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病と恋愛事情

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あらすじ:統合失調症という心の病を患ってしまった主人公。幼馴染の麻沙美とは40代になった今も交流はある。ちなみに、麻沙美には子どもがいて、シングルマザー。コンビニの店長をしている… もっと読む
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#小説

病と恋愛事情 一話 心の傷

病と恋愛事情 一話 心の傷

俺は北海道の田舎町のコンビニであくせく働いている。一応、店長という肩書はあるが俺はある病に侵されている。今日も母親と口論になった。#小説 #病と恋愛事情 #心の傷 #趣味 #公募 #怠け者 #働かざる者食うべからず

      第一章

        一

 今日も俺はあくせくと必死に働いている。

 いろんな客がいて、昼間から酔った勢いで商品の文句を言ってくるやつもいれば、万

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病と恋愛事情 二話 精神科受診

病と恋愛事情 二話 精神科受診

 七年前の出来事。俺は町立病院を受診した。不眠症と診断を受けた。医者からは一度、精神科を受診することを勧められた。#小説 #病と恋愛事情 #疲労困憊 #不眠症 #精神科 #聞こえる #被害妄想 #未知の世界

 今から七年前――

 俺は、コンビニの仕事を疲労困憊した状態で十八時に終えた。

 一人暮らしの俺には三十四歳になるというのに彼女もいない。両親は健在だけれど、離れたところに住んでいるし、

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病と恋愛事情 三話 診断結果

病と恋愛事情 三話 診断結果

初診の俺。かなり、待たされた。でも、診てくれた医師は低姿勢で好感が持てたので文句は言わないことにした。そして、症状を伝えると病名が言い渡された。#小説 #病と恋愛事情 #統合失調症 #診断結果 #死にたい

 結局、夕方まで待って、何度も受付の職員や外来の看護師にいつまで待たせるんだというような文句は言ったけど、結局この時間まで待たされたということは、なんの効果もなかったということだと思う。

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病と恋愛事情 四話 友人と子ども

病と恋愛事情 四話 友人と子ども

 高校時代から仲良くしている友人が子どもをつれて俺の家に遊びにくる。でも、本音はかなり疲れているから今度にしてほしかったが。#小説 #病と恋愛事情 #友人と子ども #父親のような存在

                 二

 俺は高校時代から仲良くしている友人がいる。そいつからこの前連絡があり、予定では確か今夜遊びにくると言っていた。と、そのとき携帯がうなりをあげた。

『もしもし、麻沙美?』

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病と恋愛事情 五話 俺の読者

病と恋愛事情 五話 俺の読者

俺は体調がいいので、麻沙美に女を紹介してもらおうかと考えていた。そして、俺の家に麻沙美とさくらちゃんが遊びにきた。さくらちゃんは家に上がるなり、俺の書いた小説が読みたいと言ってきた。#小説 #病と恋愛事情 #俺の読者 #感動 #思春期

 最近の俺は、割と体調がいい。女性の人脈の広い麻沙美に誰か紹介してもらおうかな。そんなことを密かに考えていた。

 今になって気付いたが、俺の夕食以外、冷蔵庫に缶

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病と恋愛事情 六話 不安

病と恋愛事情 六話 不安

俺は麻沙美とさくらちゃんが帰った後、小説を書いた。その後、布団に入るが一向に寝付けない。不安に駆られた俺は友人の勝(まさる)にメールをした。 #小説 #病と恋愛事情 #不安 #執筆 #眠れない  

                三

 昨夜、麻沙美とさくらちゃんが帰ったのはたしか、二十四時すぎだったろうか。いつもより遅い時間に帰った。

あれから、さくらちゃんは機嫌をなおしてくれて、三人で仲良く

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病と恋愛事情 十話 生きづらさ

病と恋愛事情 十話 生きづらさ

今日は休み。小説を書こうと思う。将来のために。書こうとしたとき、兄貴から電話がきた。内容は俺が慕っていた親戚のおじさんが亡くなってすでに葬儀も終わったあとだという。複雑な気持ちになった俺は、こみあげてくる悲しみを抑えきれず怒鳴りちらした。#病と恋愛事情 #小説 #生きづらさ #兄貴からの連絡 #親戚のおじさん #怒鳴り散らす #幻聴

 今日は火曜日で休日だ。俺は多少の変動はあるものの、火曜日と金

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病と恋愛事情 十三話 連絡

病と恋愛事情 十三話 連絡

出会い系サイトで知り合った早川美津紀とはメールを交換して会話ははずんだものの、電話番号はまだ教えてくれない。小説を書こうと思い、パソコンを立ち上げたけれど、書く気になれなかった。なので、麻沙美に連絡した。#病と恋愛事情 #連絡 #小説 #note

 早川美津紀という出会い系サイトで知り合った女とは仲良くなってきた。

あまりにも上手くいき過ぎていて、ちょっと怖いくらいだった。

今日、俺は仕事は

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病と恋愛事情 十四話 意外な話

病と恋愛事情 十四話 意外な話

これから麻沙美が一人でやって来る。その間、小説を書くことにした。約三十分集中して書いた。その時、家のチャイムがなった。玄関に行ってみると、彼女の声がした。寒い中来てくれた麻沙美を急いで家に入れストーブにあたるよう促す。彼女の話しからは意外な言葉が……。#病と恋愛事情 #十四話意外な話 #note #小説

 今は午後1時半過ぎと俺のスマホには刻まれていた。もうすぐ、麻沙美が一人で来るはずだ。最近で

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病と恋愛事情 十五話 彼女との時間

病と恋愛事情 十五話 彼女との時間

俺は、付き合い始めた麻沙美を初めて抱いた。情事の後の彼女からの感想も悪くなかった。麻沙美を自宅へ送りながら会話をした。戻ったら執筆するということも。心境の変化はあると思う。#病と恋愛事情 #十五話彼女との時間 #小説 #情事

 麻沙美との交際をスタートさせた俺はその夜、彼女を抱いた。もちろん同意の上で。
 時刻は10時を過ぎていた。麻沙美は俺との情事が終わった後、こう言った。
「なかなか上手じゃ

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病と恋愛事情 十六話 粘り

病と恋愛事情 十六話 粘り

今日は受診日。驚いたことに茶色く髪の長い女はここに通院しているようで、奇跡的に出くわした。交際中の麻沙美がいるのに、なぜここまで気になるのかが不思議……。#病と恋愛事情 #十六話粘り #小説 #電子書籍

 今は、平麻沙美と付き合っているが、一時は夢に出てきた茶色い髪の長い女、に惹かれていた。それも正夢だったという。そんなことあるのか、と思ったがどうやらあるようだ。

 俺は今、病院にいる。定期の

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病と恋愛事情 十七話 驚き

病と恋愛事情 十七話 驚き

俺は仕事が終わってからまっすぐ麻沙美の住んでいるアパートに向かった。到着してからすぐに車の音で気付いたのか、さくらちゃんが出てきた。
#病と恋愛事情 #十七話驚き #小説 #電子書籍

 今日の仕事を終えて、まっすぐ麻沙美の家に向かった。前もって行くことは約束してあった。時刻は午後六時過ぎ。車内のカーナビにそう表示されている。約十五分後。俺は麻沙美の住んでいるアパートに着いた。この辺は住宅街だけ

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病と恋愛事情 十八話 カラオケ店にて

病と恋愛事情 十八話 カラオケ店にて

三人で車に乗った時、助手席に麻沙美が座った。さくらちゃんに隠れて麻沙美の手を握ると柔らかい。でも、あっけなくさくらちゃんにバレてしまった。#病と恋愛事情 #十八話カラオケ店にて #小説

 助手席に麻沙美が乗り、後部座席にさくらちゃんが乗った。

さくらちゃんに気付かれないように、俺は麻沙美の手を握った。凄く柔らかくて温かい。

麻沙美は微笑みながらこちらを見た。俺もそれに応えるように笑顔になった

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病と恋愛事情 十九話 見舞い

病と恋愛事情 十九話 見舞い

麻沙美から突然仕事中に電話がかかってきた。どうやらさくらちゃんが事故に巻き込まれて救急車で市立病院に搬送されたようだった。#病と恋愛事情 #十九話見舞い #小説 #note

 今、俺は仕事中。だけど、麻沙美から電話がきた。

「もしもし」
事務所にいたのでタイミングがよかった。これがレジうちをしていたらでれなかった。
『晃! さくらが事故に巻き込まれた……』
「え! マジか。今どこにいるんだよ!

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