終演、52日目
ひこうき雲が 上空の右端から左端まで
ずーっと繋がった時
地球は本当に球体なんだなと思った
愛は地球を救わない
1日目の朝ともつかない昼下がり
アラーム2回流して昨晩の延長線
本当は大きくないキミの"大きな手"が輪郭を包み込んだ
安っぽいラブホみたいな飾り付けが
布団を捲る風に靡く
10日目の夜
不安をキスで塞いだ
愛が身を滅ぼすなら
長生きする気もないから
濡れた髪のまま抱きしめた
思えば思うほど、考えて。
わからなくなった
愛が地球を救えばいいのに
下から映る君の愛が何かに透けて見えた
14日目の夜
愛とは形態なのだろうか
疑問を持ったらそこで終わり。
必死に何かから目を背けたりして。
愛が地球を救わないなら、私が私を救えばいい
青緑に閃光した 宇宙ゴミみたいな流れ星に
縋って願いをかけてみた
ずっと君といられるように。
18日目の夜
不安と絶望で死にたくなった
抱きしめられても、甘えられても
キスをされても、愛されても。
不安は消えなかった
どんどんどんどん、私の穴は増えていく。
この麻薬をいっそ吐き出して
記憶ごとまるっと地球ごと
全部壊してしまいたいと思った
先のことを考えすぎると体調を崩すと気づいた20日目
君の愛が早く私の地球を貫けたらいいのに
本当は君のこと一生で1番愛してるけど
「好き」の2文字に返ってくる
「俺も大好き」の5文字が嬉しすぎて
÷3した気持ちしか伝えない
括弧の中身は読まないでおくね。
23日目
君の愛が私の地球を貫いた
今年見た中で1番星が綺麗な夜だった
窓を開けた時入り込んできた風の冷たさと
貴方の下で感じた安堵と喜びを
忘れない、忘れたくない
27日目
惚れっぽい割に忘れっぽくて
3日も会わないと声も顔も匂いも、感情も
忘れてしまう
それが怖くて蒸発しそうな病体で
初雪の中飛び出した
愛は地球を救わないけど、君はやっぱりいいカレシ
あなたのいない夜は長い
二十九、三十日目
出会って2ヶ月。
やっぱり愛は地球も、私も救わなかった
寒いよ道をただ茫漠と、病み上がりのからだで歩き続けた
眼球がこぼれ落ちるんじゃないかってくらい
涙を流した
流しても、流しても。 涙は止まらなかった
私の醜聞はきっと既に君にバレているんだろう
捨てられるのが怖い。父が嘗てそうしたように。
菌にも自分にも愛にも、負けてしまった
だだっ広いあの日の公園を
出口もわからず彷徨い、歩き続けた
私にとっては一生で1度のひとりなのに
あなたにとっては今まで何人もいた女のひとりなのが耐えられない
私もいつかあんな風に捨てられるなら
いつか愛に終わりがあるなら
それより先に死にたいと思った
生き急いでいる、死に急いでるよ
あなたのためだけに生きるのを辞めたい
だから、死ぬしかなかった
41日目
漠然と、今日地球が滅びるのかもしれない
と思った。
漠然とそんなことを考えられる自分が怖かった
「会いたい」の真意は〚寂しい〛ではなく〚恐怖〛
記憶として、確かにそこに君と私はいたのに
実体と実感ばかりは覚えていられない
存在自体が私の妄作な気がしてモヤがかかる
48日目
愛が、わからなくなった。
私ばかりが消費されて、捨てられてるような気がして
真っ直ぐな心で君と向き合えなくなった
愛が地球を滅ぼす前に、宇宙へ。
1番じゃない愛なんていらない
形骸化した愛なんて殺しちまえ
どうか私を殺して欲しい
ずっと一緒には、いられないような気がした
52日目
私の中で君が死んだ
感情が、またひとつ。欠落した
「ごめん」の3文字で復元できる愛なら
そんな愛は安上がりだね
私が泣かなくてよかったね
悲しみも怒りも、果てを過ぎたら虚無だった
負の感情と共に愛も失せた。
帰ってこない君は、私の中で死んだ。
会いたかったも、ごめんも、すきだよ、も。
もう何も信頼してないから。愛してないから。
ごめんね。さようなら。
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