただ、その内容の

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弱いAIのデザイン

弱いAIのデザイン

BNNの「弱いAIのデザイン〜人工知能時代のインターフェース設計論〜」を読んだので感想を書きます。

本書は弱いAI、いわゆるSFに出てくるようななんでも応えてくれるような万能型のAIではなく、自動で何らかの処理や働きをしてくれるようなAI、人の特定のタスクを代行してくれるエージェントとしてのアプリケーションサービスを対象とした設計論です。AIや人工知能というと深層学習と組み合わさってシンギュラリ

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デザイナー向け認知科学/認知心理学の入門書 (2020.10.4追加編集)

デザイナー向け認知科学/認知心理学の入門書 (2020.10.4追加編集)

はじめに若手のUIデザイナーから「使いやすいアプリをデザインするために認知心理学を勉強したい。どんな本を読んだらいいですか?」と相談を受けたので、いくつか紹介してみます。ちょうど、大学入試センター試験(国語)で「デザイン」や「アフォーダンス」が取り上げられたこともあり、このタイミングで書いてみることにしました。
認知心理学の学問分野は広大ですし、僕は認知心理学者ではありませんので、あくまでも、1)

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読書日記 「観察の練習」

読書日記 「観察の練習」

著者の菅さんから、「観察の練習」をご恵投いただきました。

本書は、映像作家であり多摩美術大学の先生でもある菅俊一さんが、日々の生活で発見した「観察の気づき」をまとめた本である。

日常におけるモノの配置、水や空気の流れ、光の反射…etc。著者は、日常生活のちょっとしたシーンの違和感を見過ごさず、さまざまな気づきや疑問を提起する。

モノの配置はそこを通る人々の行動ログであり、水や空気の流れは地形

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デザインを勉強したいひと向け(デザイン思想)

デザインを勉強したいひと向け(デザイン思想)

第3弾です。デザインを学びたい人向けに「デザイン思想」を学べる本を選んでみました。「デザイン」という専門分野を深く知るための教養・知識といったところです。
「デザイン思考」でデザインを知った方や「UI/UXデザイン」の実務からデザインの領域に入った方々も多いのではないかと思います。「デザインをもっと深く知る」ための思想やデザインの考え方にもぜひ触れてみてください。もちろん、これらの本に書かれている

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2017年最高にクールだった本・五選

2017年最高にクールだった本・五選

皆さん、あけましておめでとうございます。今年も新年があけましたので、去年の私が読んで最高にクールだった本を五つ紹介していきたいと思います。

サピエンス全史

本紹介をよく見ている人ならもう何度も見ているこの本。人類が万物の霊長に足らしめたのは神話を作る能力。お金や人権や民主主義なども神話の産物にすぎないとざっくばらんに説明する。人類の栄光は神話にあり。とてもたのしい。

ピクサー流 創造するちか

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書評 「サピエンス全史」

書評 「サピエンス全史」

長らく積んであったサピエンス全史を、お正月休みを使って、ようやく読了。前評判通りの良作だった。一年最初の本として、かなりいいものを引き当てた感がある。

本書はホモ・サピエンスの出現から情報革命まで、あらゆる軌跡を1冊にまとめた超大作だ。タイトルに違わず、ホモ・サピエンスの歴史全てを俯瞰した本である。

本書は、ホモ・サピエンスとネアンデルタールの明暗を分けた、人類最初の革命、「認知革命」から語ら

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