1番目アタール、アタール・プリジオス(21)視えるもの
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全身の震えがようやく収まってきた。
床にうつ伏して、あまりの眼の痛みに思わず知らず打ち付けていた額は切れて、血が床の木目に滴り落ちる。
胃液だろうか。
口に苦味があり、透明な水っぽいものを嘔吐した跡もある。
それをぼんやりと見つめながら、アリエルは肘を付いた状態で胸を上げ、顔をゆっくりともたげた。
「…アーリェ?」
目の前に、パルムの大きな身体を支える膝があり、心配そうな声で彼の名を呼ぶ。そっと肩に添えられた肉厚な手のひらの感触は柔らかく暖かかった。まだ震えて覚