緋海書房/ヤバ猫

小さな出版社が発行する雑誌形態で様々なジャンルの記事を掲載しています。緋海がたくさんの…

緋海書房/ヤバ猫

小さな出版社が発行する雑誌形態で様々なジャンルの記事を掲載しています。緋海がたくさんの思いを詰め込んだnoteです。よろしければお目にとめて下さい。

記事一覧

固定された記事

人生は箱詰めのチョコレートなの

Life is like a box chocolate,Forrest. You never know what you are gonna get. 人生は箱詰めのチョコレートのようなものよ、フォレスト。 食べてみるまで、中身はわから…

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恋はあがるもの

 ねぇ、僕たちキスをしよう  どうして?  僕たち、恋におちるから  だったら、キスはしないわ  どうして?  だって、落ちるのはイヤよ  恋だって、あがっていかなき…

《連載ファンタジーノベル》ブロークン・コンソート:魂の歌声

前回 8.脅威ー(1)  スザンナが予想した通り、大手レーベルから出したアルバムは高額にもかかわらず爆発的に売れている。そして、毎日のようにテレビやラジオなどか…

雨音が消える前に #シロクマ文芸部

 雨を聴く あなたの俯き加減な横顔に、窓に映る雨粒が反射する 私の心は崩れ落ちてしまいそう 真っ暗な地の底へ堕ちてしまいそうなの  そっと、手を差し出してくれた  …

芒種に見つけた柏葉紫陽花 #梅雨入り前に

 今日の東京は、厚めの雲が覆っていてすっきりしない空模様でした。涼しいうちに伸びきった芝を刈りましょうかねと機械を出して、エッチラオッチラ(←これ死語ですかいな…

「いいよ」の功罪 #青ブラ文学部

 言語って、知れば知るほど面白いし難しいと思う。 とくに、私や息子を含め、亡くなった家族のほとんどの口癖だった 「いいよ」  という言葉。  それは使いようによって…

雨の間で紫陽花狩りへ #梅雨入り前に

 昨日のような突然の雨に降られないようにと、近場で紫陽花が見られないかとウォーキングを兼ねて散策にでかけました。    道すがら白い紫陽花のような花をみかけました…

《連載ファンタジーノベル》ブロークン・コンソート:魂の歌声

前回 7. 覚醒ー(2) 「聴きたくない」 「え?」 「もう出よう」  スザンナは喉元を押さえて、心なしか小刻みに震えているように見える。 「ビールを飲んで気分が悪く…

真琴と誠 #青ブラ文学部

「真琴、今でて来られるか? 見解を聞きたい案件があるんだ」  大学を卒業して10年以上がたち、進んだ道は違っても向かっている方角は同じ私たち。 「誠、私のこと判例…

小さな世界 #シロクマ文芸部

 金魚鉢を覗き込んでいた君が、消え入りそうな小さな声でささやいた。 「幸せなのかな?」 「え?」 「この金魚鉢から逃げ出したいと思わないのかな」  そう言いながら君…

今日は1ヶ月に1回のペースで開催される『大人の学習会』に参加してきました。
今回のテーマも「憲法9条と平和」について学びました。
安全保障や集団的自衛権について、もっと詳しく学んでいきたいと思っております。ちと、脳疲労ぎみ💦

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マンハッタンのオフィスにて #なんちゃってワークスペース

 先日より継続中の、緋海書房ワークスペース改造計画。思いのほか難航いたしております。  まずは、つぶやいた時点で借用させていただいたお写真のオフィスのような窓が…

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夜明けの吐息色 #新色できました

 都会の喧騒から離れ、静かな海辺の町にやってきた。何の計画も立てずに、ふらっと旅に出ていた。  何に疲弊するほど持っていかれているのかは、自分自身でもわからずに…

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《連載ファンタジーノベル》ブロークン・コンソート:魂の歌声

前回 7. 覚醒ー(1) 「とにかく反響が凄いんだ。それに加えて不思議な反応があってね。聴覚に障害がある人達からなんだが、買い物でマーケットにいた時、ダイナーにい…

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思い立って、緋海書房ワークスペース改造計画実施いたします。
ですので、しばらくの間、不定期刊行となります。
このようなスタイリッシュな状態に少しでも近づけたい。
形から入る編集長ですので……😸

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《連載ファンタジーノベル》ブロークン・コンソート:魂の歌声

前回 6.寵愛ー(3) 「大丈夫かい?」  マイケルの声がとても遠くに感じる。実際、サンフランシスコとロサンゼルスは四百マイルも離れているのだから遠くに感じるのは…

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人生は箱詰めのチョコレートなの

人生は箱詰めのチョコレートなの

Life is like a box chocolate,Forrest.
You never know what you are gonna get.
人生は箱詰めのチョコレートのようなものよ、フォレスト。
食べてみるまで、中身はわからないわ。

この言葉は、有名なアメリカ映画『フォレストガンプ』の中で、フォレストの母親が息子に放つ言葉。私がとても好きなセリフのひとつです。

私の息子も、フォレ

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恋はあがるもの

恋はあがるもの

 ねぇ、僕たちキスをしよう
 どうして?
 僕たち、恋におちるから
 だったら、キスはしないわ
 どうして?
 だって、落ちるのはイヤよ
 恋だって、あがっていかなきゃ
 そうだね

 じゃあ、あがるようなキスをしよう
 どんな?
 離れられなくなるような
 サクランボの茎が絡むみたい
 絡む?
 だって、離れられなくなるぐらいじゃなきゃだめよ
 キスはサクランボのように甘くて
 たべたら気分があ

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《連載ファンタジーノベル》ブロークン・コンソート:魂の歌声

《連載ファンタジーノベル》ブロークン・コンソート:魂の歌声

前回

8.脅威ー(1)

 スザンナが予想した通り、大手レーベルから出したアルバムは高額にもかかわらず爆発的に売れている。そして、毎日のようにテレビやラジオなどから流れてきた。これはとても喜ばしいことである反面、連邦政府とその裏に隠れ、ジミーやスザンナに反感を抱く者への挑戦と受け取られていったことも事実だ。
 しかし、ここまできて引き返すことなどできない。ただひたすら突き進むしかない。その思いは

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雨音が消える前に #シロクマ文芸部

雨音が消える前に #シロクマ文芸部

 雨を聴く
あなたの俯き加減な横顔に、窓に映る雨粒が反射する
私の心は崩れ落ちてしまいそう
真っ暗な地の底へ堕ちてしまいそうなの
 そっと、手を差し出してくれた

 雨を聴く
あなたの虚ろ気な横顔に、窓に映る雨粒が反射する
私の心は満たされていいはず
ベッドの中で雨宿りをしているみたい
 そっと、頬にふれてみる

 雨を聴く
あなたの儚く見える横顔に、窓に映る雨粒が反射する
私の鼓動は雨音よりも激

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芒種に見つけた柏葉紫陽花 #梅雨入り前に

芒種に見つけた柏葉紫陽花 #梅雨入り前に

 今日の東京は、厚めの雲が覆っていてすっきりしない空模様でした。涼しいうちに伸びきった芝を刈りましょうかねと機械を出して、エッチラオッチラ(←これ死語ですかいな?)芝よりも変な雑草ばかりになってしまったさほど広くはない庭で作業。疲れているはずなのに、いい汗をかいてシャワーを浴びたらむしろ元気が出てきました。
 ランチもある物利用で済ませようと、冷蔵庫を確認。ご飯のお供にと思って買っていたシラスとカ

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「いいよ」の功罪 #青ブラ文学部

「いいよ」の功罪 #青ブラ文学部

 言語って、知れば知るほど面白いし難しいと思う。
とくに、私や息子を含め、亡くなった家族のほとんどの口癖だった
「いいよ」
 という言葉。
 それは使いようによって、肯定的にも否定的にも使用される言葉。

例えば、
「晩ご飯、なに食べたい?」
甘々な恋人時代だったら
「君が作ってくれるものだったら、なんでも♥️いいよ♥️」
 と、実に肯定的な言葉になるけれど
 惰性で一緒にいるような夫婦もしくはカ

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雨の間で紫陽花狩りへ #梅雨入り前に

雨の間で紫陽花狩りへ #梅雨入り前に

 昨日のような突然の雨に降られないようにと、近場で紫陽花が見られないかとウォーキングを兼ねて散策にでかけました。
 
 道すがら白い紫陽花のような花をみかけました。よく見ると、葉の形が違うようで、どうやら『オオデマリ』という花のようです。
 また公園へ行く途中、素敵なお宅の外壁花壇に大きな紫陽花が数輪咲いておりました。青紫色の花が心を弾ませてくれます。

 私のお気に入りの公園内と公園前には素敵な

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《連載ファンタジーノベル》ブロークン・コンソート:魂の歌声

《連載ファンタジーノベル》ブロークン・コンソート:魂の歌声

前回

7. 覚醒ー(2)

「聴きたくない」
「え?」
「もう出よう」
 スザンナは喉元を押さえて、心なしか小刻みに震えているように見える。
「ビールを飲んで気分が悪くなったか」
 "スージー"の切なく訴えかけるような歌声が、店内いっぱいに広がる。

 ずっと、あなたに愛されたかった
 いつも、抱きしめてほしかった
 見ていて、私の成長を
 聴いていて、私の叫びを

「お願い……」
 そう言うと

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真琴と誠 #青ブラ文学部

真琴と誠 #青ブラ文学部

「真琴、今でて来られるか? 見解を聞きたい案件があるんだ」
 大学を卒業して10年以上がたち、進んだ道は違っても向かっている方角は同じ私たち。
「誠、私のこと判例辞典か何かと勘違いしてない?」
「違うのか?」
「あのねぇ、私は」
 その先を伝える前に、いつものように電話を切られた。誠はラインやメールではなく、直接電話をかけてくる。電話なら私が必ず出るとわかっているからだ。しかも、クライアントとのビ

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小さな世界 #シロクマ文芸部

小さな世界 #シロクマ文芸部

 金魚鉢を覗き込んでいた君が、消え入りそうな小さな声でささやいた。
「幸せなのかな?」
「え?」
「この金魚鉢から逃げ出したいと思わないのかな」
 そう言いながら君は、パラパラと餌を入れた。
「それはないと思うな」
「なぜ?」
「だって、優雅に舞っていれば餌はもらえるし、いつもきれいな水の中で過ごせるんだぜ」
 餌を入れる君の手が止まる。
「こんな小さな世界に生きていて、息苦しくないのかな」
「君

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今日は1ヶ月に1回のペースで開催される『大人の学習会』に参加してきました。
今回のテーマも「憲法9条と平和」について学びました。
安全保障や集団的自衛権について、もっと詳しく学んでいきたいと思っております。ちと、脳疲労ぎみ💦

マンハッタンのオフィスにて #なんちゃってワークスペース

マンハッタンのオフィスにて #なんちゃってワークスペース

 先日より継続中の、緋海書房ワークスペース改造計画。思いのほか難航いたしております。
 まずは、つぶやいた時点で借用させていただいたお写真のオフィスのような窓が、わが緋海書房ワークスペースにはないということ。それに加え、ゲーマーが使用するようなドでかいチェア2台。場所を取るしスタイリッシュにならない💦

 それでも、何とか私も息子も快適空間を維持できればと知恵を絞り、少しづつではありますが、ワー

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夜明けの吐息色 #新色できました

夜明けの吐息色 #新色できました

 都会の喧騒から離れ、静かな海辺の町にやってきた。何の計画も立てずに、ふらっと旅に出ていた。
 何に疲弊するほど持っていかれているのかは、自分自身でもわからずにいるから、旅に出たところで回復できるとは思ってはいない。
 けれど、とにかく現実から逃れたかった。ただ、それだけ。

「この企画で通ると本気で思ってる?」
 キャリア的には私の方が長いけれど、実績が乏しい分年下の上司には言い返すことができな

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《連載ファンタジーノベル》ブロークン・コンソート:魂の歌声

《連載ファンタジーノベル》ブロークン・コンソート:魂の歌声

前回

7. 覚醒ー(1)

「とにかく反響が凄いんだ。それに加えて不思議な反応があってね。聴覚に障害がある人達からなんだが、買い物でマーケットにいた時、ダイナーにいた時、そして、家族がラジオを流していた時、聞こえないはずの歌声が聞こえて来たって言うんだよ。ジミーの歌声がね。たくさんの興奮に沸いたメール、SNSが届いているんだ。音楽が頭の中で響いたってね。君たち、この歌にどんな魔法をかけたんだ?」

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思い立って、緋海書房ワークスペース改造計画実施いたします。
ですので、しばらくの間、不定期刊行となります。
このようなスタイリッシュな状態に少しでも近づけたい。
形から入る編集長ですので……😸

《連載ファンタジーノベル》ブロークン・コンソート:魂の歌声

《連載ファンタジーノベル》ブロークン・コンソート:魂の歌声

前回

6.寵愛ー(3)

「大丈夫かい?」
 マイケルの声がとても遠くに感じる。実際、サンフランシスコとロサンゼルスは四百マイルも離れているのだから遠くに感じるのは当たり前だ。しかし、マイケルの声がクリアに聞こえないのは、この型の古い公衆電話のせいだとジミーは思った。
「君を迎えに行くことができなくて、申し訳ない」
「いいんだ。まだ警察に来るのは危険だ」
「そのかわり、早めに出られるよう力を貸す

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