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ナム子のBM的思考錯誤

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ナム子の坊守【お寺を守る人】立場で考えたこと、 また試してきたこと、 はたまた実験中のことの記事をまとめています。
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記事一覧

一歩からしか始まらない(坊守会通信より)

一歩からしか始まらない(坊守会通信より)

以前どなたかの法話で、坊守というのは羊飼いの少年や、一緒にいる犬のように、あっちにふらふらこっちにふらふらと動き回る羊たちに、向かうべき方向を示し、誘導していくような役割なのだとお聞きしたことがあります。外に出ていく住職よりも、お寺での采配を受け持つ割合の高い坊守というのは、御本尊の存在をいつも忘れないようにご門徒さんを導き、場を整えていく存在、と言えるのかもしれません。だからこそ坊守自身が念仏者

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新しいお寺の可能性「DODALOカード」>南無阿弥陀仏へのコード付き。

新しいお寺の可能性「DODALOカード」>南無阿弥陀仏へのコード付き。

最近お寺で始めた新しい座談会の形式がとてもいい。
それは三条別院で考案された、
DODALO?カードというカードを使う。

このカードには、だれもが自分ごととして考えられるような
質問が書かれている。(カードは24枚)
例えば、「一押しの食事屋さんはどこ?」「時移動するなら過去?未来?」「目玉焼きにかけるのは何?」「心に残っている「出会い」を教えてください。」「靴にまつわる思い出は?」など、
内容

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九州親鸞フォーラム「食事・仏事・大事」原稿/長野文

九州親鸞フォーラム「食事・仏事・大事」原稿/長野文

2022年
5月29日(日)九州親鸞フォーラム
「食事・仏事・大事」原稿/長野文(長崎県正法寺)

本日は、真宗大谷派九州教区主催の親鸞フォーラム
「食事・仏事・大事」へ、
お越しくださり、誠にありがとうございます。

本フォーラムの開催に際し、
企画・立案のメンバーとして長崎正法寺の長野より
開催趣旨について少しだけ、お話をさせていただきます。

家族のことを思って毎日料理をしたいのに、

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いろんなお別れ

 2022年年末から2023年年始にかけてはとてもお別れが多かった。
もともと門徒数も多いので、そういう状況になりやすいお寺ではある。ただ今回は、コロナ関係に思うこと、割とお別れに関して印象的なお話が多かったので、自分自身の受け止めがまとまらないので書いておこうと思う。お寺の坊守というのは、死別を経験したばかりの方と話す機会がどうしても多くなる。というか、それこそが重要な仕事のひとつでもある。ただ

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ナム子インタビュー記事を書く。

ナム子インタビュー記事を書く。

昨年から始めた「行いがわたしを導く時間」。

http://omura-shoboji.jp/michibiki/

月に一度はお寺で報恩講を、しかもいろいろな仏事に関することを

「行い」ながら。という行事に全て参加してくださった方がおられる。

その方へのインタビューを今回試みました。

今年度のチラシには写真と名前を載せて多くの方に読んでいただく予定。

とりあえず今回はここでご紹介。

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天国に行くのかどうか。

天国に行くのかどうか。

わたしは実は浄土真宗大谷派の僧侶、でもある。

それでいうと、天国に行った誰々、という表現は正直違和感がる。

しかし、一般的には天国に行っても見守っていてね、ということになる。

そこのところがいつも僧侶側からいうと難しいところだ。

この世から旅立って向かうところ、という意味合いで天国という表現に

なるのはわかる。天国に旅立たれました、というようなドラマのセリフの

方が良く聞く。中にはキリ

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寺女の役割を今っぽく言う。

寺女の役割を今っぽく言う。

お寺の女性を社会とつなぐ簡単な方法は、お寺の女性の役割に今っぽい名前を付けてしまうことじゃないかと思う。例えばお花をいけているなら、フラワーアレンジメント、西洋風のフラワーアレンジメントとちゃうわ!って思うなら、フラワーデザイナーとか?お寺にいるとしょっちゅうお花をいけているよ。

電話の受付が多い場合は、テレフォンオペレーター、法要などの裏方をやる時は総合支配人、事務仕事が多いなら、秘書職(会計

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お寺で女性が病気になってはいけない

お寺で女性が病気になってはいけない

お寺で過ごすというか、お寺が職場かつ家だという女性は日本にどれくらいいるのだろう。そもそもそんなこと調査できるのだろうか・・・。職種のところに記入する場合、最近でこそ寺業なんて書いてだしたりするものの、大抵は自営業あたりで茶を濁すことが多いので調査すら難しそうだ。ということはつまり、社会から抹殺されている気分に陥りやすいということなのだ。なんてことだ・・・。これだけの仕事をしているのに。社会に存在

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BMという創造的なる仕事

坊守と言う役割が自分にやってきて14年近くなる。10年ほど経った頃からだろうか、坊守が担う仕事と言うのは、どこもここも創造的な仕事であふれていると感じ始めた。例えば、ご門徒さんの対応も、お花をいけることも、お茶を出すことも、筆を取ることも、新聞を作ることも、そしてお斎を考えることも。中でもお斎の場を再開し、作り直すことも「場の創造」というクリエイティブな仕事だと感じながら行った。地域ごとの当番制な

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行いは何を導く?(BM8)

行いは何を導く?(BM8)

「行いがわたしを導く時間」を始めていろんなことが寺内で起こっているので、その一つを書いておきたい。それは、毎月の担当者を決めるので、それぞれが責任をもって「学ぶ」姿勢が必要になった。人前で説明したりしなきゃならないから。今までは住職ばかりが話していた講座だったのが、今年になってわたしも随分お話をするようになったし、正直事前準備はこれまで以上に大変である。

でも毎回書いているが、そういうことは実社

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「種まき」からやり直す(BM7)

「種まき」からやり直す(BM7)

お寺からのおハガキを送ってみたら、反応がとてもよく、まだまだお手紙は大事なんだなと分かった。

なので、今回は女性部の会長さんにお願いし、手書きのお手紙を書いてもらい、スキャンしてハガキにしてみた。

女性部の会員は250名くらいおられるので、費用はかかたけども、行事がほとんど中止になったから予算はある。

こういうのは、「種まき」というのだよね。

私はネットを駆使して現代的な?アプローチをする

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教えを生きる(BM6)

教えを生きる(BM6)

BM=坊守【お寺を守る仕事や住職の配偶者】

BMの仕事、というのか、BMとは何か?というものの根本にあるのは、やはり「経」だと思う。伝えられてきたお経の中にある、お釈迦様から脈々と受け継がれてきた教えを聴き、(それを聴聞という)そこに自らを照らして、生きているか?というのは問われる。

寺に住んでいると大変でしょ?よよく言われるが、皆が「経」に自らを照らしている、という面では楽なところもある。分

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アウトプットを忘れていた・・・。

アウトプットを忘れていた・・・。

昨日、お寺の新聞について書いてみたら、思っていたよりも反響があって、びっくりした。昨日書いた事のほとんどは、結構前から考えていたことだったので。

でも、でもだ。

それは自分で「一人で考えていた」だけだ。

そんなものわざわざ誰が知れるだろう・・・。

それこそ実際に会って、三密のなか食事でもしながらゆっくりおしゃべりでもしない限り伝わらない。それでもそういう話になるかは分からない。

そんな、

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「お寺の人こそまとめてみよう!」~寺報作りに見る可能性~(BM5)

「お寺の人こそまとめてみよう!」~寺報作りに見る可能性~(BM5)

5年前にお寺の未来主催の「伝わる寺報教室」を受講した。通信教育だったので、通うこともいらず自分のペースで参加できた。いまだったら、zoomなどでやり取りしてもっと楽しいかも。。。

講師、杉本恭子さんによる「書く」ことに関するワークは、とても楽しかったし、今でも役に立つことが多い。

今春始めた、「行いがわたしを導く時間」のチラシに載せた文章も、伝えたいことを一気に書いてみるという杉本さんから教わ

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