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春夏秋冬のはなし

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‪(*´◒`*).。o○春夏秋冬をテーマにした小説
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#恋愛

秋ナスは嫁に食わすな

秋ナスは嫁に食わすな

 秋ナスは嫁に食わすな、なんて言葉があったか。あれは確か、姑からの嫁いびりの常套句みたいなものだったな。

 夜勤明けの疲れた脳でぼうとそんなことを思う。もっとも僕には妻はいない。最近付き合い始めた彼女はいるが、秋ナスがそんなに美味しいのなら僕は彼女にたらふく食べてほしいなと思う。僕より年上の彼女は、僕よりたくさんの美味しいものをとっくに知っているかもしれないけれど。

「自分の浮かれ具合がうかが

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たまに振り返って、歩いて

たまに振り返って、歩いて

 外に出ると雨はもう止んでいた。九月に入って夜はよく冷え込むようになった。カーディガンを羽織ってローソンに向かうと、肌寒い風が身体をさあとすり抜けていった。

 歩く道すがら、スマホを取り出して加奈子にメッセージを送る。

「風が涼しい。散歩が気持ちいいよ」

 
 加奈子と付き合ってから三ヶ月が経つ。散歩が好きな加奈子はよく、今時期ぐらいが好きだと話す。しばらく散歩を続けようとローソンを素通りし

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まったく嫌な六月だ

まったく嫌な六月だ

 梅雨が明けたとニュースが言った。雲の流れが速くなり、空の顔色はすこぶる良さそうで、反比例するように紫陽花はその鮮やかさを失いつつある。

「もう、一年の半分終わっちゃうよ」

 絵の具で塗りたくったような青空を見上げながら、瑠衣が言った。

「寂しいな」

 言葉とは裏腹に、少しだけ高揚したような声音で瑠衣は続ける。
 僕はあえて少しだけ呆れた顔を作って、ため息混じりに応える。

「寂しいかねえ

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綺麗な記憶は塗り替えて

綺麗な記憶は塗り替えて

「見て、もう黒くなってきた」

 七分袖をまくりながら君が言うから、僕は笑った。

「まだ六月なのに、日焼けするの早いね」

 太陽が手加減を忘れる夏には少し早い、六月の晴れた日。もう数年前のことなのに、俺は鮮明にあの日を思い出す。今年もその日が来た。

「先輩って、彼女つくらないんですかー?」

 後輩が叫ぶように尋ねてきた。社用車はエアコンの調子が悪く、窓を全開にして走らせている。

「つくれ

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金木犀の記憶

金木犀の記憶

「日曜日か……」

 カレンダーの赤字を見てぼやいた。九月の第四週。あと数日でこのページもお役ごめんだ。
 あくび混じりにだらだらと着替える。そろそろ冬服を出さないと寒いかもしれない。薄手の上着に袖を通しながら、クローゼットに目をやる。

「めんどくさいな」

 今度はため息まで混じった。
 けだるい身体を引きずって、一人暮らしの家を出る。「いってきます」を言う相手もいない生活は、普段から静かな僕

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