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#戯曲

シェイクスピア「リア王」(1605年)

シェイクスピア「リア王」(1605年)

シェイクスピア四大悲劇のひとつ。
過剰ともいえる展開になっていて、圧倒された。
ストーリーの概要は下記のようなものになる。
ブリテンを統治するリア王は高齢になり、引退することにした。
領地を譲るために3人の娘を呼び出した。
長女のゴネリルと次女のリーガンは美辞麗句を並べ立てて、今後もリア王を愛し続けることを誓う。気分を良くしたリア王は、末娘のコーディリアにも同様の反応を期待するが、コーディリアは自

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シェイクスピア「ヴェニスの商人」(1594年から1597年)

シェイクスピア「ヴェニスの商人」(1594年から1597年)

本編の面白さもさることながら、解説も含めて読むと、シェイクスピア作品がどうして現代にいたるまでの400年という時の流れで生き残ってきたのか、というのがなんとなく理解できた気がしてよかった。

タイトルになっている「ヴェニスの商人」はアントニオという男のこと。
彼は、友人のバサーニオのために借金をする。金を貸してくれたのは、ユダヤ人の金貸しであるシャイロック。借金をする際に、返せなかったら、自分の肉

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シェイクスピア「ジュリアス・シーザー」(1599年)

シェイクスピア「ジュリアス・シーザー」(1599年)

シェイクスピア作品の中ではさほど有名ではない印象だが、なかなか面白い。

シェイクスピアはなぜジュリアス・シーザーを取り上げたのだろうか、と不思議に思っていたのだが、wikipediaに回答がそのまま書いてあった。

タイトルは「ジュリアス・シーザー」だが、実際の主人公はブルータスだ。彼が同僚のキャシアスに説得されてシーザーを暗殺、その後の顛末が描かれる。シーザーは比較的早い段階で暗殺される。しか

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シラノ・ド・ベルジュラック

シラノ・ド・ベルジュラック

軽やかなセリフ回しと、掛け合いを楽しむ戯曲なのだと思う。
本で読むよりも舞台で、それもフランス語で鑑賞すべきものなのだろう。

主人公のモデルになったのはサヴィニヤン・ド・シラノ・ド・ベルジュラック。1655年没とのこと。つまり江戸時代の初期か。初演は1897年。つまり明治時代。
本作の主人公であるシラノは剣豪でありながら詩人。本作では詩を作れるという点が、ある種のステイタスであるように扱われてい

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