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クメール・ルージュの大虐殺から、人間の本質をみる「バニヤンの木陰で」

<文学(76歩目)>
焦熱のカンボジアの大地から、人間の本質をみる。

バニヤンの木陰で
ヴァディ ラトナー (著), Vaddey Ratner (原名), 市川 恵里 (翻訳)
河出書房新社

「76歩目」はカンボジア出身でクメール・ルージュの大虐殺を生き延びたヴァディ・ラトナーさんのこの作品は、ラトナーさんの自伝でもありノンフィクションのテイストが強い作品。

急遽の仕事で訪問する際には、カンボジアについての基礎知識不足。
まさにクメール・ルージュがプノンペンを占領して、政権を取ったのは1975(昭和50)年。そしてポル・ポト独裁政権が崩壊したのが1979(昭和54)年。ちょうど小学生から中学生の時期で、新聞で結構報道されていた記憶あり。高校で山岳部長の先生に学んだ時の印象も強い。

その後、映画「キリング・フィールド」(1985(昭和60)年)も確かに大学時代に見た。

それにもかかわらず、とんでもない虐殺を共産政権のポル・ポトが行ったことは知っていたが、虐殺された人は人口の1/4~1/3とも言われていたが、数字になると実態がつかめるようで実感がわかなくなる。

ここに問題があった。

この本にはかなりの衝撃を受けた。先鋭化する若いクメール・ルージュの兵隊は中国の文化革命時の紅衛兵と変わらない「ピュア」さ。
なんとなく田舎の不良をまとめあげた感覚。
ここに怖さを感じた。

偉大なる「お題目」があると、「ピュア」だとどんどん純化していく。
ここが人間の本質だとも感じた。

この本は、「カンボジア」に興味ある方、そして「人間の本質」を学びたい人に最適な作品です。

そして、私は「父の愛(love)」「母の愛(love)」に涙しました。とても重要な作品で、家族で読みました。

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