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アイスランド旅行記2 首都からすぐの大自然 ゴールデンサークル

アイスランドの広さは北海道ほど、人口は30万人強で、その8割が首都のレイキャビクに住んでいます。
レイキャビクの中心地から20分ほどドライブすれば、もう大自然です。

ですが、前回の記事でもお話ししたのですが、他の国から来た人にとって、真冬のアイスランドの運転は非常に厳しいです。
現地の人からすると、事故やトラブルのもとになるのでやめてほしいそうです。
そのぶん、アイスランドには観光バスツアーがたくさんあります。

観光ツアーに参加するのがあまり好きではない方もいらっしゃるかもしれませんが、アイスランドの場合、観光ツアーで観光をすることで、正しく自然を守ることができるというメリットもあります。
例えば、火山だらけのアイスランドは溶岩だらけで、溶岩にはたくさんの苔が生えています。ですが、この苔は一度踏まれてしまうと回復するのにとても時間がかかるので、できるだけ踏んではいけません。完全に成長するまで100年かかると言われています。

この黒と緑の組み合わせがアイスランドの景観のイメージです。

そのため、人が踏んで良いトレイルはあらかじめ整備されています。
自分で探検するのもとても楽しいですが、自然保護のためにも、地元の人のためにも、用意された観光地を楽しむことがアイスランドでは謙虚で礼儀正しい観光客の振る舞いのように感じられました。
観光ツアーでも、むしろガイドさん無しでは到底辿り着けないワイルドな大自然もあるので、いつも大満足です。

夏場であれば、もちろん自分でドライブをすることができます。
ご自身のペースでアイスランドを巡りたい場合は、夏がおすすめです!
嘘みたいに美しい景色がいっぱいで、とっても楽しいです。

初めてアイスランドに行った時や、初めてアイスランドに行く人と一緒の時は、一番定番の「ゴールデンサークル」と呼ばれる、レイキャビクから比較的近い、3つの自然スポットを巡るツアーに必ず行きます。
気軽ながらワイルドな自然に触れられるので、何度行っても飽きません。
今日は、ゴールデンサークルについて、ちょっとした豆知識も交えながら紹介します。


① 黄金の滝 グトルフォス
一つ目は、黄金の滝、という意味のグトルフォス(Gullfoss)です。
夏と冬では全く違う景色を見ることができます。
晴れた日には、とっても鮮やかな虹を見ることができます。

春のグトルフォス。雪解けの季節の滝が一番お水がきれいです。左にちょっと虹


夏。写真では分かりづらいですが、嘘みたいにきれいな虹が目の前にかかりました。

真冬は歩くのも困難なくらい寒くて吹雪いていることもあるのですが、それはそれで荘厳な景色です。

20世紀初頭に水量の多いグトルフォスを利用した水力発電を作る計画が、アイスランド人ではない投資家によって提案されましたが、あるアイスランド人の女性による反対活動が報われ、計画が白紙になったという歴史もあります。
以前の記事でも言及しましたが、今ではアイスランドの電力はほぼ100%地熱発電です。
(ちなみに地熱発電のための機械を提供しているのは日本の企業です)
アイスランドの人たちの自然に対する意識はとてもパワフルです。

② ゲイシル
英語では「ガイザー」と呼ばれていますが、語源は実はアイスランド語のゲイシル(geysir)です。(“ゲイシール”と表記されることもありますが、現地の人の発音はゲイシルに近いような気がします。)

アイスランドの有名なゲイシルは、20mから40mの高さまで噴き上がるとっても大きな間欠泉です。10分に1度ほどの頻度で噴出するので、少し待っていれば必ず見ることができます。

透明で綺麗な泉のまわりでじっと待っていると、急にスーっと水が引き、それからグググっと水がドーム状に膨らんで、ドーンという音とともに噴き上がります。

この間欠泉のあるエリアには、とても熱い温泉水がグツグツと湧いているスポットが点在していて、とても不思議な景観です。

少し見えづらい写真ですが、噴水の直前の水の色がとても印象的でした


③ シンクヴェトリル国立公園
アイスランドは、「ホットスポット」と呼ばれる、大陸のプレートの境界(ギャオ)のうち、地面が生まれるタイプのプレート境界があります。アイスランドの他には、ハワイがホットスポットです。
日本は反対に、地面が沈んでゆくタイプのプレート境界です。

このプレート境界のあるシンクヴェトリル(Þingvellir)国立公園は、「議会の場所」という意味の名前で、9世紀にノルウェーから移動してきたばかりの人たちの政治の場だった歴史的にも重要な場所です。
断崖絶壁の前でリーダーたちがスピーチをしていたそうです。

寒々しく見えますが、景観が開けていてとっても気持ちの良い場所です!

この公園の中を歩いていると、いつも元気になるような気がします。
アイスランドが常に幸福度ランキング上位で、日本の幸福度が低いことと、地面が生まれる場所なのか沈んでいく場所なのか、というのは関係しているのかも…?と思わされます。

私は体験したことがないのですが、この公園内にはとっても透明度の高い泉があり、シュノーケリングをすることができるそうです!

ゴールデンサークルは、とても地球らしさを感じることができるタイプの雄大な自然という印象です。
一方、アイスランド北部には、「火星みたい」と表現されるほど、どちらかというと「ここは地球なのかな?」と思わされる景観が広がっている場所があります。北アイスランドについても、近々投稿したいと思います!


ゴールデンサークルツアーでは、寄り道もできます。
私のお気に入りの一つは、毛糸屋さんです。

安めで質の良い毛糸がいっぱい。編み物好きの人にはとってもおすすめです!

ロピセーターという、首元から肩にかけて丸くパターンが広がっているセーターは、ここ何年か日本でも流行していて、北欧やノルディックセーターとして紹介されることもありますが、アイスランドの伝統デザインです。アイスランド語では「ロパペイサ」と呼ばれていて、「ロピ」と呼ばれる毛糸を使って編まれます。
肩がとっても温かくて、アイスランドの人たち、特に農家さんたちは、防寒着として使っています。

半袖バージョンもあります。これはアイスランドのフリーマーケットで2000円くらいで購入して、とてもお気に入りです。写真の場所はシンクヴェトリル公園です。

アイスランドが2008年に金融危機に直面した時には、おばあちゃんたちの手仕事で少しでも収入が得られるように、手作りのロピセーターを販売できるお店もできました。
今でも、観光客である私たちも、アイスランドのおばあちゃんが作った手編みのロピセーターを購入することができます。

もう一つ、私のお気に入りの寄り道は、湖に面した小さな温泉施設です。

湖にも入れるので、温泉やサウナと冷たい湖を行ったり来たりすることができます。

この温泉施設では、1日に一度、アイスランドの伝統的なライ麦パンの体験があります。
伝統的な作り方は、バケツに材料を入れて、一晩地中に埋めて蒸し焼きにするという方法です。

火山地帯の地面の中は熱いので、天然のオーブンになります。
温泉のすぐそばにある湖から釣れたサーモンと一緒にいただくことができます。実はアイスランドへ通っていた当初はヴィーガンやベジタリアンだったのですが、アイスランドではサーモンを食べていました。
本当に美味しかったです。


アイスランドは島全体が火山だらけなので、そのぶん温泉もたくさんあります。
次回はアイスランドで一番有名で、世界一大きな温泉「ブルーラグーン」についてお話しししたいと思います!

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