俊山英/コーチング心理支援

俊山英ToshiyamaSuguru/障害児支援に従事した後、脳の多様性の観点から広く…

俊山英/コーチング心理支援

俊山英ToshiyamaSuguru/障害児支援に従事した後、脳の多様性の観点から広く一般の社会人の成長を支援するため起業。社会人の心の発達支援を広めるため協会設立。一般社団法人日本産業コーチ協会代表理事。特定非営利活動法人ホスピタリッチ理事長。行動分析学会。

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  • 気づきの支援日誌ーコーチングサービス提供実務者の記録ー

    産業コーチングの普及啓発活動の一環として、職業としてコーチングサービスを提供する実務者が、日々どのようなことを考えて実践に取り組んでいるのかを発信していきます。

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    コーチングによる心理支援を専業にし、個別提供実績3500時間を経て思うことを綴るエッセイ。

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    「COACHECK」(コーチェック)『資格取得のためではなく、人の心を支える支援に役立つ情報』をコンセプトに、対人支援をされている方・カウンセリングやコーチングで起業を目指されている方向けに発信。

記事一覧

気づきの支援日誌7/17

コーチングサービスの実務を仕事として7年以上やってきたけれど、ロールモデルなんてなかったから、常にご利用くださる方々との関わりの中で、試行錯誤で実感を伴った意味…

気づきの支援日誌7/16

「クライエント」という用語を、あまり使いたがらない自分がいる。 なぜだろう。 近ごろ「サービスをご利用くださる方」というひらたい表現を、内言としても外言としても使…

気づきの支援日誌7/14 -コーチングセッションで起きていること-

コーチングサービスをご利用くださる方々のセッション展開の傾向を、ざっくりまとめてみようと思った。 あくまで、支援に活かす狙いではなく、支援現場という対人交流の現…

気づきの支援日誌7/13

「目的」「習慣」「危険性」「意思決定」といった目に見えない概念を頻繁に活用する人間にとって、個々が意味を生成する営みは本当に尊い。また、その生成が起きる対話も美…

気づきの支援日誌7/12

「よくないところ」「悪いところ」と社会的に評価されるような要素を、どのような人間でも持っている。 それは、そうした社会的評価含め、完璧とは程遠い社会のさまざまな…

気づきの支援日誌7/10

大変ありがたいことに、数年続けてサービスをご利用される方々も結構いらっしゃる。 そうした方々との最初の1-2年を振り返ると、クライエントさんのかけがえのない人生で培…

気づきの支援日誌7/9

コーチングサービスをご利用いただいている方々のお話を伺っていると、不思議な体験をすることが多々ある。 そのうちの1つが、突然ひっぱられる感覚に襲われるというもの…

気づきの支援日誌7/7

内面に関わるコーチングのことをBeing Coaching と呼ばれている。それに対して、目標達成やアクションの選択などについて扱うコーチングをPerformance Coaching という。 …

気づきの支援日誌7/6

質問技法は、最初の2年間は内面を扱わないパフォーマンスコーチングに限って使ってたけど、次第に使わなくなった。 質問技法は、クライエントの視点をこちらが意図した方…

気づきの支援日誌7/5

深い他者理解を試みる時に働く脳のネットワークをキープするためには、きびきび判断する時のような覚醒状態(興奮)になってはいけない、とされている。 それは体感的によく…

気づきの支援日誌7/3

今日、こちらの事情で一時的に共感的理解の形成に支障をきたした。 ご利用いただいている方にご負担をかけたかもしれず、反省… 暑さには強い方だと思っていたけれど、身…

気づきの支援日誌7/2

ここ数年、自分自身の死生観について考えることも増えた。 「会者定離」という言葉だったか? 出会った人とは、いつか必ず別れることになるという言葉があったような… 社…

気づきの支援日誌6/30

「AをすればBになる」という方法論というか、機械論と呼ばれている考え方って、人間みたいに、それぞれの個体が様々な意味づけを独自にして、物事を複雑に認知して生理的反…

気づきの支援日誌6/29

偽りのない関わりをすればするほど、自分がこれまで関係してきた人たちや社会との間で培ってきた「当たり前」というか概念パターンに向き合うことになる。 社会生活をおく…

気づきの支援日誌6/28

世の中にある接客の研修で教育されるようなサービス接遇的な対応は悪くはないけれど、セッションでは決まった型や流れがあると、実際にそぐわないことで発展性に欠けるし、…

気づきの支援日誌6/27

よくないと思える状況であっても、知り得なかった要素がいくつか表面化してくると、確かにあやうい側面がありながらも、大きな変化のプロセスにあったのだと思い知らされる…

気づきの支援日誌7/17

気づきの支援日誌7/17

コーチングサービスの実務を仕事として7年以上やってきたけれど、ロールモデルなんてなかったから、常にご利用くださる方々との関わりの中で、試行錯誤で実感を伴った意味形成をやらせてもらっていた。

でも、試行錯誤なしでは、自分という一貫性を欠いた、わりきったものになっていたかもしれない。
そもそもこの仕事でわりきることは、あまり良しとされていないし、そういう分裂を選択していたら、身がもたなかっただろう。

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気づきの支援日誌7/16

気づきの支援日誌7/16

「クライエント」という用語を、あまり使いたがらない自分がいる。
なぜだろう。
近ごろ「サービスをご利用くださる方」というひらたい表現を、内言としても外言としても使う傾向がある。
「クライエント」という言葉を禁句にしているわけではない。
ただ、最初は、禁句にしていたところもあったかもしれない。

どこかの国の障害学の院生が書いた論文だったか、クライエントという用語の使い方には「クライエントにはこうい

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気づきの支援日誌7/14 -コーチングセッションで起きていること-

気づきの支援日誌7/14 -コーチングセッションで起きていること-

コーチングサービスをご利用くださる方々のセッション展開の傾向を、ざっくりまとめてみようと思った。

あくまで、支援に活かす狙いではなく、支援現場という対人交流の現象について「どのようなことが起きていると言えるのか」の説明を試みるものとして整理したい。

そして、ご利用くださる方の傾向ではなく、セッションプロセスの傾向を概念化する。

セッション記録をもとに整理した結果、以下の3つの指向パターンに分

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気づきの支援日誌7/13

気づきの支援日誌7/13

「目的」「習慣」「危険性」「意思決定」といった目に見えない概念を頻繁に活用する人間にとって、個々が意味を生成する営みは本当に尊い。また、その生成が起きる対話も美しい。それは、コーチングセッションの参加者としても感じるし、こういう会話があったというお話を伺って、傍目にみても美しいと感じられる。

そして、意味の生成のエネルギー源である感情のうつろいも、また尊いものに思える。

ここまでを概観している

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気づきの支援日誌7/12

気づきの支援日誌7/12

「よくないところ」「悪いところ」と社会的に評価されるような要素を、どのような人間でも持っている。
それは、そうした社会的評価含め、完璧とは程遠い社会のさまざまな矛盾を学ぶようにして、幼い頃から現在に至るまで適応しながら生きてきたのだから、当然と言えるのかもしれない。

社会の中でさまざまな要素を学び、それが生きるための適応パターンとして内在化される。それらのパターンの集合が性格となる。
こうした生

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気づきの支援日誌7/10

気づきの支援日誌7/10

大変ありがたいことに、数年続けてサービスをご利用される方々も結構いらっしゃる。
そうした方々との最初の1-2年を振り返ると、クライエントさんのかけがえのない人生で培ってきた経験・感じ方・信念や価値観などについて、試行錯誤で理解を形成し、その都度、いろいろなことを教わってきた。

よくサービスマーケティングの文脈で、特に心理カウンセリングやコーチングなどの対人サービスの領域の商品は無形であり、事前に

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気づきの支援日誌7/9

気づきの支援日誌7/9

コーチングサービスをご利用いただいている方々のお話を伺っていると、不思議な体験をすることが多々ある。

そのうちの1つが、突然ひっぱられる感覚に襲われるというもの。
ちなみに、スピリチュアルな話ではない。

お話を伺っていて、このお話はいろいろな観点から受け取ることができそうだけれど、どの観点から理解を進めていこうかと、少し迷うことがある。

試しにひとつの観点を選び、理解を進めていくと、たいてい

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気づきの支援日誌7/7

気づきの支援日誌7/7

内面に関わるコーチングのことをBeing Coaching と呼ばれている。それに対して、目標達成やアクションの選択などについて扱うコーチングをPerformance Coaching という。

クライエントの人生に関わる上で、この2つの側面を扱えることが大切とされている。

自分の中では、これはあくまで分類をしようとした時に使える用語であって、「ここからはBeing Coachingに切り替え

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気づきの支援日誌7/6

気づきの支援日誌7/6

質問技法は、最初の2年間は内面を扱わないパフォーマンスコーチングに限って使ってたけど、次第に使わなくなった。

質問技法は、クライエントの視点をこちらが意図した方向に変えたり、「AとBを分けて考えてみませんか?」と、こちらが意図したような基準で分類することを促すような方法。

コーチ養成機関によっては、コーチングスキルと言われている。

そういう意味では、僕は「スキル」は使わなくなったといえそう。

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気づきの支援日誌7/5

気づきの支援日誌7/5

深い他者理解を試みる時に働く脳のネットワークをキープするためには、きびきび判断する時のような覚醒状態(興奮)になってはいけない、とされている。

それは体感的によくわかる。やる気や気合いには頼れない働き方が求められるんだなぁ、とよく思う。

仕事中の覚醒水準は、脳波でいうところのα波(安静)~Θ波(まどろみ状態)の間を、セッションの展開に合わせて行ったり来たりすることになる。
そのために受けた自律

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気づきの支援日誌7/3

気づきの支援日誌7/3

今日、こちらの事情で一時的に共感的理解の形成に支障をきたした。
ご利用いただいている方にご負担をかけたかもしれず、反省…

暑さには強い方だと思っていたけれど、身体の自律神経系はわずかな異常を検知して、なんとかしようと他者理解より問題解決が優先されるよう、脳のネットワークに少し制限がかかったのだろう。
すぐに気づいて、リモート中にご利用されてる方に断りを入れてから冷房を強めた。
それで、いつも通り

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気づきの支援日誌7/2

気づきの支援日誌7/2

ここ数年、自分自身の死生観について考えることも増えた。
「会者定離」という言葉だったか? 出会った人とは、いつか必ず別れることになるという言葉があったような…

社会通念的な死生観というか、他者と共通見解を持つための理解というより、自分自身が他者とのさまざまな関わりを通して、自分用の理解として持っている死生観の方。

これは、他者が代わりに把握してくれるような代物ではないから、自分で把握するほかな

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気づきの支援日誌6/30

気づきの支援日誌6/30

「AをすればBになる」という方法論というか、機械論と呼ばれている考え方って、人間みたいに、それぞれの個体が様々な意味づけを独自にして、物事を複雑に認知して生理的反応を多様に表す存在には向かない。

「Aをすることで、一瞬Bになったけど、それを上回るCとDの特徴が出る」とかもありそうだし、そのCとDの特徴は本人にとって望まないものだったということも、当然考えうることだろう。

たとえば、ランニングを

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気づきの支援日誌6/29

気づきの支援日誌6/29

偽りのない関わりをすればするほど、自分がこれまで関係してきた人たちや社会との間で培ってきた「当たり前」というか概念パターンに向き合うことになる。
社会生活をおくるうえで役立つものとして、自分が使ってきたものでもあるから、矛盾があれば自己矛盾として感じられるものでもある。

だから、避けたくなるのは当然かもしれない。
そこも含めて、認めることでたくさんのパターンと向き合って、より納得のいくパターンを

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気づきの支援日誌6/28

気づきの支援日誌6/28

世の中にある接客の研修で教育されるようなサービス接遇的な対応は悪くはないけれど、セッションでは決まった型や流れがあると、実際にそぐわないことで発展性に欠けるし、余計な混乱を招く。あまり縛られないようにしたい。

ここがセッションの独特なところだなといつも思う。

"社会通念として、こういう場面では、こう振る舞う“というのが、交流の中で違和感となるシーンもよくあった。
その方との交流だからこそ作られ

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気づきの支援日誌6/27

気づきの支援日誌6/27

よくないと思える状況であっても、知り得なかった要素がいくつか表面化してくると、確かにあやうい側面がありながらも、大きな変化のプロセスにあったのだと思い知らされることも多々ある。

しかも、その良い変化はあやうい側面をもカバーし得る特徴を持っていたりする。

定説はあくまで副次的な産物として脇に置き、実際であり現実であるクライエントのまだ見ぬ可能性にオープンでいよう。それに、この姿勢は結構居心地が良

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