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日本のサポーター論の入口

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サポーターとは誰で何をしている人たちなのか。日本固有の文化とサッカーが融合して生まれたサポーターカルチャーを文章化した。日本のサポーター論の入口を紹介する。
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#サッカー観戦

ゴール裏のコール・歌声+全体の歓声・声援がアウェイの圧力の正体というお話です。

ゴール裏のコール・歌声+全体の歓声・声援がアウェイの圧力の正体というお話です。

J1で首位を走っていたFC東京がアウェイ8連戦に苦戦しています。皆さんはアウェイ遠征を好きですか?好きな人が多いみたいです。そんなタイムリーはアウェイのお話です。
(アンケート調査の回答者は253名のサポーター)

アウェイの圧力って何だろう?音量?まず思い浮かぶのが声による圧力。実際に音量を測定した音のプロのブログによると味の素スタジアムの音響は、ピッチの中にいる選手たちに向けられるように設計さ

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「自国優先主義」の時代、サッカーファンが対立緩和に役立つ6つの理由。

「自国優先主義」の時代、サッカーファンが対立緩和に役立つ6つの理由。

グローバル主義を拒否し自国の利益のみを追求するという考えが世界中で拡大している。欧州では反移民を主張する急進的な右派政党が急速に支持を伸ばしている。日本国内でも様々な軋轢が生じ、無用な対立が緊張感を高めている。人種や民族に対する差別も露呈している。いまだに、グローバルスタンダードとなった人権の考え方とは大きく乖離する発言をする人が日本には多数いる。そして、そんな発言を支持する人が顕在化している。

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“サッカーを盛り上げる三要素”とは誤審・退場・そしてアレ。

“サッカーを盛り上げる三要素”とは誤審・退場・そしてアレ。

サポーターは「熱狂的にクラブを支える。「選手に盛り上げてもらうのではなく、サポーターが盛り上げるのだ。」という考え方は、もちろん尊重されるものなのだが、とはいえ、サッカーそのものに魅力がなければ試合は盛り上がらない。サポーターの心理も意識しながら、サッカーを盛り上げる要素とは何なのかを考えてみた。「素晴らしいプレー」「ライバルとの対戦」「優勝がかかるシチュエーション」など盛り上げる要素はたくさんあ

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新しい価値を作っているサポーター・イメージランキング 1位は川崎フロンターレ、2位はV・ファーレン長崎。

新しい価値を作っているサポーター・イメージランキング 1位は川崎フロンターレ、2位はV・ファーレン長崎。

前回に紹介した「新しい価値を作っているクラブ・イメージランキング1位は川崎フロンターレ。」では大きな反響をいただきました。ありがとうございます。今回は同時にアンケート調査を実施したサポーターに関するイメージの集計結果をおしらせします。アンケート調査の実施方法、集計方法については前回のnoteをご参照ください。

新しい価値を作っているサポーター・イメージランキング
1位は川崎フロンターレ。最も新し

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新しい価値を作っているクラブ・イメージランキング
1位は川崎フロンターレ。

新しい価値を作っているクラブ・イメージランキング 1位は川崎フロンターレ。

Jリーグサポーターはクラブの提供価値(ブランド)について、どのように感じているか、そのイメージをJ1クラブのブランドイメージについてアンケート調査で明らかにした。今回はランキング形式で紹介する。

自分が応援しているクラブは新しい価値を作っていくクラブに感じる。ランキングを紹介する前に明らかになったのは「自分が応援しているクラブは新しい価値を作っていくクラブに感じる」ということ。クラブと日常的に情

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ブーイングのルーツから解る「ブーイングは意思表示手段」。ブーイングのルーツは音楽会だった。

ブーイングのルーツから解る「ブーイングは意思表示手段」。ブーイングのルーツは音楽会だった。

ブーイングはJリーグのスタジアムにはつきものだ。しかし、一方でブーイングに嫌悪感を抱くサポーターも多い。「ブーイングに気分を害した」「果たして本当にブーイングで選手が奮い立ったことがあっただろうか?」などなど。

応援の手法として「ブーイングの効果」を強く意識しているサポーターは少数派。アンケート調査結果が2016年に出ている。「ブーイングは不満など意思表示」と回答したサポーターは71%。「ブーイ

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浦和サポーターは、なぜ復興LIVEが終わる前に応援パフォーマンスを開始したのか(一つのフラストレーションの検証)。

浦和サポーターは、なぜ復興LIVEが終わる前に応援パフォーマンスを開始したのか(一つのフラストレーションの検証)。

Yahoo! Newsでも報じられたが、2018年10月7日、ベガルタ仙台のホームゲーム仙台-浦和戦の試合前に「復興LIVE」として行われた塩竈市立第一中学校 吹奏楽部と日本フィルハーモニー交響楽団の合同演奏の途中で浦和レッズサポーターが応援パフォーマンスを開始し、浦和レッズサポーターは批判を浴びている。

今回は、なぜ、浦和レッズサポーターが応援パフォーマンスを開始しようという心理になったのかを

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中学校吹奏楽部演奏中に浦和サポーターが応援パフォーマンス。浦和レッズにプラスになったことはあるのか(アンケート調査結果)。

中学校吹奏楽部演奏中に浦和サポーターが応援パフォーマンス。浦和レッズにプラスになったことはあるのか(アンケート調査結果)。

2018年10月7日、ベガルタ仙台のホームゲーム仙台-浦和戦の試合前に「復興LIVE」として塩竈市立第一中学校 吹奏楽部と日本フィルハーモニー交響楽団の合同演奏が行われた。演奏開始予定時刻より遅れて「復興LIVE」は開始された(選手の練習開始予定時刻よりも前だが、選手の練習開始の直前の時間帯)。演奏の途中で浦和レッズサポーターが応援パフォーマンスを開始し、仙台サポーターから批判を浴びることになった

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選手個人を目当てにスタジアムへ足を運ぶ。それは日本では普通の動機。

選手個人を目当てにスタジアムへ足を運ぶ。それは日本では普通の動機。

欧州のスタジアム内で選手個人の横断幕を目にすることは少なく、Jリーグのように試合中に個人チャントが連続して歌われることも少ない。日本では選手個人の横断幕が掲出され、サポーターは個人コールを多用する。選手の移籍に伴って応援するクラブを変更するサポーターも存在する。欧州とは異なる応援方法は、Jリーグスタート時から、たびたび論争の材料とされてきた。選手個人を応援するファンを「個人サポ」「選手サポ」と呼ぶ

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