俊山英/コーチング心理支援

俊山英ToshiyamaSuguru/障害児支援に従事した後、脳の多様性の観点から広く…

俊山英/コーチング心理支援

俊山英ToshiyamaSuguru/障害児支援に従事した後、脳の多様性の観点から広く一般の社会人の成長を支援するため起業。社会人の心の発達支援を広めるため協会設立。一般社団法人日本産業コーチ協会代表理事。特定非営利活動法人ホスピタリッチ理事長。行動分析学会。

マガジン

  • 気づきの支援日誌ーコーチングセッション提供実務者の記録ー

    産業コーチングの普及啓発活動の一環として、職業としてコーチングセッションを提供する実務者が、日々どのようなことを考えて実践に取り組んでいるのかを発信していきます。

  • 私説コーチング論

    コーチングによる心理支援を専業にし、個別提供実績3500時間を経て思うことを綴るエッセイ。

  • COACHECK

    「COACHECK」(コーチェック)『資格取得のためではなく、人の心を支える支援に役立つ情報』をコンセプトに、対人支援をされている方・カウンセリングやコーチングで起業を目指されている方向けに発信。

最近の記事

気づきの支援日誌7/3

今日、こちらの事情で一時的に共感的理解の形成に支障をきたした。 ご利用いただいている方にご負担をかけたかもしれず、反省… 暑さには強い方だと思っていたけれど、身体の自律神経系はわずかな異常を検知して、なんとかしようと他者理解より問題解決が優先されるよう、脳のネットワークに少し制限がかかったのだろう。 すぐに気づいて、リモート中にご利用されてる方に断りを入れてから冷房を強めた。 それで、いつも通りに立て直せたから、まだよかった。 セッション中に起きたことを振り返ると、いつも

    • 気づきの支援日誌7/2

      ここ数年、自分自身の死生観について考えることも増えた。 「会者定離」という言葉だったか? 出会った人とは、いつか必ず別れることになるという言葉があったような… 社会通念的な死生観というか、他者と共通見解を持つための理解というより、自分自身が他者とのさまざまな関わりを通して、自分用の理解として持っている死生観の方。 これは、他者が代わりに把握してくれるような代物ではないから、自分で把握するほかない。 把握することで、なんだかわからない自分の反応も、認知的に扱えるようになる。

      • 気づきの支援日誌6/30

        「AをすればBになる」という方法論というか、機械論と呼ばれている考え方って、人間みたいに、それぞれの個体が様々な意味づけを独自にして、物事を複雑に認知して生理的反応を多様に表す存在には向かない。 「Aをすることで、一瞬Bになったけど、それを上回るCとDの特徴が出る」とかもありそうだし、そのCとDの特徴は本人にとって望まないものだったということも、当然考えうることだろう。 たとえば、ランニングを習慣化することで一瞬気分が安定したけど、その後パニックになりやすくなったり、怒り

        • 気づきの支援日誌6/29

          偽りのない関わりをすればするほど、自分がこれまで関係してきた人たちや社会との間で培ってきた「当たり前」というか概念パターンに向き合うことになる。 社会生活をおくるうえで役立つものとして、自分が使ってきたものでもあるから、矛盾があれば自己矛盾として感じられるものでもある。 だから、避けたくなるのは当然かもしれない。 そこも含めて、認めることでたくさんのパターンと向き合って、より納得のいくパターンを増やして、心の成長をしていきたい。

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        記事

          気づきの支援日誌6/28

          世の中にある接客の研修で教育されるようなサービス接遇的な対応は悪くはないけれど、セッションでは決まった型や流れがあると、実際にそぐわないことで発展性に欠けるし、余計な混乱を招く。あまり縛られないようにしたい。 ここがセッションの独特なところだなといつも思う。 "社会通念として、こういう場面では、こう振る舞う“というのが、交流の中で違和感となるシーンもよくあった。 その方との交流だからこそ作られるプロセスを軸にしないと発見が乏しくなってしまう。 こうした観点からも、あえて

          気づきの支援日誌6/27

          よくないと思える状況であっても、知り得なかった要素がいくつか表面化してくると、確かにあやうい側面がありながらも、大きな変化のプロセスにあったのだと思い知らされることも多々ある。 しかも、その良い変化はあやうい側面をもカバーし得る特徴を持っていたりする。 定説はあくまで副次的な産物として脇に置き、実際であり現実であるクライエントのまだ見ぬ可能性にオープンでいよう。それに、この姿勢は結構居心地が良い。

          気づきの支援日誌6/26

          セッションをご利用くださる方々が表現される事柄について「自分がどのような内容として受け取ったのかに意識を向け、そこに感情移入して言語化していく」という一連のプロセスの質を、もう少し高めていきたい。 普段、さまざまな事柄に触れて何かを認識しているのだから、それを活用して"何をどのように捉えたのか?"について、ノートに書き出して言語化していこう。

          気づきの支援日誌6/25

          時代の流れによって、言葉の社会的な意味が更新されるように、セッションでもご利用される方の言葉の個人的な意味が更新されている。 日々、その変化の中に関わりを持たせていただいているということに、今日ふと気づいた。 同じ言葉でも意味が増えたり新しくなるのは"今ここ"で体験している感覚をより正確に表現する目的で、「言葉の使い方」の方が変化していくからなのかもしれない。

          気づきの支援日誌6/23

          同じご利用者さんであっても、同じセッション内容になることはない。これは「今回のことを参考に次回はこう接しよう」という前の事象にもとづいて工夫しようとしても、その工夫は「今ここの瞬間」で絶えず形成されるセッションの流れの中では異物感が出るだけで、うまく進展しない。 その時その時の相互作用によって発展プロセスに身をゆだね、関係性の当事者・参加者として自身の変化ややりとりの変化を観察しながら、対話に役立てていくことを大切にしていきたい。 この意味で、セッションは生モノ。

          気づきの支援日誌6/22

          他者理解には、想像力が必須とされている。 セッションの開始から終わりまで、想像力じゅうしで頭を使っていると、その間、脳のネットワークに説明力や行動力落ちてしまう。 質問に応えたり、PCの画面共有中にシートを作成する時、支障を感じている。もう少し頭の切り替えがしやすくなるよう、睡眠の質を高める工夫をしたり「ながら作業」を控えるなど、日常から丁寧に生活していきたい。

          気づきの支援日誌6/21

          ご利用される方々との検討のプロセス。今日は、共に学び、共に変化するという展開を色濃く感じられた。 ロジャーズの「共感は、プロセス」というのは、もしかしたら、こういう心地のことを指しているのかもしれない。

          「共感」の定義は変更されていた

          最近のSNSやマーケティングの中で頻出するキーワードに「共感」があります。 他者の体験や表現を見聞きし、自分も同様の体験や想いをしたことがあるという認識にもとづいて「わかる」と反応することを指して、このキーワードが使われることが主流になっているように思います。 カウンセリングやコーチングなどの対話を中心とした支援でも、この「共感」という言葉が登場しますが、世間とは別の意味合いで使われています。 上述の内容との対比でいえば、自身の体験にもとづかず、他者の体験について推し量

          「共感」の定義は変更されていた

          【シリーズ最終】パーソナリティ理論⑤「再統合のプロセス」編

          ロジャーズの「パーソナリティ理論」をシリーズで解説してまいりましたが、今回が最終回となります。 パーソンセンタード・アプローチの意味がわかる理論と題してお送りしてきましたが、今回の「再統合のプロセス」にもその要素が含まれています。(1) ここでは、共感的理解(感情移入的理解)と、無条件の肯定的配慮を伝達する方法が示されています。 また、クライアントとの対話が、どのようなことを目指して発展していくのかも、わかってきます。 1.再統合にいたる条件 自己概念に反する実際の行

          【シリーズ最終】パーソナリティ理論⑤「再統合のプロセス」編

          パーソナリティ理論④「防衛と解体」編

          1.「矛盾した行動」 『パーソナリティ理論③「価値の条件と不一致」編』でご紹介した、自己概念と実際に起きていること(経験)との間で生じる「不一致」ですが、その不一致とよく似たことが、行動面にも表れます。 実は、パーソンセンタード・アプローチを支える理論は、行動変容について論じられることが多くあります。 それは、基本的に行動というのは、自己概念と一致するようにして生じる傾向があると、考えられているからです。 まずは、この点から解説していきます。 1-1.自己概念に沿

          パーソナリティ理論④「防衛と解体」編

          パーソナリティ理論③「価値の条件と不一致」編

          1.「価値の条件」 前回『パーソナリティ理論②「自己の発達」編』の『3.愛情の関わり』で、「自分になにかあっても、他者が大切にしてくれて安心させてくれる」というような体験を「肯定的な配慮positive regard」として解説しました。 今回は、その次の段階についてです。 一言でいうと、肯定的配慮が条件つきで得られるようになっていく、というものです。 詳しくみていきましょう 1-1.愛や拒否を手がかりに成長する 幼児は保護者とのやりとりから「肯定的配慮」という、い

          パーソナリティ理論③「価値の条件と不一致」編

          パーソナリティ理論②「自己の発達」編

          心理支援では「自己」という言葉を、よく使います。 学派や理論によっても、意味するところは微妙に変わってくるので、今回のパーソナリティ理論②「自己の発達」編では、パーソンセンタード・アプローチは、どのような意味で「自己」を扱っているのかについて、みていきます。 そして、このパーソナリティ理論では、どのように自己が作られていくのかという観点から、赤ちゃんの頃までさかのぼって理解を進める構成になっています。 それでは、さっそく乳児期からみていきます。 1.「分化」 生ま

          パーソナリティ理論②「自己の発達」編