マガジンのカバー画像

80'sの詩

329
80'sの詩をまとめてみました!!読んでいただけたら、嬉しいです☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆ 宜しくお願い致しますm(_ _)m♡♡♡
運営しているクリエイター

2024年5月の記事一覧

詩「かげ」

詩「かげ」

揺れる
踊る
かげが舞うのは
あなたがそこにいる証

黒の中に紫を隠してる
かげですら高潔なシルエット
あなたを形造る
運命共同体

こんなに近くにいるのに
一番側にいるのに
輪郭がぼやけていく
つかまえることは出来ない
無邪気に誰にでも微笑む君に
強引に触れることなど

揺れる
踊る
くるくる回る
かげのすぐ側にはいつも
あなたが居る
しあわせそうに微笑むあなたが

逆さまになった影帽子
光が歪

もっとみる
詩「ペイント」

詩「ペイント」

有り余った感情を
それぞれの色にして
壁に叩きつける
先人が描いた見事な絵の上に
稚拙な色を塗り重ねて行く

行き過ぎる人達は愚行を見て見ぬ振りをする
ごらん
これが退化だ

子供達は目の前の子供を笑わせることに必死になる
小難しい事なんて何も考えちゃいない
大人達は顔にも
何色も色を重ねて
素顔を見せようとはしない
本気で笑っていないから
仕事場のパソコンよりも先に
人間がフリーズした
心は簡単

もっとみる
詩「恍惚」

詩「恍惚」

過酷で加工出来ない現実を彷徨ってる
大抵の事柄は美化できた筈なのに
プリクラに写っている私は機械が作り出した別人だった
この子だったらうまくやれていたのかな?
しあわせになれたのかな?

何かを忘れた人達は皆うっとりとした瞳をたずさえていた
私とは違う世界に爛々と生きている
若い頃は願った忘却
今は簡単な単語が出てこなくなってしまうのが
放っておかれた子羊の様に
やけに心細い
透明な文字の空間をひ

もっとみる
詩「今日の続きを誰も知らない」

詩「今日の続きを誰も知らない」

昨日も私の為の予告は特に流れなかった
昔 センセイは予習の重要性について
非常に熱心に説いていたが
今日起こる出来事の詳細について
誰も把握していない

大勢の人の波に溺れながら
大海の真ん中に流れ着いた蟻について思う
=私みたいだね
なんてね

明日をよく知らないのに
グッスリ眠らないといけないなんてさ
毎日が舞台の初日に似てるね
この歳にもなると
もう
手に汗なんて握らないけどさ
毎日が修学旅

もっとみる
詩「パレット」

詩「パレット」

小さい頃
真っ白なパレットに
様々な色を出した
鮮やかな色達は僕の心模様

そこに
ここぞとばかりに
僕が放った黒い絵の具が侵食していく
墨汁やイカの墨とは違う圧倒的な濃い黒色
僕は
何にしても使い方が下手くそだった
パレットにこびり付いた
混ぜるのに失敗した絵の具を
何度も水で洗い流した
それでリセットしたつもりになった
僕は
せっかくのエメラルドグリーンを台無しにした
鮮やかなエメラルドグリー

もっとみる
詩「ここに産まれてきたならば」

詩「ここに産まれてきたならば」

「足から根が生えて ここからは逃げられない。そのくせ 俺には翼が無い。」
電車の車窓から見えていた太陽は雲に隠れた
若者の悲痛な叫びは遠くで微かに聴こえるサイレンの音によく似ている
非常事態だと分かっているけど
私には手が届かない
関与できない

彼等が肩を落とす度
空気はか細く震える
吊り革を持っている手が揺れに合わせて
哀しく踊る
ほんの少しの温もりを分けてあげられない代わりに
今日も勝手に祈

もっとみる
詩「よその子」

詩「よその子」

前の私の靴を踏んで
何もない様な顔をした子
突然大きな声で駄々をこねた子
親に嘘をついて叱られた子

そんな よその子が
ちっとも可愛くないと
膨れっ面した私の前で
どこかで見た様な子がスッと通り過ぎた
それは 誰かさんによく似ていた

もう一度
よその子を見て
そんな訳がないと
気のせいだと
一生懸命 自分に言い聞かせた

よその子は無邪気に笑い続けていた

詩「季節外れの暑さの中で」

詩「季節外れの暑さの中で」

四季に当てはまらない
突然の熱に微睡む
私は
存在しない季節の隙間に埋もれる
(確かにいつも色々と決めていたのは人間だった。)

思わぬ汗が噴き出る
長めのシャツをたくしあげて
無理矢理半袖にする
(いつも辻褄をあわせようとして歪になるのは私の悪い癖だ。)

アイスが欲しい
アイスが欲しい
アイスが欲しい
(人間の欲望は熱で一旦は溶けるが時間が経てば また再生する。)

今日に限って
小さめのハン

もっとみる
詩「原始の花」

詩「原始の花」

原始
豊かな大地に
私は生まれた
蜜を隠して生まれた
虫達は純粋に私を求め
私の種は急速に広がっていった

鳥達は私を渡し
そこにしあわせが生まれた
(私は そのままで良かったのです。
 そのままで 充分求められたのです。)

いつしか 歴史に人間が現れ
ひとたび 私の姿に魅了されました
私は世界の何かを狂わせたのです
(彼は私を美しいと言った。
 そこに悲劇は生まれた。
 豊かに咲いた花弁は散っ

もっとみる
詩「こんな日は好き」

詩「こんな日は好き」

いつもは濁っている海が
今日は透き通っている
(特別な きらきら。)
海の中まで見える
(何かが泳いでいるのかな?)

あなたの目を見ただけで
何が言いたいのかが分かる
(私の心の中で魚が跳ねる。)

遠くで船が水の線をつくる
(海の足跡みたいに。)

ざらざらした心が溶けて
今日は素直になる
そんな日は
言葉は自然と寄り添ってくれる
(私が私になる。こんな日は好き。)

詩「核」

詩「核」

ふらふらしている
ぐらぐら揺れる
とびきり弱い私は
何処かに行ってしまいそう

私を成している核の在処はどこ?

私は上手く人間社会には溶け込めない
一貫していないの
矛盾だらけで
つぎはぎだらけの支離滅裂
そんな自分に泣きそうになる
私は非常に薄くて濃くはなれない

こんな歳にもなって
自分の核の在処さえ分からない
真っ直ぐ きちんと
立っているのかさえも分からない
(私は いつも朝一番の空気を

もっとみる
詩「言葉に出来ない かなしみ」

詩「言葉に出来ない かなしみ」

かなしみは心に残る
かなしみは静かに降り積もっていく
いつかは消えると信じて
僕は筆をとる
(あの日、名もない者が 僕達の前から消えていきました。)

空へ駆け上っていった光を
僕は 目ではなく
心で見た
彼女の手は震えていた
(僕は しっかりと その手を握ることはできなかった。)

その日
かなしみは心からはみ出して
僕達の頭上にも
いっぱい いっぱい降り積もった
こわくて
あまりにも こわくて

もっとみる
詩「ダダダ ドン」

詩「ダダダ ドン」

かあちゃん
いつでも鳴らしてた
色んな音を
鳴らしてた
ゴゴゴ
ガチャガチャ
ダダダ ドン
あたしは
いつも
居心地悪そに
耳を塞いだ

かあちゃん
いつも
言っていた
色んなことを
言っていた
「作る事を知りんさい。」
「作る事をおやりんさい。」
あたし
いつも
床を睨んだ

今は便利な世の中で
あたしは音を鳴らさずに
色んな事をやっていく
こなしてく
綺麗な服を買いましょう
外で食べ物、食べま

もっとみる
詩「歪んだ家」

詩「歪んだ家」

外から見ただけでは分からない
一見 何の変哲もない
しかし
この家は 実は歪んでいるのです

住人達の想いは交わらず一方通行を繰り返し
住人の一人は その重圧に耐えきれず
変形してしまった
(紙の様に薄っぺらい ペラペラ。)
熱い想いは風に吹き飛ばされてしまいそうです
(信念とは何ぞや。)

柱も歪み
この家を支えているものは
もはや何なのかさえ分かりません
(それは信頼なんかではなく 意地に近い

もっとみる