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散文

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#イラスト

ひとりでいても 百人といても

ひとりでいても 百人といても

信じたくないものばかり信じていました
信じたいものを信じもせずに

あなたの足下に咲く花と
つきぬけるような青空と

小さな世界で生きるわたしに
心の世界は誰より広いと
あなたが教えてくれた朝

あの日のあなたと同じ気持ちで
いつものように歩いていたら

長いあいだかき消えていた
わたしの世界が見えたのです

あなたは本物の悪意を信じない
わたしは本物の絶望を信じない

信じるのは子猫の温もり

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風が吹かなくても

風が吹かなくても

昨年のものですが、
ねこちゃん描きました((Ф(..  )

✼••┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈••✼

図書館で手元の本に熱中していたときのこと。突然「感染対策のため、消毒と換気を行います」という館内放送が流れ、しばらくして、本棚と本棚のあいだを冷たい風がさあっと吹き抜けていった。図書館で風を感じることってあんまりないような気がするから、風がやってきた方向を見てついにっこり。本

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ray

ray

あなたに会いたくて
生まれてきました

光に身体をまとって遥々

はじめて名前を名乗りあったとき
はじめて名前を呼んだとき
はじめて瞳で語りあったとき
はじめて手の温もりにふれたとき
はじめて限りある時間に泣いたとき

人間であることの恥ずかしさと悲しみ
そしてそのすばらしさを想った

あなたがいなくなってもわたしは
なにも変わらず生きていくでしょう

それでもわたしは
あなたに会いたくて

息を

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告白

告白



あなたの正直なところに憧れていました

だけどあなたはいつの日か
その正直さと笑い声を交換した

自分を責めすぎるあまり
自ら罰を求めるあなた

まっすぐすぎるあまり
ほんの少しの限界や弱さも
ごまかすことができないあなた

でもそれはあなたの限界じゃない

人間の限界です

それはあなたの弱さじゃない

人間の弱さです

それは人間の愛すべき悲しい性なのに

みんなそうだからといって
あなた

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ドーナツ君の衝撃

ドーナツ君の衝撃



AdobeのIllustratorで描きました。

自分の穴に生まれて初めて気がついたイエロードーナツ君。

なんだこの空洞は!なんだこの欠落部分は!と、イエロードーナツ君にとってはなかなか衝撃的でバイオレンスなシーン。でもピンクドーナツ君に悪気はない。穴という欠落部分があってこそ完璧なふたり。

アニメーションも作ってみたけれど、YouTubeにアップする勇気はまだない(´ω`)

誰のなかにもあなたはいたんだ

誰のなかにもあなたはいたんだ



あなたへの愛に気がついたとき
海や風や花々や
通り過ぎゆく名前も知らない人々が
ぐんとわたしに近づいて
そしてあなただけが遠くなった

あれほど幸せを願ったあなたなのに
こんなに許すことができなくなってはじめて
あなたが泣く理由がわかったの

あなたはいつも突然に
壊れたように泣きだした

だけどそれは
ふいに泣きたくなるわけじゃなかったんだね

あなたはいつも
泣くのを我慢していたんだね

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幽霊

幽霊

こんな姿になってやっと気づいた

むなしさは

愛されることじゃなく

愛することで消えるのだと

✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼

ためしに絵を描いてみました。詩は筆を洗っているときにふと浮かんできたものです。

どんな事情があって幽霊になったかはわたしにもわかりませんが、所在なさげで悲しそうな後ろ姿になりました。幽霊にも夢と居場所があるといいなと思います。

関係ないですが、色々

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