症候群 【散文詩】

あの子が髪を下ろしたから

今日は気圧が高い気がした

好きな人におはようを言われなかったから

今日はお腹が痛い気がした

教室の扉を開けて3秒で決まるその日の運命は

毎朝乙女座が1位のサイトを見つけるまで星座占いを

漁る日常に仮託されているのかもしれない

アンビバレンツのメリーゴーランドが

眩暈を起こして夢が終る

昨日までは好きだった彼は
今日の嫌いな人。

彼の中の彼を知ったら青い光は潰えるから

虚構を追いかけて満たされたふりをする日常

本当は彼よりあの子の方が好きなのに

一面に溷濁したシンデレラ症候群が

知らない感情を殺す

彼は 心中はしたくない と言った

だから 彼は王子様じゃないのだろう

教室の空気は汚いから 首を絞められた

だから女子トイレでたくさん息を吸い込んだ

羊水の中で無知に捕らえられたあの頃

息がしやすかったなぁ

ほんとはこんなつもりじゃなかった。

なんてもう遅い

今日は悪い日
今日の私は悪い子