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音楽評論 / 音楽エッセイ

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クラシック音楽からワールドミュージック、アンビエント・ミュージック、Lo-Fiミュージックから民族音楽~カンツォーネ、シャンソン、タンゴ、ファドetc. に至る音楽紹介、及び音楽… もっと読む
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記事一覧

山下達郎(Tatsuro Yamashita) - Loveland, Island Cover by T.Y.Kim

実はずっと待っていたTae Yoon Kimさんのカバー曲の更新。
やっぱり山下達郎で来たか!と言う感じで、特にこの作品は原作者の達郎よりも清々しく風通しが良い感じが私は好きです。

夏全開!と言うより、秋の始まりを思わせる新たな解釈がノスタルジックで美しいです。
どうしても原作者が演ると、どことなく暑っ苦しく鬱陶しくなって行くので、Taeさんの萌えネジを一個減らしたようなマイナス感は私のツボでし
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危うさと凶暴性の共存 - Coexistence of danger and ferocity

危うさと凶暴性の共存 - Coexistence of danger and ferocity

表面的にはこの二か月間以上、「世界の音楽」の新譜チェックとプレイリストの更新を止めていますが、水面下では色々と動きが活発で若干忙しくなっている私です。
 
私自身の音楽の今後を見据えている時期と重なるように、各方面のタレント系或いはパフォーマンス系の裏方からのアクセスも増えています。
ですが私は自身の創作活動を最優先している為、今後「裏方」の仕事に絡む気が全くないことを、一先ずここで公言しておきた

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音楽評論 "The Song Is You" - Rava, Enrico / Hersch, Fred

音楽評論 "The Song Is You" - Rava, Enrico / Hersch, Fred

昨年暮れから個人的な生活環境の変化で何かと忙しくなってしまい、暫くの期間音楽評論記事も書けていませんでした。
転居が挟まり自宅のパソコンではなく新居に持ち込んだノートパソコンで日々の作業をしている為、未だしっかりと音楽を聴ける環境が整備されていません。
 
今日はそんな日々の合間に一時的に旧宅に戻り、操作しやすいデスクトップで作業をしています。
新曲の構想を練ったりリハビリを兼ねて鍵盤に触れたり‥

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[音楽評論] NewJeans (뉴진스) - 'Attention'

[音楽評論] NewJeans (뉴진스) - 'Attention'

韓国から又、とんでもない女性グループがデビューした。
彼女たちは「NewJeans」。韓国人4人、ベトナム人1人の多国籍女性アイドルグループで、事務所である『ADOR』の後ろ盾にあの巨大事務所『HYBE』が聳え立つ。

一見ただのアイドルとしてお披露目されているが彼女等のパフォーマンス能力はかなり高く、ともすると背後の事務所『HYBE』から今年初春にデビューした先輩格の『LE SSERAFIM』の

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音楽から読み解く世界情勢 [2022.07.22] - 音楽世界の未来予知

音楽から読み解く世界情勢 [2022.07.22] - 音楽世界の未来予知

極力休むことのないように毎週末、私は世界の音楽の新譜チェックを継続しています(して来ました)‥。
ですがここ数か月間の傾向として世界中の多くの音楽に覇気が感じられず、尚且つ工夫もなく未来も希望もない音楽が乱立しているように見えます。
音楽がこれ程までにストレスに感じるのは、2011年の夏以来かもしれません。

過去に何度か私は、物書きで言うところの「断筆」のような時間を経験しています。色々な外圧に

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VIVIR SIN TI - PACO SINAY(音楽評論)

VIVIR SIN TI - PACO SINAY(音楽評論)

先週の「世界の音楽/新譜チェック」は、個人的なスケジュールと体調の事情で日程が完全にズレてしまいました。
しかも300曲近くをチェックした中で更新出来たのはたった10曲程度‥ と言う程、良曲がなかったことには又々ビックリでした。

https://open.spotify.com/playlist/2y4fGuv8WLAu5acASxBdmJ?si=6831d4f521e047c5

(今日も未だ

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K-Pop "Heize"と音楽のソコヂカラ

K-Pop "Heize"と音楽のソコヂカラ

以前から大好きでウォッチしていた韓国のシンガー・ソングライター "Heize" が、新曲『일로 (Undo)』をリリースした。
『일로 (Undo)』はシングル曲とアルバムタイトルの両方で更新され、特にシングル曲の『일로 (Undo)』は楽曲として秀逸と言っても過言ではないだろう。
 
タイトル『일로 (Undo)』は和訳すると、どうやら「なかったことに」と言うような意味になるようだ。
偶然アメブ

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Joe Barbieri, Fabrizio Bosso, Luca Bulgarelli, Sergio Cammariere, Tosca - TU, IO E DOMANI

収録時期が [2020/04/08] ⇦ と書かれてあるので、多分コロナ禍の初期に撮影(録音)されたもの。
ささやくようなカンツォーネは素敵。パワフルに歌われるものよりも、こういう音楽が今は心に沁みて来る。

丁度ブログとnoteに「シティー・ポップ」について帯で綴っている、その狭間の息抜き的な投稿にて。

イタリアものに触れると古傷が疼くと言うか、過去世の記憶が今も鮮明に蘇ります🇮🇹

山下達郎とシティー・ポップ [前編]

山下達郎とシティー・ポップ [前編]

2022年6月22日、かねてから大々的に告知されていた山下達郎のニューアルバム『SOFTLY』がリリースされた。
通常版は特典なしで3,300円から、特典付きになるとさらに価格が跳ね上がる。

勿論この人は昭和スタイルの販売ルートのみのアーティストなので、サブスクでのリリースは当然なし。なので当初私はこのアルバムを購入する予定だったが、紆余曲折を経て購入を取り止めた。
正直物理CDが手元にあっても

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音楽から読み解く世界情勢 [2022.06.25]

音楽から読み解く世界情勢 [2022.06.25]

関東地方はまさに雨季真っ盛りで、連日湿度が高く蒸し暑い日が続いている。個人的には色々な事が日々折り重なり、特に一昨日から昨日は気持ちが酷く滅入って落ち込んでいた。

世界はどこに向かって進んでいるのかと、日夜そのことばかりを思う。それはけっして良い方向とは言い難く、いつ、誰とはぐれてしまうか分からない不安は未明の悪夢を引き寄せる。
かなりの的中率で予感が現実になる今日この頃の私にとって、夢とは言え

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音楽から読み解く世界情勢 [2022.05.28]

音楽から読み解く世界情勢 [2022.05.28]

毎週末の新譜チェックが少し負担に感じていた5月半ば。考えてみれば「五月病」と言う言葉があるように、5月とはそういうシーズンだと言うことをふと思い出した。
そんなことならば少しだけ休息を挟みながらのんびりやろうかと思っていたが、どうやらそうも行かない状況だ。

恐らく今月のどこかで私は、日本国内では「大御所」と言われている「或る人」からTwitterのアカウントをブロックされたようだ(笑)。
そんな

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Kylie Minogue - "Can't Get You Out of My Head"

Kylie Minogue - "Can't Get You Out of My Head"

このところ個人的な事情で執筆がなかなか出来ない状況が続いているが、唯一SNSはTwitter、そして公式ブログの更新だけは出来る限り続けている状況だ。
ここ、noteは最近のSNS内の空気に違和感を感じている事の他、いわゆるSNS独特の「note民」のような抑圧から逃れたい感覚が強くなって来た為、今後の執筆の継続についても考えを改めるタイミングに差し掛かっているように思い始めている。

そんな日々

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「ラヴ・スコール (峰不二子のテーマ)」 と作詞者・槙小奈帆

「ラヴ・スコール (峰不二子のテーマ)」 と作詞者・槙小奈帆

このところ、80~90年代のCity Popsのカバー曲のサブスク配信が盛んだ。つい先日も何とも懐かしい今井優子の『真夜中のドア』のカバーを聴きながら、一人昭和の街並みを妄想しながらその世界観に歓喜したばかりだった。

思えば昭和の後期に、軒を連ねるように名曲のリリースが相次いだ。この作品『真夜中のドア』もその一曲だ。

そもそもこの作品をインドネシアの歌手 "Rainych" が2020年にカバ

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音楽から読み解く世界情勢 [2022.04.26]

音楽から読み解く世界情勢 [2022.04.26]

どこか緊迫感を高めながら世界中が一進一退する2022年、春。
地球はどこに向かって加速しているのか、それとも失速しているのか‥。数年前のシリアに続いて、再び瓦礫の国が増えて行く。

音楽は全てを物語る。
毎週末に世界中から配信されるあらゆるジャンルの新譜を追っていると、誰もが不安を抱えながらその場でフリーズしかけているように見える。
相変わらず今週も単曲での新譜が多く、次いでミニアルバム・スタイル

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