マガジンのカバー画像

長編自己啓発ギャグ小説

46
運営しているクリエイター

#仲間と続ける

夢を叶えた五人のサムライ成功小説【フライパンズ編】14(ラスト)

この作品は過去に書き上げた長編自己啓発成功ギャグ小説です。

そんなときだった。
たっくんが茂太の隣に近寄った。
『かっこいいわよ。その調子よ』

柴田と弘樹は一瞬、たっくんが何かをしでかすのではないかと不安に刈られたが、これもまた要らぬ心配だった。

一瞬だけ、たっくんを見て頷く。
茂太は心の中から、ありがとうを何度も送った。

インタビューは終始、スムーズに進み、無事に取材終了を迎えた。
出場

もっとみる

夢を叶えた五人のサムライ成功小説【フライパンズ編】7

この作品は過去に書き上げた長編自己啓発成功ギャグ小説です。

ここで食事をしよう。茂太くん、好きなものを注文しなさい。まゆ、君もいつものように』

テーブルを囲み、三人で食事をする。
煌びやかな店内の装飾品の数々、豪勢なメニュー、茂太はすべてが初めてでこのような贅沢な時間は過去にはありえなかった。

少し損をしていた自分自身に心を痛めた。
『茂太さん、やってみせてよ』
『何をですか?』
『決まって

もっとみる

夢を叶えた五人のサムライ成功小説【フライパンズ編】6

この作品は過去に書き上げた長編自己啓発成功ギャグ小説です。

数日後。
茂太は柴田と約束していた待ち合わせである書店通りと呼ばれる並木道でひとり佇んでいた。

半時間も早く到着した茂太は一旦、並木道を離れ、建ち並ぶ書店の中から洋館を装った店内で時間を潰して待っていた。

普段は読まない書籍と向き合う。
心が落ち着き、コンビを解散したことが今では良かったと安心感に包まれる。

一方、弘樹はマネージャ

もっとみる

夢を叶えた五人のサムライ成功小説【高木京子編】11

この作品は過去に書き上げた長編自己啓発成功ギャグ小説です。

ごもく旅館二日目の朝を迎えた。

啓太は朝食を済ませて温泉に足を運ばせた。
啓太はようやく疲れを癒すことが出来た。

全身が温まり、血行が良くなっていくのを強く感じる。
啓太は今回の旅行ほど心労を強く感じたことはなかった。

そしてそれは出会った当初の京子を思い出させるものでもあった。

随分と見違えるほどに成長を遂げたものだなと温泉に

もっとみる

夢を叶えた五人のサムライ成功小説【川端雄平編】18(ラスト)

この作品は過去に書き上げた長編自己啓発成功ギャグ小説です。

数日後。

『さぁ、今日は林と雄平くんのコラボデビューの日だ』
林と雄平は威勢よく柴田に返事をした。
『はい』

その声は自信に溢れていた。
『お前らはふたりでこそ、頂点に立てる』
『頑張ります。やります』

いつしか数日間、降り続けた雪もやみ、交通規制もすべてが解除された。

会場入りする四人。
楽屋から客席を覗き込む。
200名はい

もっとみる

夢を叶えた五人のサムライ成功小説【川端雄平編】17

この作品は過去に書き上げた長編自己啓発成功ギャグ小説です。

雄平が住まいの自室でギターの練習をしていると、由里から連絡が入ってきた。

柴田が今度は救急車で病院に搬送されたようだ。
どうやら葉巻が切れたことによる突発性ストレスによる発作らしい。

葉巻を吸いたいようだが、どこに売っているのか思案にくれていると、どうやら携帯電話の通話越しに柴田の掠れた声が届く。

葉巻とチャッカマンを繰り返し繰り

もっとみる

夢を叶えた五人のサムライ成功小説【川端雄平編】16

この作品は過去に書き上げた長編自己啓発成功ギャグ小説です。

翌日の朝。
『起きなさい、ボケ』
いつものように目覚まし時計が起床セット時刻を告げる。

なかなか起きない雄平には程よい響きだ。
『さっさと起きろや!こら』

今日は昨日の思いがけない出来事もあり、疲れは極端に激しかった。

数分が経過した。
『起きろ言うとるやないかい、おどりゃ~』
目覚まし時計とは思えぬ迫力を感じるのはやはり、音声に

もっとみる

夢を叶えた五人のサムライ成功小説【川端雄平編】15

この作品は過去に書き上げた長編自己啓発成功ギャグ小説です。

ライブが終わり、バーをあとにする。
後日、柴田から連絡が入ることになっている。

雪が激しく降り始めた。
交通規制が次々と発表され、街中や駅などの電光掲示板に速報として流される。

電車の運行が停止になるまでに早く帰ろう。
雄平と由里は駅近郊のコンビニ前で柴田に別れを告げた。

いつのまにだろうか!
先ほどまでライブの最中にいた林がコン

もっとみる

夢を叶えた五人のサムライ成功小説【川端雄平編】14

この作品は過去に書き上げた長編自己啓発成功ギャグ小説です。

見事に大役を務めた雄平を皆が祝福する。
いざ、演奏が始まるや否や本来の調子でアップダウンストロークを繰り返し、手際よくリズミカルにコード進行も叶い、何の問題もなかった。

雄平自身、満足感と達成感に胸踊らされていた。
高ぶる気持ちは抑えきれずにいた。

由里が真っ先に雄平に声を掛けた。
『さすがだね、雄平。やはり囚われていては駄目だって

もっとみる

夢を叶えた五人のサムライ成功小説【川端雄平編】13

この作品は過去に書き上げた長編自己啓発成功ギャグ小説です。

林のライブもあと一曲を残すばかりとなった。
林はマイクを握りしめ、面前に向かって話し始めた。

『皆さん、今日は感謝します。本当に有り難う御座います。俺は歌が大好きです。音楽をやり始めた切っ掛けは学生時代にバンド活動しようって友達から誘いを受けたことからでした。その頃はギターを担当してました。今でもギターにはこだわりを持っています。今日

もっとみる

夢を叶えた五人のサムライ成功小説【川端雄平編】12

この作品は過去に書き上げた長編自己啓発成功ギャグ小説です。

三人はテーブルに座った。
オーナーの玉山が上機嫌な顔で近寄ってきた。

柴田と玉山が馬鹿笑いをしながら葉巻を吸いだす。

アンティークな装いの店内はやはり落ち着きがあり、その空間をより際立てるように壁に飾られた額縁のなかの絵画が高級感を演出していた。

雄平は由里に柴田との付き合いは今日が最後だとアイコンタクトを続けざまに送ったが、あっ

もっとみる

夢を叶えた五人のサムライ成功小説【川端雄平編】11

この作品は過去に書き上げた長編自己啓発成功ギャグ小説です。

数日後。
林の単独ライブ当日の日が訪れた。

『起きなさい、ボケ』
いつものように目覚まし時計から音声が呼び掛ける。

次第に大きくなり、やがては口調が完全にヤクザ者だった。
『こら、起きんかい。起きさらせ!おんどりゃ~』

うとうとしながら目を覚ます。
と同時に由里からのコール音がけたたましく鳴り響いた。

雄平は携帯電話を手に取って

もっとみる