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マッチングアプリ放浪記【ノンフィクション小説】

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コミュ障でモテない地味男子がマッチングアプリデビュー?! 「ヤリモク男子」となった僕は、奥手な自分を変えるため、 コミュ力を磨き、女性を口説き、新しい自分を謳歌する。 寂しが…
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#大学生ブログ

#11 あんた、男としてダサいよ。|マッチングアプリ放浪記

初対面でホテルに誘ってきたクズ男に対して、電話越しの遥はあり得ないほどの優しい声だった。

僕はさっき、渋谷で彼女をホテルに誘って断られたばかりだ。それなのに、世間から忌避されるヤリモク男子に、彼女は丁寧に接してくれた。

「さっきはごめん。すごい遥に失礼なことをしたよ」

正直、緊張から僕の喉は震えていた。喉仏がロボットダンスでも踊っているのかもしれない。

次は、真剣に真面目に彼女と会いたい。

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#9 本当の自分でいれたんだ。彼女と居るときだけは。|マッチングアプリ放浪記

#9 本当の自分でいれたんだ。彼女と居るときだけは。|マッチングアプリ放浪記

遥との会話は静かで、それでいてとても奇妙だった。僕は気がつけば素の自分で彼女と話していて、自然とありのままの「山田詠世」として、接することができていた。

普段女の子と話す時は、いつも自分を偽っていた。余裕な姿を演出してみたり、ちょっと遊び人っぽく振る舞ってみたり、人によって自分を変えていた。

けれど、彼女といる時だけは、なぜかありのままの自分でいれるような気がした。これが感情が「好き」に当ては

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#8 不思議な彼女に恋をした。でもたぶん、片想い。|マッチングアプリ放浪記

#8 不思議な彼女に恋をした。でもたぶん、片想い。|マッチングアプリ放浪記

「好きな音楽とかは?」と僕は居酒屋の席で尋ねた。

「うーん。犬」と彼女は言う。

「遥、犬は音楽のジャンルじゃないよ」と困りながらも諭してみる。

「好きな音楽を聞かれると[犬]って答えたくなっちゃうの。そういうことってあるでしょ?」と彼女は言った。

そんな彼女が気になって仕方ない。不本意だけど、好きなのかもしれない。そんな話だ。よかったら読んでいってほしい。

遥とは、10月の上旬に電話をし

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#7 セフレは虚しいなんて誰が言ったんだ。|マッチングアプリ放浪記

#7 セフレは虚しいなんて誰が言ったんだ。|マッチングアプリ放浪記

この卑猥なアプリを初めてから2ヶ月が経とうとしていた。僕は今日も渋谷という名の荒野を歩いている。

井の頭線改札を出て、エスカレータを降りる。渋谷の喧騒から逃れるようにイヤホンをして、Dave Brubeckの『Take Five』を聴く。何処に行くあてもないが、とりあえず道玄坂のサンマルクカフェで時間を潰そう。マッチングアプリを始めてから渋谷には何度も来るようになって、もはやここは僕の庭と化して

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#6 ハーフ系美女を口説いて撃沈した話|マッチングアプリ放浪記

ハーフ系美女を口説いたことなんて、人生において一度もなかった。そもそも女性と話すだけでも緊張していたのに、その上さらに口説くだなんて…。僕にはハードルが高すぎる。

今回は、そんな僕が初めてハーフ美女を口説いた結果、撃沈した話をしよう。大火傷だ。あれは悲惨だった。

今後、もし誰かを口説こうと思っている読者の方がいたら、僕の撃沈エピソードがあなたの一助となることを願っている。

その日、僕はアプリ

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#5 彼女のせいだ。HIP-HOPなんか聴くようになったのは。|マッチングアプリ放浪記

#5 彼女のせいだ。HIP-HOPなんか聴くようになったのは。|マッチングアプリ放浪記

音楽には2種類ある。
ただの音楽と、彼女との日々を丁寧に思い出すためだけの音楽だ。

タトゥーが魅惑的な彼女と電話を繋げると、すぐに部屋の奥からBGMが流れ込んできた。

「ごめんごめん、うるさかった?」と彼女は言った。

クソナードの声はハスキーで低くてボーイッシュな感じだった。それでも、どこか女の子らしさも見え隠れしているような声だ。

「ううん。大丈夫だよ」と僕は言い、「なんの音楽を聞いてた

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#4 タトゥーの入ったオタク女子|マッチングアプリ放浪記

#4 タトゥーの入ったオタク女子|マッチングアプリ放浪記

人は誰しもある程度一貫した「自分」というものを持っているはずだが、時として自己の中に矛盾が生じることがある。それは矛盾したアイデンティティとして立ち現れて、ある日突然僕らを驚かせる。

とまあ、こんな話とは関係ないかもしれないが、最近僕はタトゥーの入ったオタク女子にいたく惹かれている。

彼女のマッチングアプリでの登録名は「クソナード」という。アニメがとにかく大好きなのだそう。けれどそんな彼女の自

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#3 美女を誘ったら、逆に襲われた話|マッチングアプリ放浪記

#3 美女を誘ったら、逆に襲われた話|マッチングアプリ放浪記

居酒屋を出て、僕は彼女をホテルに誘った。

と、簡単に記述したが、誘った時のことはあまりよく覚えていない。相当緊張していたのだと思う。

僕は手に汗を忍ばせて、「2人きりで飲み直そう」とまあ、そんな趣旨のことを言ったと思う。もちろん断られた。(泣きそうになった。うぅ…)

でも簡単に引き下がれない。

2回、3回と、打診と拒絶されるのを繰り返しながら、渋谷道玄坂を徘徊した。ロッテリアを通り過ぎ、T

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#2 コミュ障男子が美女と呑んだ話|マッチングアプリ放浪記

#2 コミュ障男子が美女と呑んだ話|マッチングアプリ放浪記

この日、僕は「俺」になる。自分を変えるんだ。俺はオシャレで、俺は堂々としていて、俺は女の子を楽しませられる。

そんな「俺」に俺はなる。

その日、渋谷ハチ公前での待ち合わせだった。僕らはLINEでお互いの服の特徴を教え合い、ジャングルのような渋谷の雑踏をかき分けて彼女を見つけた。

ブルーがよく似合う。素朴でいて、それでいてどこか不思議な魅力を纏っている女の子を見つけた。

初めてアプリで会う女

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序章 コミュ障だって遊びたい。|マッチングアプリ放浪記【R18】

序章 コミュ障だって遊びたい。|マッチングアプリ放浪記【R18】

僕は今、さっき初めて会った女の子と渋谷のラブホテルにいる。

コミュ障で、地味で、モテない男子大学生の、この僕がだ。

可愛い女の子と話そうとすると緊張で汗が止まらなくなる、この僕がだ!

しかし、これは夢ではない。確かに僕は、初対面の女の子とラブホのベッドにいる。

その日は2021年の9月上旬のことだったと思う。

イカゲームが世界的に流行った暖かい秋。星野源とガッキーが結婚を発表したちょっと

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