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《連載ファンタジーノベル》ブロークン・コンソート:魂の歌声
前回
8.脅威ー(1)
スザンナが予想した通り、大手レーベルから出したアルバムは高額にもかかわらず爆発的に売れている。そして、毎日のようにテレビやラジオなどから流れてきた。これはとても喜ばしいことである反面、連邦政府とその裏に隠れ、ジミーやスザンナに反感を抱く者への挑戦と受け取られていったことも事実だ。
しかし、ここまできて引き返すことなどできない。ただひたすら突き進むしかない。その思いは
「いいよ」の功罪 #青ブラ文学部
言語って、知れば知るほど面白いし難しいと思う。
とくに、私や息子を含め、亡くなった家族のほとんどの口癖だった
「いいよ」
という言葉。
それは使いようによって、肯定的にも否定的にも使用される言葉。
例えば、
「晩ご飯、なに食べたい?」
甘々な恋人時代だったら
「君が作ってくれるものだったら、なんでも♥️いいよ♥️」
と、実に肯定的な言葉になるけれど
惰性で一緒にいるような夫婦もしくはカ
《連載ファンタジーノベル》ブロークン・コンソート:魂の歌声
前回
7. 覚醒ー(2)
「聴きたくない」
「え?」
「もう出よう」
スザンナは喉元を押さえて、心なしか小刻みに震えているように見える。
「ビールを飲んで気分が悪くなったか」
"スージー"の切なく訴えかけるような歌声が、店内いっぱいに広がる。
ずっと、あなたに愛されたかった
いつも、抱きしめてほしかった
見ていて、私の成長を
聴いていて、私の叫びを
「お願い……」
そう言うと
マンハッタンのオフィスにて #なんちゃってワークスペース
先日より継続中の、緋海書房ワークスペース改造計画。思いのほか難航いたしております。
まずは、つぶやいた時点で借用させていただいたお写真のオフィスのような窓が、わが緋海書房ワークスペースにはないということ。それに加え、ゲーマーが使用するようなドでかいチェア2台。場所を取るしスタイリッシュにならない💦
それでも、何とか私も息子も快適空間を維持できればと知恵を絞り、少しづつではありますが、ワー
夜明けの吐息色 #新色できました
都会の喧騒から離れ、静かな海辺の町にやってきた。何の計画も立てずに、ふらっと旅に出ていた。
何に疲弊するほど持っていかれているのかは、自分自身でもわからずにいるから、旅に出たところで回復できるとは思ってはいない。
けれど、とにかく現実から逃れたかった。ただ、それだけ。
「この企画で通ると本気で思ってる?」
キャリア的には私の方が長いけれど、実績が乏しい分年下の上司には言い返すことができな
《連載ファンタジーノベル》ブロークン・コンソート:魂の歌声
前回
7. 覚醒ー(1)
「とにかく反響が凄いんだ。それに加えて不思議な反応があってね。聴覚に障害がある人達からなんだが、買い物でマーケットにいた時、ダイナーにいた時、そして、家族がラジオを流していた時、聞こえないはずの歌声が聞こえて来たって言うんだよ。ジミーの歌声がね。たくさんの興奮に沸いたメール、SNSが届いているんだ。音楽が頭の中で響いたってね。君たち、この歌にどんな魔法をかけたんだ?」
《連載ファンタジーノベル》ブロークン・コンソート:魂の歌声
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6.寵愛ー(3)
「大丈夫かい?」
マイケルの声がとても遠くに感じる。実際、サンフランシスコとロサンゼルスは四百マイルも離れているのだから遠くに感じるのは当たり前だ。しかし、マイケルの声がクリアに聞こえないのは、この型の古い公衆電話のせいだとジミーは思った。
「君を迎えに行くことができなくて、申し訳ない」
「いいんだ。まだ警察に来るのは危険だ」
「そのかわり、早めに出られるよう力を貸す