2020年10月の記事一覧
*収穫祭の誘い火*Invitation de feu ジャックオーランタン
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ふら、ふらり
今夜もゆらぁり灯りが揺れる。
地獄の石炭が轟々燃える。
ウヒヒヒ、ウヒヒ
どこへ行ってもいつまで待っても、
安らぎなんてありゃしない。
ヒヒ、ウヒヒ
孤独なのは俺だけじゃないさ。
お前等だって同じだろう?
さぁさぁ、おいでよ。
どうせ独りなら、一緒のほうが良いだろう?
俺のランタンは明るいだろう?
こっち、こっちだ。
この悪魔の業火についておいで。
共
≪秋蔦のバレッタ≫ Feuilles d'automne douces フィーユ ドートンヌ ドゥース
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指先の冷える朝を迎えて、
高く抜ける空から注がれる太陽の光に暖まる。
あたりの草木は、気がつけば秋の色。
森にも街にもしずしずと季節が訪れる。
樹木や洋館の煉瓦壁に絡みつく紅葉した蔓草は
彩りを添える華やかな装飾のよう。
赤く黄色く穏やかに色付く情景は、
薄雲が刷毛ではいたようにかかる空色に比して
この目に美しく鮮やかに映る。
風情のある艶やかな秋の景色が、ここにも1
❁薔薇の楽園❁ Le Paradis des Roses (ル パラディ デ ローズ)
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真昼の太陽の下で色鮮やかに咲き誇る
薔薇の甘い香りにいざなわれた蝶が舞う。
天鵞絨(ビロード)のように滑らかな花びらが
風に揺られるのに合わせて、
ふわりふわりと青空に飛ぶ蝶の羽は
暖かな陽光にその鱗粉をきらめかせる。
夜には優しい蒼白の月光に浮かびあがる
見渡す限りどこまでも果てない花の世界。
満月の下で麗しい光彩に照らされる花の女王は
夜空に瞬く星屑のごとく儚げで
椿姫の舞踏 ❦ Valse de La Dame aux Camelias (ヴァルス ドゥ ラ ダーム オ カメリア)
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金糸の刺繍がきらめくドレスをひるがえして
きらびやかな舞踏会で姫君は踊る
愛する人の居ない、独りきりの舞踏会
哀しみが流す涙に濡れる瞳は暗く
されども麗しい容色は陰ることなく
今宵また花の髪飾りよりも艶やかな美貌が輝く
それはかの姫君の心が見せる美しさ
華やかで、誇り高く、
叶わぬ思慕が少しの寂しさをもって彩る
不思議な魅力
あぁ、孤高の美しい姫君よ
貴女を見た者は
夕影の茜菊 ✺ Chrysanthème au Crépuscule (クリザンテム オ クレプスキュル)
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夕焼けに染まる秋空の下、
燃え盛る炎に包まれたように色付く町で
濡羽色の烏がガァガァ啼いている。
夕日が作る陰影を長く地面に伸ばし、
大きく花開いた菊も見事な茜色。
古くから愛されてきた花は灯火のごとく
風に長い茎を緩やかに揺らされながら、
凛とした姿で夕闇に浮かびあがる。
黄昏時は他の全ての色を呑み込んで
赤い光と黒い影で華を添える。
削ると色が出てくるスクラッチ