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邪道勇者 能力編

必要ない。それが「全て」だ。

思うに、能力だの異能だの魔術だのと言うのは「弱み」の象徴であって、持つべきではない。というのも、仮に「過去を改変する」能力の持ち主がいたとしよう。


それは、過去を変えたいという「弱さ」の証だ。


要するに─────過去を変えなければ立っていられないという事だ。強者ならそのような行いは必要ない。肉体が、ではなく心胆が脆いのだ。
心無い私に言われたらお終いの気もするが、人類は既にそのようなものだろう。

それに、どのような能力を持とうが「狙い」そのものは理解出来る。長年の戦闘に関するカン(我ながら不本意な事ばかり起こるが)さえあれば、何をしようとするかなど手に取るように理解できる。

例えば、無防備なままこちらに近づくのであれば「近づく事で勝利出来る」という答えであり、誘導しようとする場所さえわかれば何の能力だろうと同じだろう。

強いて言えば、毎日毎日魔性だか鬼だかという、見た目はアレだが味の良い食べ物を摂取していたので、身体だけは頑丈だが••••••それは置いておこう。

わかりやすく金も払わない読者に言うなら、仮に「女にモテる能力」があったとしても、元からモテる奴には必要あるまい? つまり、能力とは足りない部分の補完であって、弱い奴らが慰め合う為に用いるものだ。

その点、私には必要ない!! 強いていうならこの圧倒的「自負」こそ力だ。
世界中に指差されようがみる目のない読者が喚いたところで、なんて見る目のない残念なアホどもだと心無い底から断言出来る。

そこに、「能力」など必要ない!!!

••••••ちなみに、犬千代はどうも主人公みたいな能力の持ち主らしい。私とは随分な違いだ。やはり奴こそ「この物語の主人公」なのだろうか?

だとしたら••••••••••••どう考えても最後に倒されるべきは私だが••••••であれば対抗策ぐらいは考えるべきか?

いや、いらんな。そういうのは雑魚の仕事だ。

死ぬなら死ぬ。作家としても雄としても、やるべきことは、やったのだ。
信じた「何か」を成し遂げたならば、そこに後悔も無念も必要ない。無論、納得はいかないが••••••やれやれ。こうも労力を費やし、まさか利益ゼロになるとはな。

笑い話にもならん!! いや、なるのか? わからない話だ。


──────────仮に、仮にだが「最強の能力」なんてものがあるとすれば••••••それは「敵を味方にする」能力だと言えるだろう。

当たり前だ!! 戦う度に敵を味方につけ、それを戦力増強に変えてしまうんだからな!!! 忌々しい限りだ。

そんな正義の味方連中に、悪党は勝たねばなるまい。

誇りをもって、勝たねばならない。無論、私は生まれついて敵だらけ、説得しようにも自身の利益しか考えない「イカれ」ばかりだったし、正義の味方連中が吠えるような親・教師・同年代・社員・警察・国家云々全てが笑いながらこちらを迫害し邪魔だてするクソ虫だった。

そんな状況で、どうするか?

最早笑うしかないというのが素直な感想だ。実際、人間の笑い方などサイコパスにはわからない話だったが、今ではずっと笑いっぱなしだ••••••現実問題、持つ側が勝つというなら虫唾が走る。

だが、それを読者もそうだが安易に安直な現実逃避に走り出す。

どうしろというのだ••••••殺人鬼作家にできることと言えば、書くことと殺すこと以外に何がある? 他に何かあるのか?

ちなみに、相性なのか「心」のある奴らにだけは決して負けない。神だろうと英雄だろうと、何だろうと勝つ確信がある。



逆に、昆虫というのは苦手だ••••••何なんだ奴らは••••••••••••



悪辣極まる悪党なら仲間になれる自信があるが、治安の良い場所には自称善良なる人々という、鬱陶しい生き物が存在する。奴らは自分が「良い人間」だと信じているし、どれだけ傷つけようが何をしようが反省すら眼中に無い。

あれが人間なら、人間でなくていい。

無銭通読の読者が人間であれば、非人間の殺人鬼作家で結構だ。


これは、そういう物語だ••••••というより、私の描く物語は全て「非人間讃歌」であり、例外はない••••••我ながら喜んでいいのか謎な能力だと言えるだろう。

誰が読むのか最早知った事ではないが、その「悪意」だけは「保証」しよう。


無論、その悪意に悩まされたところで、知った事ではなかったが



ジャンル  近未来社会風刺ミステリー(人の心などという、鬱陶しい謎を解くという意味で)


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