感染予防

今だから知りたい!! -感染予防-

昨年、2019年12月以降、中国湖北省武漢市に居住する者を中心に新型コロナウイルス(Novel CoronaVirus=nCoV)の患者が断続的に報告され、今年日本国内において、厚生労働省は今月16日、中国の湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルス(nCoV)による肺炎発症の国内初患者を確認したことを発表しました。ニュースなどで取り上げられていて皆さんもご存じだと思いますので詳しい発症経緯などは省略しますね。

でも、ニュースを聞いて不安になった人は多いはず。

「ほんとに大丈夫?」

「感染したらどうしよう…」

「新型コロナウイルスって何?」など…

病気などにより不安を感じる人のためにいるのが医療従事者。看護師として皆さんの不安が少しでも軽減できるよう、今回はウイルスに対する感染対策についてちょっと真面目に記事を書いていこうかと思います!!

読んでみて、ためになったら是非拡散してください!

まずは、簡単に感染症についてお勉強しましょう。感染症ってこんな物なんだな…って程度で認識してくれればOKです。

=感染症の基本=

>感染症とは…

何らかの病原体(=病気を起こす小さな生物”微生物”)が、身体の体に侵入・増殖し、咳や発熱、下痢や嘔吐などの症状が出る病気のことを言います。微生物とは、細菌やウイルスなど、ごく小さな生物のことです。微生物はどこにでも存在しており、その数は想像できないほど多いのですが、人間の体内に侵入して増殖し感染症を引き起こすものは、数千種類ある微生物のうちの比較的少数に限られています。

病原体はその種類や構造によって、細菌ウイルス真菌寄生虫などに分類され、病原体が身体に侵入しても、症状が現れる場合と現れない場合とがあり、感染症になるか?どうかは、病原体の感染力と身体の抵抗力(免疫)が影響します。

《感染経路は大きく分けて2種類(垂直感染・水平感染)あるんです!》

垂直感染

妊娠中あるいは出産の際に赤ちゃんに感染してしまう”母子感染”といわれるもの。(風疹やトキソプラズマ、B型肝炎など)

水平感染

感染源(人や物)から周囲に広がるもので、接触感染飛沫感染空気感染媒介物感染の4つに大きく分類することができる。

細菌やウイルスなどの大きさの違いは下の図を参照してね。エクセルで作成した簡易的なものなのでちょっと雑ですが…(笑)

画像1

画像2

図からわかるように、ウイルスや細菌は人の細胞より小さく目には見えないものです。寄生虫の中には目に見えるものもありますが、基本的に病原体は目に見えないのもだから、見えないものに対する恐怖心がより一層不安をかきたてる要因になるのだと思います。だからこそ、自分の身を守る手段を学んで頂けたら幸いです。

「マスクさえしていれば大丈夫でしょ?」

と考えている人も中にはいらっしゃいますか?予防対策として何もしないよりはマスクを着用することも対策の一つとなるでしょう。でも…

画像3

一般的な市販のマスクはおおよそですが5㎛ほどの穴が開いています。その穴と細菌やウイルスの大きさを比較すると上の図のような感じです。花粉の大きさは約30㎛。マスクは花粉対策には効果抜群かもしれませんが、相手が病原体となると話しは別。最後までお読み頂き、感染予防のポイントをつかんでくださいね!

>細菌とウイルスについて

病原体には大きく分けて4つの分類に分別されることを述べましたが、全部についてお教えしたいのですが、ここでは細菌とウイルスについて述べていきます。

細菌とは…

目で見ることができない微生物で、一つの細胞しかないので単細胞生物とも呼ばれています。栄養源さえあれば自分と同じ細菌を自分で作ること(複製:教科書などで見かけたことがあると思いますが”細胞分裂”という増え方で増殖)ができます。人の身体に侵入して感染症を起こす有害な細菌もいますが、人の生活に有用に働く細菌(納豆菌など)も存在します。人の身体には多くの種類の細菌がいて、皮膚の働きや腸内環境を保つ働きを担う良い細菌もいるのです。人に害をもたらすものとしては、大腸菌、黄色ブドウ球菌、結核菌などがあげられます。

ウイルスとは…

細菌よりも小さく(およそ50分の1)自分で細胞を持っていません。ウイルスには細胞がないので、人や動物など他の細胞に入り込んで生きていきます。細胞を持たないウイルスは細胞をもつほかの生物に侵入し、自分のコピーを作らせて細胞が破裂してたくさんのウイルスが飛び出し、ほかの細胞に入りこみます。つまり”細胞分裂できない”ウイルスは他の細胞を利用して増殖していきます。人に害をもたらすウイルスとして、インフルエンザウイルス、ノロウイルスなどが知られています。風邪はさまざまなウイルスが原因となります。

お薬が効くのはどっち?

細菌もウイルスも人の身体に侵入し病気を発症させてしまいます。病院を受診すればお医者さんからお薬が処方され内服治療により病気を治していきますよね?抗生物質(抗菌剤)を服用することで細菌もウイルスもやっつけていると思っている人も多いはず。

でも実際は…抗生物質は「細菌」に対し効果を発揮します!

たくさんの抗生物質(抗菌薬)がありますが、そのお薬りの働く仕組みは次の5つになります。

1.(細菌の)細胞壁の合成を阻害するもの

2.(細菌の)細胞膜の機能を阻害するもの

3.(細菌の)タンパク質の合成を阻害するもの

4.(細菌の)核酸の合成を阻害するもの

5.(細菌の)葉酸の合成を阻害するもの

つまり、抗生物質(抗菌薬)は細菌の構造や増殖仕組みのどこかを邪魔して効果を発揮します。先に述べたように、ウイルスは細胞を持っていません。細胞を持たないウイルスには細胞壁も細胞膜もありませんから1.2.は効果なし。3.4.5.タンパク質の合成、核酸の合成、葉酸の合成ともにウイルスは宿主の合成機能を利用するだけで抗生物質(抗菌薬)が標的とする合成機能を持っていないため抗生物質の効果はないという結論になります。

じゃぁ、ウイルスに対してはどうすればいいのでしょうか?

今のところ「ワクチン接種」による予防が効果的です。ワクチンをうつと、からだはその病原体に対して免疫を獲得します。そうすると、その病原体がからだに侵入しても、病気にならない、または病気になっても症状が軽くすむようになるのです。お薬で治療することはできませんがワクチンによる予防は可能。ということになりますね。だとすると、ウイルスに罹患してしまう前に、予防できるすべを知ることが最も効果的な回避方法だと思いませんか?ここからが大事ですよ~頑張って読んでくださいね~

スタンダード・プリコーション

毎日、病院で働くお医者さんや看護師さんは、どうやって感染症から身を守っているのか気になりませんか?

それは、CDC(米国疾病予防管理センター)が推奨しているスタンダード・プリコーション(標準予防措置策)を感染対策として取り入れているからなのです。スタンダード・プリコーションとは、米国で作成された院内感染予防策が基準となっています。感染の「ある」「なし」に関わらずすべての環境に対し「感染の可能性がある」と考え対処する方法です。

「あれ?ちょっと難しい話??」

いや、大丈夫です!ものすご~く簡単にお教えしますので。スタンダード・プリコーションをすべて学べなんて言いませんからご安心ください。毎日の生活の中で、感染の「ある」「なし」に関わらずすべての環境に対し「感染の可能性がある」と考え対処するなんて大変でしょ?感染から身を守るためにちょっとしたポイントを押さえてくれればいいんです!

そのために、感染対策の手法として以下のことを重点に理解していただけたらよいかと思います!

ここからが重要! -感染対策-

何にしても対策を講じるには敵を知ることからですね。かといって細菌やウイルスに関して詳細に学ぶのは専門家だけで十分。皆さんには感染から身を守るために、感染経路のおさらいと、感染対策の基本である3つのポイントを学んで頂きたいと思います。

おさらいしましょ!=感染経路=

【主な感染経路と特徴】

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まずは、感染が起こる可能性がある経路を確認しましょう。

《感染経路は大きく分けて2種類(垂直感染水平感染)あるんです!》

垂直感染は母子感染ともいい、一般的な通常生活においてはさほど関与しないのでもう一方の水平感染についておさらいします。

=水平感染=

<空気感染>

空気中を漂う微細な粒子(飛沫核)を吸い込むことにより感染します。空気中を浮遊し空気の流れによって広がっていきます。感染源を含んだ飛沫物が、時間経過とともに水分の蒸発により空気の流れに乗って飛散することも考えられます。※図《飛沫と飛沫核の違い》参照。

<飛沫感染>

咳やくしゃみで飛び散ったしぶき(飛沫)を吸い込むことにより感染します。約1㍍以内に床に落下し空気中を浮遊しません。

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<接触感染>

感染者(源)に直接接触して感染します。日常生活の中では様々なものに触れたりするため、頻度の高い感染経路という事になります。

<媒介物感染>※図の経口感染にあたります。

汚染された水、食品、血液、昆虫などを介して感染します。また、接触感染後、汚染された手を介し食事などをするなどして感染を引き起こすことから”経口感染”とも呼ばれています。接触感染同様、頻度は高いと言えます。

感染につながる【4つの経路】なんとなくわかりました?

次に、感染の3要素を押さえて感染症から身を守りましょう!!

とっても簡単!=感染回避術=

感染症が成立する(感染してしまうポイント)要素は3つ!

「感染源」

「感染経路」

「宿主」

その要素のどれかが欠けると感染症は成立しません!

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感染対策の基本①~③を押さえれば、感染源から身を守ることができます!

①「感染源」の排除

手洗いを徹底しましょう。流水のもとしっかりと泡立てた石鹸で手洗いをきちんと行う事が効果的です。流水で手を洗う手段のない場合、手指用アルコールなどで消毒するのもOKです!

②「感染経路」遮断

掃除など環境整備を行うことも大事。ほこりなどに付着し浮遊した感染源を吸い込まないように念入りにお掃除しましょう。また、感染が疑われる場合、交流を避けるなど、接触する機会を減らすことも対策になります。自分が感染症に罹患した場合、自身が媒介者とならないことも感染拡大防止対策として重要なポイントです。

③「宿主」の抵抗力UP

日頃から健康管理をしっかりと行い、免疫力を高めるよう意識しましょう。また、感染症に対する予防接種も非常に効果的です。免疫力に関する記事もあるのでよろしければご参照ください。

細菌やウイルスがどんなものなのか?どんな感じで感染が起こるのか?ざっとわかってもらえればいいかなぁ…。ちょっと真面目に書いてみたから長くなってしまい申し訳ありません(笑)

まとめ

コロナウイルスとは風邪などの呼吸器感染症を起こすウイルスのことです。ウイルスは基本的に治療方法がなく”予防”することが最善の対策だと思います。SARS(重症急性呼吸器症候群)やMERS(中東呼吸器症候群)もコロナウイルスの一種。中国湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスも結局はウイルスです。ウイルスに対する感染予防を意識して身を守ることが一番でしょう。感染経路と感染対策の基本”3つ”をしっかりと押さえ、生活の中で感染症に対する対策が取れるとイイですね!

いかがでしたか?だいぶ端折ってしまっているので、「ん?」と思うとこなどあればご連絡ください(笑)あくまで、看護師としての見解のみで記事にしています。

感染が疑われる場合、きちんとお医者さんに相談してくださいね!

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