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書評『父-娘 近親姦 「家族」の闇を照らす』

書評『父-娘 近親姦 「家族」の闇を照らす』

【大学の課題:書評(ノンフィクション)】

 タイトルを見て、ゲッと思った人に読んでほしい。

本書は、アメリカで1975年から5年間、近親姦被害者四十人、父親に誘惑されたことのある女性二十人そして、さまざまな保護施設や精神病院の関係者・セラピストにインタビューをした初めての大規模な『近親姦』についての研究結果である。古い研究だ、アメリカの話だから日本では関係ないと無視するべきか。答えはNOである

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記事『「若草物語」を通して現代社会のジェンダーを見る』

記事『「若草物語」を通して現代社会のジェンダーを見る』

 日本でも長年親しまれてきた『若草物語(原題「Little Women」)』の作者ルイーザ・メイ・オルコットは、19世紀のフェミニストであった。故にその時代には珍しいほど、女性の地位向上について主人公たちが思い悩み自分の置かれた環境を変えようとする様を描いている。

 2020年、その作品を期待の新人監督グレタ・ガーウィグが映画化した。それが『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語(以下『

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記事『映画版「Little Women」二作においての二つの謎』

記事『映画版「Little Women」二作においての二つの謎』

【アメリカ文学の講義でのレポート】
 後期の授業のテーマの中から、自分で何か一つ選び、タイトルをつけてレポートを提出。何か謎を解明するようなテーマに。
 1200字程度。

 2020年、期待の監督グレタ・ガーウィグがルイーザ・メイ・オルコットが1868年に発表した小説『Little Women』を映画化して話題作となった。『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』の映画の原題は原作のまま

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