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【エッセイ】鉄鍋蒸し焼き〜祇園豆(ぎおんまめ)〜[家庭料理](1192文字)

いつも里の駅で楽しくお喋りする生産者さんのお薦めの祇園豆を、鉄鍋蒸し焼きにしました。

鞘の形は、小ぶりのモロッコいんげんといった感じで、割合的に、モロッコいんげんよりも豆が大きく、目立ちます。

いつも楽しくお喋りする生産者さんによると、モロッコいんげんや三度豆(いんげん)と同じような食べ方で食べられ、大変美味しいそうです。

普通は売っていないとのことですが、大きく育った祇園豆を煮ると、これもまた、大変美味しいそうです。

買ってきた祇園豆は、いくつか大きめな穴が空いていて、活きの良い虫が入っていて、いつもなら、
「ぎぇ〜っ」
と思って、食欲が失せるところですが、あまりに、瑞々しくて、鞘や豆が硬く、しっかりしていて、美味しそうなので、食べるのが楽しみになりました。

さて、調理です。

鉄鍋の内側にオリーブオイルをたっぷり垂らして、へたを取った祇園豆2袋分を並べ、塩を振り、鉄鍋の蓋をしました。

鉄鍋を強火で熱してパチパチ音がしてきたら、弱火にして32分間、火にかけました。

モロッコいんげんや三度豆より豆が大きく、硬いので、加熱時間をちょっと長めにしてみました。

加熱している間、鉄鍋からはうんともすんとも聞こえてこないし、派手な匂いもしてこないので、焼けているかどうか、やや心配になりました。

火を止めて、5分間蒸らしてできあがり。

鉄鍋の蓋を開けたら、ちゃんと焼けていました。

しかも、すっかり濃い緑色に色が変わっていて、小さく、ぺらぺらになっていて、焼きすぎたかなという姿でした。

というわけで、盛り付け。

お味は。

とても美味しかったです!

焼き具合は、気になりませんでした。

思ったよりも、鞘や豆が、かっちりと仕上がっていました。

噛むと、オリーブオイルの浸った鞘が、ねろっとしていて、柔らかいけれど、輪郭のはっきりした食感で、鞘えんどうを食べる時のように鞘の味をとても美味しく感じていたところに、豆の香ばしい味が口の中に広がりました。

凄いコクと旨味でした(いつも楽しくお喋りする生産者さんとは別の生産者さんの商品で、この生産者さんの野菜はどれもコクと旨味が強めなので、これが一般的な祇園豆の味かどうかはわかりません)。

濃厚な味わいに、上品な香り。

豆は、真ん丸、形がしっかりしていて、こちらも輪郭のはっきりしている食感で、味は違いますが、硬めのグリーンピースを思わせる舌触りでした。

粒の小さいものは、香りの良いいんげん豆のようですが、粒の大きいものは、祇園豆ならではの、鞘えんどう・モロッコいんげん・三度豆のどれとも違う味と食感でした。

「コクがあるね!美味しい」
と言ったきり、夫は、黙々と食べて、あっという間に平らげてしまいました。

「美味しい、美味しい」
と私は繰り返しながら、ゆっくり味わいつつ食べました。

これはまた食べたいですね。

祇園豆の鉄鍋蒸し焼き、とても美味しかったです。

ありがとう、ごちそうさまでした!

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天野マユミ丨散文詩人丨文化財めぐりと素敵な日々
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