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思い出の住人になった君へ
老舗バーの鼓膜に触れるベース音と
酔っ払ってご機嫌な女子大生と
疲れた顔した華金のリーマン達の談笑を
排気ガスと煙草の煙霧が包み込む
繁華街にしてはしょーもなすぎる。
同じように『そういう服』を着た
『そういう女の子』が
軒下で来ない誰かを待つ
スマホを眺めて退屈そうにして
目の前を誰かが通っては全員が視線を追従する
「顔がいいからってなんでも許されると思うな」
まあ、結局許
今日も、なんとか。🌎
後ろの席から教室を見渡すのが好き
先生の話を聞いてる人、猫背になってノートを書き込む人、寝てる人、etc、授業中キョロキョロ周りの人を見てる奴は私だけだった。
見たくないモノも見える。
君は今日も「こっち」じゃなくて「あっち」
に行く。
昔からの女友達のあの子と話したいから?
君がしきりに名前を出す君のカノジョ(仮)
の近くにいたいから?
今日も君に「バイバイ」って言われなかったから私は踵を返す
魔法は使わない 【散文詩】
椎の木が燻って
彼女のピアノに傾聴すれば
いつでも呪いに変る"モノ"を
鍵付きの宝箱にゲーセンの輝羅々々石と一緒に
大切に仕舞っている
営業戦略に託けて余命を忘れて
放課後
いつもの教室で。
可笑しな斜塔を造る
硬い皮の指
4割にも満たない拳
覆い打ちされた眼鏡
それすら受け止めるのに精一杯な脆弱な私を
その手でぐちゃぐちゃにし壊して
"其の"ために死ぬことは出来ないけれど
たち
ハーバリウムの花へ 【散文詩】
体温が0.3℃上がる
今も心臓が燃えて身体がウカウカして止まない
好きな漫画を読んでも頭がクラクラして
夢の中に傾倒する
恐れ続けた暗晦の帰り道も今夜だけは
私とギターの彼女のソロステージに消え入る
『苦み』を隠したぬるい『甘い』ハニーミルクに溺れて抜け出せない
どうかこの幸せに未来の私を殺されませんように
この輝かしく呪わしい日々をハーバリウムの花に
どうか美しく色褪せることのないよ