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麻疹(はしか)が話題です。

麻疹(はしか)が話題です。

麻疹は昔から流行病として日本でも知られていますが

基本的には日本で発生しているのは海外からの持ち込みによる感染例となっています。

ここで麻疹の原因となっているウイルスのご紹介。

Paramyxovirus科Morbillivirus属

そしてこのウイルス属の中には天然痘と同じく撲滅されているウイルスがあります。

以上のように麻疹はワクチンで防ぐことのできる感染症です。感染した記録等がなけ

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抗体のはなし。

抗体のはなし。

抗体、免疫グロブリン。体を守るタンパク質。

種類はいろいろあるが一番有名なのはIgG。抗体の代表選手。

抗体は異物を認識して結合して排除するように働きます。IgG抗体の形は"y"の字の形をしていて2本の手で異物をキャッチ。2本の手は"y"の字の頭。下の部分はFC部分と言ってこれもまた細胞に結合することが出来ます。

IgGには1から4までのサブクラスがある。"1"が一番多く"4"が数ないという

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ワクチンでウイルスをやっつける仕組み - 3

ワクチンでウイルスをやっつける仕組み - 3

1、2と予備知識ということでまとめてきましたが、ここからが本題のワクチンです。

ワクチンはこれらの免疫の力を人工的に、ほんとのウイルスが感染する前に準備しておこうという発想のもと行われているものです。

ワクチンを投与して本当の病気になってしまうと大変なので病原性をなくしたものを投与して防御機能だけ事前につけておくことが大事です。

今現在、よく使われているのが、弱毒した感染性のあるウイルスを直

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ワクチンでウイルスをやっつける仕組み - 2

ワクチンでウイルスをやっつける仕組み - 2

B細胞とT細胞

体の中に入ってくる特定のウイルスを識別することが必要です。特定のものを識別する場合に問題点は多種多様なものに対してできないとこの機能を可能にするのが遺伝子再構成という仕組みです。

この仕組みが免疫機能の中に組み込まれある特定のウイルス、もっと言えばそのウイルスの一部分のタンパク質を認識できるようになります。

この機能(遺伝子再編成)はB細胞に、T細胞にあります。

B細胞では

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ワクチンでウイルスをやっつける仕組み-1

ワクチンでウイルスをやっつける仕組み-1

みんな病気にはなります。そして目には見えない細菌、ウイルスといった微生物と呼ばれるものに感染して病気になることがあります。

そこで登場したのが抗生物質と呼ばれる薬です。これは細菌の特効薬。細菌を死滅させることが出来て即効性、効果も大きいです。

細菌と違いウイルスで起こる感染症について特効薬と言われる薬は少なく自分の体で治すしかないものも多いです。

細菌とウイルスの違いについては大きさ、感染、

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mRNAって結局なに?

mRNAって結局なに?

DNAとRNA

ワクチンに使わらたりしているmRNAってのはいったいどういったものかを理解している人は少ないと思いますので簡単に説明してみようと思います。

そもそもRNAって何かということから始めないといけません。大きな項目として、RNAと対比されるものしてDNAというものがあります。これはよく知られていると思いますが、"遺伝子"の本体です。

大まかに整理すると、お父さん、お母さんから半分ず

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IgG、IgM、IgA、IgE・・・とは。

IgG、IgM、IgA、IgE・・・とは。

免疫といえば抗体が働いていろんなものから体を防御していると思っている人が多いのではないでしょうか。

抗体ですが、いろんな種類の抗体があるのを知っている人は少ないのではないでしょうか。しかも実は元は同じ細胞から産生されということなんです。

さらに、

主な働きですが、まずIgMは何か異物を発見した場合に最初にできる抗体です。特徴的な5量体という結合状態となっています。

そしてIgGです。一番有

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免疫とは。

免疫とは。

免疫とは・・・。疫を免れるということですね。疫とは、病気、わかりやすい言葉で言えば伝染病。今では感染症という言葉を使うようになっているのであまり聞かなくなりましたが、伝染病ということばがい一番しっくりくると思います。伝染するということはあるところから伝わってくる。病気は伝わってくるということです。

伝わってくる病気とは、今では細菌、ウイルスに代表される微生物によるものがほとんどです。

その病原

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世界エイズデー2023

世界エイズデー2023

12/1は世界エイズデーです。

AIDS(acquired immunodeficiency syndrome:後天性免疫不全症候群)はHIV(Human immunodeficiency virus)がによって引き起こされます’。

1988年にWHO(世界保健機関)が12月1日を”World AIDS Day”(世界エイズデー)と定め、エイズに関する啓発活動等の実施を提唱しました。 日本でも

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The Nobel Prize 2023

The Nobel Prize 2023

今年もノーベル賞の発表ですね。毎年功績のあった方を選ばれていますが、日本人が第一回の候補に上がっていたことを知らない方も多いと思うのでご紹介。

そして繋がる研究

日本の方が活躍されています。

微生物、感染症、免疫、遺伝子などは生命に関わる大事な分野です。解明が進めば、それを活用して人に有益になるものとして使えるようになります。

この分野が医学生理学賞という分野になります。この分野の日本人の

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話題のmRNAを考える。

話題のmRNAを考える。

新型コロナ感染症で一躍有名になったmRNAです。メッセンジャーRNAということで、言葉からは何かの伝令のイメージを想像するのではないでしょうか。

言葉通りにまさに伝令という仕事をやっているものとなります。

お仕事としては生物を構築する大切なタンパク質を作るための設計図を運ぶまさに伝令をやっているのです。

さて、タンパク質合成としてはセントラルドグマという言葉、概念があり

という流れで合成さ

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体を守る免疫のお話。

体を守る免疫のお話。

人間の体は、外部から侵入してくる病原菌やウイルスなど、あらゆる異物を排除する仕組みが備わっています。それが「免疫」という防御システムです。この免疫は、私たちが健康でいるために欠かすことのできない機能であり、非常に複雑な仕組みで成り立っています。

書き始めの言葉はAIアシスタンで書いてもらいました。その通りの文章ができています。すごいもんです。

では免疫のお話をわかりやすく書いていこうと思います

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DNA? RNA? タンパク質?

DNA? RNA? タンパク質?

タンパク質ってなんですかという問いには、人の体を作っているものだということができます。

あらゆる細胞はタンパク質でできています。人はタンパク質なくしては存在しません。

そのタンパク質ですがその構成要素はアミノ酸。アミノ酸がたくさん繋がって、いろんな形になって複雑なものになっています。

そのアミノ酸はどうやってその構成が決まっていくかというとDNAで決めているということになります。

これで、

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免疫とは。- 獲得免疫の認識機構

免疫とは。- 獲得免疫の認識機構

獲得免疫はリンパ球が主役です。リンパ球は白血球の一つで他の細胞ではみられない経路で成長し、成熟していきます。

免疫に関わるリンパ球。T細胞とB細胞。この2つの細胞が私たちの体を守ります。

両方とも骨髄で作られ、B細胞はそのまま骨髄で成熟していきますが、T細胞は胸腺で成熟していきます。

Bone marrow のB(B細胞)、Thymus のT(T細胞)です。

2つの細胞に共通なのはまだ見ぬ

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