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文学と音楽が好きです。 Blues、Soul、Funk、Rock、米津玄師 定年後の趣…

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文学と音楽が好きです。 Blues、Soul、Funk、Rock、米津玄師 定年後の趣味を楽しみましょう

記事一覧

阿部公彦「文章は『形』から読む」を読んで「論理国語」の問題点を考えた

阿部公彦「文章は『形』から読む」 集英社新書より 学習指導要領を読む を読み、まとめてみました 「論理国語」論争 社会から「社会に出たときに接するような文章」を…

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1か月前
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自分の才能の見つけ方、伸ばし方が学べます

「凡人が天才に勝つ方法」つんく 東洋経済新報社 日頃、高校生に接している私は、生徒たちの才能の見つけ方、生かし方に興味があり、参考になる本を探しています。 また…

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1か月前
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大学入学共通テストの国語が変わります 変更点をまとめました

jinetsuki
1か月前
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「『夕暮れに夜明けの歌をー文学を探しにロシアに行く』奈倉有里」京都大学国語2024年入試問題を解いてみた

jinetsuki
2か月前
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ZOOM MULTI STOMP使い方備忘録

jinetsuki
2か月前
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木製ピックを購入してみました

jinetsuki
9か月前

屋久杉の端材でキーホルダーを手作り

jinetsuki
9か月前
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木でギター用のピックを作ってみました

jinetsuki
9か月前

「柏木博 視覚の生命力ーイメージの復権」「呉竹充利 ル・コルビュジエと近代絵画ー二〇世紀モダニズムの道程」2023年度共…

今年(2023年度)の共通テスト国語第1問を解いてみました。 何かと話題にあがる共通テストはどうだったのかを分析します。 第1問は評論です。出典の「視覚の生命力ーイメ…

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1年前
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東京大学 2022年 前期 文科 鵜飼哲「ナショナリズム、その〈彼方〉への隘路」

東京大学 2022年 前期 文科 鵜飼哲「ナショナリズム、その〈彼方〉への隘路」 この大学入試が行われた直後に、プーチンの命令でロシアがウクライナに軍事侵攻をし…

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2年前
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京都大学の国語を解いてみた 高橋和巳「〈邪読〉について」 #大学入試 #京都大学

2022年京都大学 前期 国語 文系学部 第二問 高橋和巳『〈邪読〉について』 形式段落の内容をまとめました 1 「千夜一夜物語」の語りは、物語が物語を生み、登…

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2年前
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京都大学の国語を解いてみた 2022年前期 岡本太郎「日本の伝統」

2022年京都大学 前期 国語 文系学部 第一問 岡本太郎『日本の伝統』 本文の内容をまとめました。 1 今日の若い世代は日本の古典芸術よりも西洋の古典芸術の方…

jinetsuki
2年前
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ウクライナで起こっていることを理解するために

ウクライナへの侵略が発生してから、日本では、核武装を議論しようとか、軍備を増強せよとかいった勇み足、勇ましい発言が報道されています。 そんな発言をする人は、自分…

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2年前

共通テスト国語第2問小説を国語教師が解いてみた 解き方の解説と内容分析

共通テスト国語 第2問小説 「庭の男」黒井千次 前書き 隣家の庭のプレハブ小屋に、男が描かれた看板が立ち、それが気になり始めた「私」 案山子をどけてくれと頼んで…

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2年前
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2022年 共通テスト国語 第1問 評論を国語教師が解いてみた

共通テスト国語 第1問 評論を解いてみました。 問題文は以下のpdfファイルを見ることができます。 画像を貼っておきます。 文章Ⅰ「食べることの哲学」檜垣立哉 形式段…

jinetsuki
2年前
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連載小説 「邦裕の孤愁くにひろのこしゅう」第18話 孤愁(完結)

 邦裕は黙ったままソファに沈み込んでいた。健人も黙って一緒にいたが、電話がかかってきて自分の部屋に引き上げた。  邦裕は、部屋に戻ると、涙がひとりでに湧いてきて…

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3年前
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阿部公彦「文章は『形』から読む」を読んで「論理国語」の問題点を考えた

阿部公彦「文章は『形』から読む」 集英社新書より
学習指導要領を読む を読み、まとめてみました

「論理国語」論争

社会から「社会に出たときに接するような文章」をもっと扱えという声が高まり、駐車場の契約書、著作権についての法律の条文が例として示される

新学習指導要領で「論理国語」論争が起こる
「論理国語」ー「社会に出たときに接するような文章」を国語教育に取り入れる科目
これは「論理的な文章」や

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自分の才能の見つけ方、伸ばし方が学べます

「凡人が天才に勝つ方法」つんく 東洋経済新報社

日頃、高校生に接している私は、生徒たちの才能の見つけ方、生かし方に興味があり、参考になる本を探しています。

また、自分自身も還暦を過ぎても眠っている才能?を探して伸ばしたいと思っています。

そこで出会ったのが、音楽家、プロデューサーで活躍する「つんく」が「才能」について語ったこの本です。

読みやすいように工夫されていて、色で強調したり、見やす

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「柏木博 視覚の生命力ーイメージの復権」「呉竹充利 ル・コルビュジエと近代絵画ー二〇世紀モダニズムの道程」2023年度共通テスト国語第1問を解いてみました

「柏木博 視覚の生命力ーイメージの復権」「呉竹充利 ル・コルビュジエと近代絵画ー二〇世紀モダニズムの道程」2023年度共通テスト国語第1問を解いてみました

今年(2023年度)の共通テスト国語第1問を解いてみました。

何かと話題にあがる共通テストはどうだったのかを分析します。

第1問は評論です。出典の「視覚の生命力ーイメージの復権」柏木博は、早稲田大学法学部2019年に出題されていました。本文の箇所は異なりますが。

以下の赤の波線部は、解答の根拠になると思う部分に私が線引きしたものです。

問1の漢字は、標準的で、全問正解できるでしょう。

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東京大学 2022年 前期 文科 鵜飼哲「ナショナリズム、その〈彼方〉への隘路」

東京大学 2022年 前期 文科 鵜飼哲「ナショナリズム、その〈彼方〉への隘路」

この大学入試が行われた直後に、プーチンの命令でロシアがウクライナに軍事侵攻をしました。アメリカやヨーロッパはもちろん、世界中の多くの国がこの「暴挙」に反対しています。日本でも「核武装の議論を始めよ」などと元首相や一部の政治家が言い出す始末。まさに「ナショナリズム」の発言を目の当たりにしています。現実に進行している世

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京都大学の国語を解いてみた 高橋和巳「〈邪読〉について」 #大学入試 #京都大学

2022年京都大学 前期 国語 文系学部

第二問 高橋和巳『〈邪読〉について』

形式段落の内容をまとめました

1 「千夜一夜物語」の語りは、物語が物語を生み、登場人物が語り出した物語の中の人物がまた一つの物語を語り出す

2 これはアラビア文化圏特有の存在論が背後にある

3 私は青春の一時期、この発想に近い読書の仕方をしていた

4 死の誘惑から逃れるため手当たり次第に読書した。読んでいる

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京都大学の国語を解いてみた 2022年前期 岡本太郎「日本の伝統」

2022年京都大学 前期 国語 文系学部

第一問 岡本太郎『日本の伝統』

本文の内容をまとめました。

1 今日の若い世代は日本の古典芸術よりも西洋の古典芸術の方を理解している。

2 法隆寺金堂壁画の焼失のニュースは、十大ニュースの9位でしかない。

3 失われたものを嘆くよりも、悔いと空虚を逆に作用させ、すぐれたものを作り、伝統としていけばよい

4 そんな気魄こそ伝統継承の直流だ

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ウクライナで起こっていることを理解するために

ウクライナへの侵略が発生してから、日本では、核武装を議論しようとか、軍備を増強せよとかいった勇み足、勇ましい発言が報道されています。
そんな発言をする人は、自分は決して最前線に一兵卒で行かないと思い込んでいるのではないでしょうか。
なぜ、最前線で悲惨な思いをして、死ぬということを考えられないのか。
自分は特別な存在だから、そんなことは他の国民がやればいいと思っているのでしょう。

文学に描かれた戦

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共通テスト国語第2問小説を国語教師が解いてみた 解き方の解説と内容分析

共通テスト国語第2問小説を国語教師が解いてみた 解き方の解説と内容分析

共通テスト国語 第2問小説 「庭の男」黒井千次

前書き

隣家の庭のプレハブ小屋に、男が描かれた看板が立ち、それが気になり始めた「私」

案山子をどけてくれと頼んでいる雀のようだと自身を感じる

特異な設定なので、前書きをしっかり確認しておきましょう。

形式段落のポイントをまとめました。通し番号は形式段落を示します。

1・裏の家の息子に頼んでみたらー妻の示唆 私の側に立ってくれたことに救われ

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2022年 共通テスト国語 第1問 評論を国語教師が解いてみた

2022年 共通テスト国語 第1問 評論を国語教師が解いてみた

共通テスト国語 第1問 評論を解いてみました。

問題文は以下のpdfファイルを見ることができます。
画像を貼っておきます。

文章Ⅰ「食べることの哲学」檜垣立哉
形式段落に通し番号を付け、要旨をまとめました

1「食べる」ことと「生」にまつわる議論

動物も人間も、自然のなかでの生き物としてまったく対等な位相にたってしまう

2宮沢賢治「よだかの星」は擬人化がなされ、その感情は人間的

よだかは

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連載小説 「邦裕の孤愁くにひろのこしゅう」第18話 孤愁(完結)

連載小説 「邦裕の孤愁くにひろのこしゅう」第18話 孤愁(完結)

 邦裕は黙ったままソファに沈み込んでいた。健人も黙って一緒にいたが、電話がかかってきて自分の部屋に引き上げた。
 邦裕は、部屋に戻ると、涙がひとりでに湧いてきて、何筋も頬に流れた。終いにはううっと声が漏れた。肩が震える。しばらく泣いたまま立ちすくんでいた。
 なぜ、朱莉に起こっている変化に気づかなかったのだろう。また、朱莉はそのことを話してくれなかったのだろう。
 思っても仕方のない考えがぐるぐる

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