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コラム(音楽や生活など)

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音楽コラムや暮らし、人生、社会課題などについてのコラムを書いています。
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#人種差別

「ブルースだってただの唄」最近読んだ本

「ブルースだってただの唄」最近読んだ本

今にして思えば完全に偏見でしかないのだけど、初めてアメリカ南部(ジョージア州とテネシー州)に行くまで、私はアフリカ系アメリカ人の方々を特別視していた。

ラップや映画を嗜む過程で、アフリカ系アメリカ人は自らの権利を取り戻すために高い意識や強い言葉を持っているのが普通、みたいな先入観ができあがっていたんだと思う。たとえばそれは、黒人はみんなラップやダンスが好きとか運動神経がいいとか陽気だとか、そうい

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Mさん(女性・21歳・都内在住)の話

Mさん(女性・21歳・都内在住)の話

「もちろんいじめられたこともありますよ、ハーフだってことで。

父がガーナ人で、お母さんは日本人。だけど私は父のこと超嫌いで、親だと思ったこともないです。普通に嫌なヤツなんですよ。

父がお母さんと出会ったときにはガーナ人だってこと隠してフランスから来たって言ってたらしくて、結婚する手続きの過程で判明したって聞いてます。

やっぱり、当時は親族からすごく反対されたみたいです。黒人の子を産むなんて、

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ハーレムで出会った、とある黒人起業家兄弟のお話

ハーレムで出会った、とある黒人起業家兄弟のお話

駒草出版のwebマガジン「ブラックカルチャーを探して」に寄稿しました。
NYCで出会ったアフリカン・アメリカンの起業家兄弟のことを書いています。

おまけでマンガもついてるので、ぜひご覧になってみてください。よかったらシェアしていただけると嬉しいです。

あの日から2ヶ月が経って

あの日から2ヶ月が経って

ミネソタ州ミネアポリスでジョージ・フロイド氏が警官に殺害された事件から、今日で2ヶ月が経った。

ニューヨークでは抗議運動を目にすることも減ったけど、依然として多くの人が「Black Lives Matter」や「Black Power」、「I Can't Breathe」とプリントされたTシャツを着て街を歩いている。

2ヶ月前の光景を見て考えていたこと2020年5月29日、フロイド氏の死から4

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ゲット・オン・ザ・バス 〜バスの中の社会

ゲット・オン・ザ・バス 〜バスの中の社会

ニューヨーク市バスについてニューヨーク市のバスはロックダウン後から現在に至るまで無料で開放されている。地下鉄が夜間運休を決めた一方でバスは変わらず24時間運行しており、人々に重宝されているのはその混雑具合からもよくわかる。

ロックダウン以前は前方のドアから乗車し、そこで料金を払うしくみになっていた。で、降車のときにはバスの中腹にあるドアから降りる。

しかし今は運転手のソーシャルディスタンスを確

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「モラルがない」と断じる前に

「モラルがない」と断じる前に

5月25日、ミネソタ州のミネアポリスで黒人男性ジョージ・フロイド氏が白人警官に8分以上もの間、首を膝で制圧されて呼吸ができず殺害される事件が起きた。

事件の動画は瞬く間に拡散され、各地で抗議のデモが起きた。ミネアポリスを発端に、わずか数日の間にデモは暴動や略奪に発展し、全米各地に広がりつつある。

私が見に行ったブルックリンのバークレーセンターでは200人ほどが逮捕されたらしい。

日本でも

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