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それでも好きなモノ

鮮やかなコスモス色のお気に入りのスニーカー。
雨の日に履いたらクラウディピンクに変わった。
その後、靴箱の中で他の靴たちに揉まれ潰され、
結局数回履いただけで捨ててしまった。

大好きで毎日狂うように聴いていた音楽。
朝が苦手な私は、少しでも朝を好きになろうと
その曲を目覚ましにした。
しかしその音楽は、気持ちいい布団の中で、私に起きる使命を与えてきた。
そしていつのまにか、不快音に変わる。
大好きだった音楽は、今はもう古いウォークマンの中で眠ったまま。

すらっとした長い足に、細い首筋に惹かれ
付き合い始めた彼。
年月と共に、足も首筋も、丸太のように太くなった。
それでも……
それでも彼の何かに惹かれてしまう。
そうして出会って5年の今日、結婚した。
その「何か」ははまだ分かっていないのだけれど。

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