8月_コンサート招聘補助

企画が始まるまで② / 村の歴史との出会い

ブログより転載

福井に来る前、私は東京でコンサートホールの企画運営の仕事をしていました。

年間120本以上の公演で、ひたすらチケットをもぎる日々。もっと顔の見える関係のなかで、文化やコンサート企画に関わる仕事がしたい。お世話になった人たちから受け継いだ文化や、感動した思い出を、昔の友人たちやその子どもたちにも広めていきたい。そう考えて、地元の福井に戻ろうと決意を固めました。

地域おこし協力隊として、近所のじいちゃん、ばあちゃんに色々な話を伺うことを日課にしていました。

車がなかった時代の山暮らしの思い出。苦労から生まれる知恵。その中で見えてきたのは、雪深い山暮らしの中で退屈しないよう、囲炉裏を囲んで家族みんなで作るわらじやかきもち、集落みんなで楽しむ学芸祭から、近所の仲良し同士で寄り集うお茶会まで、みんなで文化を楽しむ時間の流れる歴史でした。

話を伺う中で、御年80、90を超えるじいちゃん、ばあちゃんからちらほら聞いたのは、「若い時はわざわざ山を降りてでも色んなコンサートやら喫茶やらに出かけたけど、年取ってからは夜眠とうなるし、疲れるし、もう行けん」という声でした。

人口が今の3倍、4倍もあった時代には、久々に会える村の人の顔を見るのも楽しみだったはずの寄合いや村の行事は、いま、人口が減ってからは運営に関われる人も限られてきて、負担にさえ感じられることも増えています。しだいに出かけることもおっくうになり、特別声をかけられない限りは家にいる、というじいちゃん、ばあちゃんも。

久々に会う人たちとただ楽しくおしゃべりする。新しい出会いを喜ぶ。そんな文化的な時間が、いまここに求められているように感じたのでした。

続きます。

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