シェア
夜森蓬
2024年10月17日 20:56
秋は何も言わずに、わたしたちを冬へと連れていく。木枯しが吹き、街路樹のイチョウが騒ぐ。きみたちは…どこへ行くの?先生の後に手をつないで歩く…園児たち。秋は何も言わずに、わたしたちを冬へと連れていく。金木犀の香りが、涼やかな風をヒッチハイクする。きみは…どこに行くの?ペダルを軽やかに漕いでいく…女子高生。秋は何も言わずに、わたしたちを冬へと
李朱
2024年5月7日 09:35
あなた とまちあわせあまり に はやくついちゃってぷれぜんと の じゅんび もしてなくてどきどき そわそわおちつかなくてはなつみ しながらまっていてそしたらいっぱい に なっちゃってただ あなた のえがお が みたくて𖧷 ⁺.
Kei
2024年4月13日 07:13
無数の優しい鳥が奏でる音に包まれて我は静かに横たわり終息の地を夢見る嗚呼、鴉よ、海鳥よ、燕よ、鴎よ我を水底に咥えて投げ落として下さらぬか今夜の雨音より優しいその音に抱かれ眠りたい
ちびひめ
2024年3月24日 16:09
産みの苦しみいつもいつも私は苦しむ苦しむことなく産むことはできない何度となく描いて消去して何時間もそれに費やすそれは苦しむことで産まれてくるが、産まれた時の喜びは大きい何度も何度も読み返す何度も何度も消去するそうして産まれたそれは我が子と等しくかわいい我が子と等しく素敵で我が子と等しくいとおしい作品たちに命があるとするならば私を全力で支えることだろう私を全力
くらげドロップス
2024年2月23日 14:00
頭をひねり潰された僕の残像が道で抜いた雑草握りしめてきたない路地裏をうろついている心を半分あげたのに残りの半分が急に変色したことがなんとなく釈然としない新発売のガムを気分よく噛んでたらすぐに味がなくなってげんなりする感じ味がなくなってもガム噛み続けて気分が悪くなってオエッてなる感じ電柱に頭をぶつけまくる日々足し算も引き算も間違えて節約してるつもりが損してる毎日ホ
2024年2月29日 20:08
君は普通の人間さ普通の人間が普通に挫折して普通に傷ついて普通におかしくなってしまっただけさそれくらいのこと君ほどの普通の人間ならずっと前から理解していたはずだろう君は普通なのだから普通に喜び普通に悲しみ普通に自分を傷つけて普通に暮らしていきたまえ普通が普通に憧れようとする真似はもう、やめたまえ
2024年3月18日 21:23
投げ捨てたい。なにもかも。ラグジュアリーホテルの窓からあれもそれも、果てしなく、確実に、抜かりなく、ひとつ残らず投げ捨てたい。傷ついて哀しいわけではない。いらだちが抑えられないわけでもない。ただあらゆるものを投げ捨てて、宙を舞う姿に自分を重ねたい。そう、私は解放されたかった。パパの服を適当に投げ捨てる。自分の服も程よく投げ捨てる。ルームフレグランスを投げ捨てて、リファのドライヤーも投げ捨てる。
2024年1月24日 21:40
消えたくなる過去の思い出に襲われて耐え切れず脳内のゴミ処理場に向かって飛び降りて不燃物混入防止のバリアに激突してばらばらに散らばって万策尽きたまま横たわってほろ苦い風がすべてさらってしまって記憶は息を引き取って何もかも消え失せてしまったよ