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#短編小説
巨神の山(SFショートショート)
まだ幼かったミノルの記憶に、それはハッキリ焼きつけられた。彼が生まれ育った村から見える山の陰から、白い服を着た巨大な男が現れたのだ。
「ばあば。あれは一体なんじゃ」
身も凍る戦慄を感じながら、幼な子は祖母に問いかけた。遥かに望む山と同じ大きさの巨大な男が突然視界に現れたのだ。想像を超える事態である。が、それを見たばあばの顔は穏やかで、当然のように、その大いなる存在を受けとめていた。
「あれ
22世紀の学校(SFショートショート)
あらすじ
22世紀の学校を描いたショートショートです。
22世紀の日本の高校は、以前とは様変わりした。
21世紀の大型感染症でこりたため、オンライン授業がメインになったのだ。国語や数学はパソコンを通じて勉強した。
ちなみに英語の授業はなくなったのだ。
なぜならネックレス型の小型翻訳機が普及して英語に限らず世界で使われる主要言語は大抵瞬時に日本語に訳してくれるから。
日本人に限らず世
人魚のやってくる渚(SFショートショート)
あらすじ
オカルト雑誌の編集者は、人魚が出たという話を聞いて、その場所に行くが……。
「人魚の画像を手に入れたけど、見てみるか」
まるで小学生のガキみたいな笑顔を浮かべて、同僚の海野(うんの)がビジホに浮かぶホロ画像を俺に見せる。
ちなみに俺と海野が記者を勤める雑誌ってのは、そんな高尚な雑誌じゃない。
扱うネタは心霊写真に座敷童、宇宙人やUFО、ツチノコ、口裂け女、雪男に雪女……そんな